小田和正ツアー東京公演(14/07/13)

久し振りの書き込みですねcoldsweats01

今回は、東京で3年ぶりの小田和正さんのコンサート(小田さんもスタッフに指摘されて気付いたそうですhappy01)が開催され、そのコンサートに行ってきましたので、簡単な感想を。まだこのツアー、始まったばっかりですので、ネタバレにならない程度に、でも、皆さんの参考になる程度には詳しく書いてみます。

今回の東京でのコンサート会場は、小田さんとしては初めての東京体育館。小田さんもスタッフも初めての会場ということでちと心配していたようですが、「ばっちり!」とコンサートの終盤で小田さんが言っていたように、成功裏に終わった印象です。とは言え、体育館という施設ですから、会場内を完全に暗転させるために苦労していたようですし、コンサート終盤で後ろのスピーカーから音が流れてしまい、音が会場で回ってしまったアクシデントもありましたが。あと、入口から会場までの距離が短いので、公式グッズ等を売る場所を室内に設けることができず、そのため、公式グッズ等を外のブースで販売していました。

さて、このツアーに先立って発売されたアルバム「小田日和」。全般的にスローな曲が多いので、前回のツアーでも「どーも」収録の全曲をコンサートで披露していた小田さん、どうするのかな、スローな曲が多いとコンサートの構成に工夫が必要かもなぁ、と思っていました。で、実際に「小田日和」に収録されている全10曲がコンサートで披露されたわけで、実際に通しで聴いてみると、スローな曲ばかりという印象ではなく、聴き応えのあるコンサートだったなぁ、という感じでした。

今回のコンサートで演奏された曲目は、前回のツアーでの曲目とかなり入れ替わっていて、久し振りに聴く曲、また、私自身はライブで初めて聴いた曲など、バリエーションに富んでいました。で、「小田日和」「どーも」以外のアルバムで取り上げられていた曲は、私が感じるに、小田さんの曲としてはちょっと変わっている曲、もっと詳しく言うと、ちょっと理性的な曲を選んでいるように思いました。ざっと並べてみると、「生まれくる子供たちのために(Looking Backバージョンですね)」「風と君を待つだけ」「The Flag」「Re」と、結構骨太な歌詞が並ぶ曲です。とは言え、「YES-YES-YES」も取り上げていたので、そればかりではないですけどね。

個人的には、「風と君を待つだけ」は、ライブで初めて聴きました。小田さんのベスト盤でも取り上げられたことがないはずで、小田さん自身はあまりこの曲に愛着がないのかなぁ、映画「いつか どこかで」の思い出があるからなのかなぁ、などと思っていました。この曲のイントロ(シンセの独特なフレーズ)が演奏された途端、あまりに感動しすぎて卒倒しそうになりました(大袈裟な(^_^;))。

あと、小田さんが「4人時代のオフコースで、なかなかメンバーの間でうまくいかなくて、一つになってまとまろうよという意味でこの曲を作ったんですが、でも結局うまく行きませんでしたけどね」と言って「もっと近くに(as close as possible)」が演奏されました。この曲、考えてみるとこのアルバムのツアーで日本武道館に私は行っていて、その時以来でしたね。

お馴染みのご当地紀行では、当たり前のように東京の観光地巡りをしていました。浅草では、「花やしき」にシニア料金(65歳以上)で入場し、65歳以上ご遠慮と書いてあったジェットコースターではしゃいでいたり、と、66歳の小田さんはご満悦でした。

さて、小田さんが年齢を重ねるように、小田さんのコンサートに来場するファンも(自分を含めて)年齢を重ねます。今回は、足が不自由そうにお見かけするファンがちらほらいらっしゃいました。私からすれば、その年齢になっても小田さんの曲を聴いて幸せな気分になれる人生は素敵だと思います。私がオフコースを丹念に聴き始めてからもう35年、よくも浮気もせずにずっと聴き続けていられるなぁ、と思っています。

さて、8月の横浜公演は、都合により行けないので、10月の日本武道館をどうするか、今からちと思案中です。ま、何とかして行くと思いますがscissors

| | コメント (0)

1983年の3枚のアルバム(謎)

本日は、長年書こうと思っていた話題で、最近ちょっと動きがあったので思い切って書くことにした話題です。とは言え、そんなにたいそうな内容ではなく、自分の個人的な思い入れだけの話題ですhappy01

1983年という年は、私が大学を卒業して社会人になった年です(これで年齢がばれますねcoldsweats01)。この、1983年に発表されたアルバムで、今になっても定期的に聴いているアルバムが3つあります。一つは山下達郎(今日は、敢えてアーティスト名を呼び捨てにしてます)の「Melodies」、次は松任谷由実の「REINCARNATION」、最後に松田聖子の「ユートピア」です。特段繋がりがあるわけではないのですが、この3枚のアルバムは、ある意味で自分の青春の一時期を彩った忘れ得ぬアルバム達です。

この間、「Melodies」については、本人監修のリマスタリングアルバムが発表されました。まぁ、今年が丁度30周年ですし、再発されていてもずっとアナログLPに使ったマスターテープをそのままCD化したというクオリティでしたから、私は長いことリマスタリングしないかと待ち望んでいました。
「Melodies」というアルバムは、アルバムの掉尾を飾る「クリスマス・イブ」という名曲がありますから、山下達郎のファンでなくてもこのアルバムの存在を知っている方も多いかと思います。とは言え、私はこの「クリスマス・イブ」だけがリマスタリングされることを望んでいたわけではないです。「クリスマス・イブ」だけであれば、リマスタリングされて山下達郎のベストアルバム「Opus」に収録されていますから(ついでに「悲しみのJODY」「高気圧ガール」も収録されてますし)。そうではなくて、この「Melodies」というアルバムは、「悲しみのJODY」のイントロのドラムから「クリスマス・イブ」のエンディングのコーラスまで、私の頭の中で一連のものとして記憶されているくらい聴き込んでいるので、アルバム全てがリマスタリングされることを望んでいたのです。

「Meloides」そのものは極めて著名なアルバムですから、今さら自分が個々の曲をご紹介する必要もないかと思います。とにかく完成度が異様に高いアルバムで、80年代の山下達郎の頂点とも言えるアルバムだと思います。特に、自分はアナログLPのB面トップに位置する「メリー・ゴー・ラウンド」をリマスタリングされて聴けることが何よりの喜びです。この曲は、最近山下達郎があまりアプローチしていない、どファンクな曲で、イントロを含めたチョッパーベースがずんずんと頭の中に響く感覚は、当時結構はまったもんです。
今回のリマスタリングアルバムは、全曲本人のライナーノーツ付きで、しかも、おまけトラックが5つも付いていて、何だか申し訳ないくらいにお得感があります。ただ、ライナーノーツで、山下達郎が「もうこれでリマスタリングはおしまいです」と言っているのがちと残念ではありますが。

次に、松任谷由実の「REINCARNATION」です。一時期、松任谷由実が曲の主題として霊的なもの、直感的なものを積極的に取り入れていたことがあり、全体的にそういったスピリチュアルなトーンで彩られたアルバムです。アルバムタイトルにもなっている「REINARNATION」はまさに転生ですし、先行シングル(というかなかなかアルバムに収録されなかった)「ESPER」も第六感についての曲です。

私がこのアルバムを気に入ったのは、松任谷由実のキャリア全体を通してアレンジがある意味シティ・ポップス的(死語ですね)なアプローチをしていた中で、このアルバムはそこからかなりはみ出た、フュージョンというかロックというか、かなり異色なサウンドアプローチをしていて、このサウンドの傾向が自分としても非常に好きだったからです。
ちと細かい話ですが、この「REINCARNATON」のレコーディングのバックを務めていたのが、当時結構有名であった「PARACHUTE」というフュージョンバンドを中心としたメンバーでした。「PARACHITE」は「TOTO」に刺激を受けた日本のスタジオミュージシャンが結成したバンドらしく、メンバーはあちこちのアーティストのアルバムのクレジットに載っていました。私は「PARACHUTE」のバンドも結構気に入って聴いており、「REINCARNATION」が発表された当時は結構驚いた記憶があります。ちなみに、「PARACHUTE」のメンバーの一部は、寺尾聰のかの有名なアルバム「Reflections」のレコーディングメンバーでもあります。

レコーディングメンバーをかなり固定したことで、ある意味でバンドとしてのまとまりが全体としてあり、このまとまりの中で一気に聴かせてしまう疾走感が感じられるアルバムです。特に、アナログLPのB面は「ESPER」から「経る時」までの全ての曲が、どれが欠けてもまとまりを失うのではないかというくらいの一体感があります。

最後に松田聖子の「ユートピア」。なんでアイドルのアルバム?と考えられる方も多いかと思いますが、このアルバム、私の記憶では松田聖子のアルバムとしては最も売れたアルバムのはずです。
初期の松田聖子の場合、シングル曲に限らず、楽曲提供者(作曲者側ですね、作詞者は松本隆の場合がほとんどなので)が豪華な布陣で、この手の流れを作ったのは松田聖子が先駆者なのだろうと思っています。この「ユートピア」も、杉真理、甲斐よしひろ等の有名なアーティストがずらっと並んでいます。当然ながら曲のクオリティも非常に高いです。アイドルというよりもシンガーとしての松田聖子の実力を見せつけています。

…とまぁ、ちと駆け足のご紹介でしたが、この3つのアルバムがあるだけで、私は1983年という年は非常に実りのある年だったなぁ、と思っています。

| | コメント (0)

Skoop on Somebody"Distance"

このBLOGも随分と更新が途絶えてしまっていました。仕事上で色々と変化があったこともあり、本館のBLOGの更新もままならない状態で、別館のこちらはますます更新に手が回らない状態ですcryingとは言え、書く気にならないといつまでもそのままですので、短めに更新をします。

とはいうものの、去年発表されたアルバムでご紹介したいものがまだまだ幾つか残っていますcoldsweats02まずは、去年分のアルバムのご紹介を順次します。

本日はSkoop on Somebodyの「Distance」をご紹介します。Skoop on Somebodyは、昨年ドラムスのメンバーの方が一人脱退し、現在は2人での活動になっています。今回のアルバムは、2人になってから初めてのアルバムになります。メンバーの方が音楽活動を休止されて以降は、それまでのSkoop on Somebodyとしてはシングル曲を結構多く発表しているものの、アルバム発表は随分と時間が空いてしまいました。その間、TAKEさんもKO-ICHIROさんも個々に活動をして(KO-ICHIROさんは鈴木雅之さんのツアーのピアノ担当をしているのをライブ映像で見ていました)いたのですが、メンバー脱退前は比較的頻繁にアルバム発表をしていた(脱退前は1年に2枚のアルバムを出しましたし)ことから比べて、アルバムは随分ご無沙汰した、という感じがあります。

今回のアルバム「Distance」の最大の特徴は、様々なミュージシャンとのコラボレーションの結果できた曲や、他のミュージシャンの曲にインスパイアされて書いた曲などがあり、ある意味でSkoop on Somebodyの交友の広さが反映されたアルバムになっていることです。今まで、Skoop on Somebodyは、個々のメンバーが他のミュージシャンに呼ばれてそのミュージシャンのアルバムに参加することは多かったように記憶しているのですが、自分たちのアルバムに他のミュージシャンを呼んで一緒に仕事をすることは少なかったと思います。多分に、これまでのアルバムは、Skoop on Somebodyとして追求したい世界があり、その表現に心血を注ぐあまり、コラボレーションという手法を使う機会が少なかったからかもしれません(あくまで推測ですが)。今回は、ある意味で肩の力が抜けた感じがあり、和気藹々とまでは言いませんが、メンバーが楽しんで曲を作っている感じがありありとします。その意味で、新しい世界を切り開いたアルバムと言えます。アルバム制作までの期間が長かったのも、シングル曲の定期的な発表をするなど、彼らなりに新境地を切り開くための作業を比較的長期間にわたって行っており、そういった創作活動の結果として作りためた曲が一定の数になったのでアルバムを制作した、という感じがあります。

その意味で、アルバムに収録されている曲はどれもクオリティが非常に高く、聴き応えのあるアルバムになっています。元々の彼らのルーツであるSoul Musicをベースとした曲はそれほど多くないのですが、彼らの新たなスタートを飾るには好適な曲が並んでいます。個人的には、ゴスペル的ではないのですが、クワイヤーによる歌唱が圧巻の「君がキミである証」が非常にぐっときました。この曲、歌詞も非常に前向きで、カラオケで歌ったら自分自身で非常に盛り上がりそうです。

ということで、このアルバム、結構な頻度で今でも聴いていますgood


| | コメント (0)

槇原敬之”世界に一つだけの花”

今までこのサイトを放置して置いて、本日はアルバム紹介でも何でもないのをお許し下さいm(__)m とは言え、音楽の話題であることは間違いないんですが。

朝日新聞の土曜版で、毎週1曲、その曲にまつわる事情なり時代背景なりを解き明かす記事(うたの旅人)があります。少し前の話(4月上旬)ですが、ある週に、槇原敬之さんの「世界に一つだけの花」が紹介されていました。

ご存じの方も多いと思いますが、この曲、まずはSMAPの曲として発表され、200万枚を超す非常に大きな売り上げになりました。お約束通り、1年後には槇原敬之さん自身がセルフカバー曲(だいたい1年経つとセルフカバーします)として、アルバム「EXPLORER」に収録しました。

曲が発表されてからこの方、歌詞の内容について様々な議論を呼んだようです。歌詞の内容を忠実に考えると、一人一人は全て違った人間であり、ナンバーワンよりオンリーワンだよ、ということだけなのですが、このメッセージを巡って色々な人が色々な解釈をしたようです。
私が記憶している中で結構印象に残っているのが、丁度この時期に話題になっていた(今も話題になりますが)「ゆとり世代」を擁護するような曲である、というものでした。ゆとり世代については様々な批判があるように思っていますが、その中で、東大を頂点とした学歴社会に対する反省として、競争を極力学校の中に持ち込まない、そして勉強の詰め込みをしない、という方針があった結果、ゆとり世代は互いの競争を避ける傾向にある、結果的に人と何かしら違えば良いという風潮がある、「世界に一つだけの花」はその風潮を擁護するものだ、という批判でした。確かに、報道の中で、徒競走すら競争であるとして、ゴールラインにみんなで手をつないでゴールする教育があるという(本当にそんな徒競走があったかどうか見たことはありません)ことを聞きました。流石にそれはやり過ぎだろうと思いましたが。
それ以外にも、様々な批判があったことが朝日新聞に紹介されていました。では、槇原敬之さんはこの曲をどんな気持ちで作ったのでしょうか。朝日新聞では、彼は「色々な解釈があっていいと思っています」と、記事上では特段自身の思いを語ってはいません。
ただ、一つのヒントとして、朝日新聞では、例の覚醒剤事件があってからCD回収等があり、かなり大きな負債を抱える結果になり、その苦しみの中で山梨にある身延山久遠寺に登ったことが書いてありました。彼が宗教、特に仏教に大きな興味を持ち、仏教の考え方を取り入れた(と私は勝手に思っています)曲作りをしたきっかけがここにあると思っています。

槇原敬之さんは、「Best LIFE」のライナーノーツで、「世界に一つだけの花」の曲紹介のところで、ある仏伝を紹介していました。それは、お釈迦様が摩耶夫人の右脇の下から生まれた時に、すぐに立ち上がって七歩歩き、「天上天下唯我独尊」と仰ったという仏伝です。そもそも、母親の脇の下から生まれる、すぐに立ち上がるなど、お釈迦様を讃える表現の中でのエピソードですので、ただただすごい仏伝だな、と思うばかりですが。ちなみに、4月8日の誕生会で甘茶をかけている仏像は、この「天上天下唯我独尊」とお釈迦様が仰った時のお姿だそうです。
ただ、字面だけ眺めていると、お釈迦様のこのお言葉は、言葉は悪いですが「俺様」的なニュアンスがないとは言えません。衆生を助ける広いお気持ちを持っておられるお釈迦様がこのような俺様的な発言をするのだろうか、という疑問は仏教関係者にもあったようで、そこで、このお言葉は、「この世の中の一人一人はみな尊い存在である」とお釈迦様が言われたのだという解釈が出てきたようです。そして、槇原敬之さんは、この「天上天下唯我独尊」という言葉に触発されて、「世界に一つだけの花」を書いたようです。朝日新聞では、このことは身延山久遠寺の高僧の方が指摘をされていました。

こういった背景を考えると、「世界に一つだけの花」の曲は大きく批判を受ける内容ではないと思うのです。金子みすゞさんの詩に「みんなちがって/みんないい」というフレーズがあり、このフレーズがまさに「天上天下唯我独尊」であり、「世界に一つだけの花」の詩と重なるのです。

とは言え、槇原敬之さんも「世界に一つだけの花」の詩に対する批判は結構気にしていたようで、アルバム「Personal Soundtracks」の通常盤の最後にある「The Average Man Keeps Walking」では、色々と世の中に競争があり、その中で平凡に生きていると埋もれてしまうね、ということを唄っています。この曲紹介でも「世界に一つだけの花」に対する批判があり、槇原敬之は競争を否定していると思っている方もいらっしゃるようですが、と書いていた記憶があります。

何にしても、ヒットして様々な人の目に触れるようになれば、作者が思いもよらない解釈をされ、批判されるのが世の常とも言えます。私が上に書いた話も、槇原敬之さんからすれば自説と違うと思われるかもしれません。私は槇原敬之さんの気持ちを代弁しているなどと大それたことは考えておらず、ただ、私は、彼の発言からするとこんなふうに解釈するといいのではないか、と思っただけです。


| | コメント (0)

山下達郎"Ray Of Hope"

珍しく長い間blogを放置しておりました。ちと職場環境の変化により、いつ仕事をしていつ休息を取っているかが段々と区別がつかなくなり、始終仕事をしている状態になったため、全くblogを書く余裕が出ませんでした。ようやく少し収まりつつありますので、ちょっとずつではありますが、blog書きも再開していきたいと考えています。

さて、昨年の新譜の紹介が全然終わっていないcoldsweats01しかも、どこまでご紹介したかをど忘れしておりました。リリース年月日が多少前後するかもしれませんが、順次ご紹介を致します。おつきあいのほどを。

今回は、山下達郎さんの"Ray Of Hope"です。氏のアルバムは、2005年に発表された"Sonorite"以来ですから、実に6年ぶりになります。とは言え、"Sonorite"も新譜としては7年ぶりでしたから、最近はこの程度のリリース間隔になってしまったようです。"Ray Of Hope"も、実は2010年に発表されるというアナウンスがあったのですが、制作上の都合という理由で延期になり、その間に東日本大震災があり、曲の構成等をかなり変更したようです。

ご存じの方も多いと思いますが、アルバムのタイトル"Ray Of Hope"は、先行シングル「希望という名の光」のコーラス部分で使われているフレーズです。つまりはシングルタイトルの英訳。このシングルは、「てぃだかんかん」という映画の主題歌として書き下ろされています。この映画は、ナインティナインの岡村さんが主演していて、ご存じのように岡村さんはこの映画上映後に一時期闘病生活を続けており、山下達郎さんは「希望という名の光」を岡村さん(とその頃同じく闘病生活をしていた桑田佳祐さん)に捧げるという言い方をしていたようです。そして、歌詞の内容が、辛い中で希望を捨てずに前を向こうという内容が含まれているので、東日本大震災後にこの「希望という名の光」がラジオ等で相当オンエアされ、また、NHKの「Songs」でも震災復興を祈る曲として、山下達郎さんのメッセージとともにオンエアされました。

音楽はリリースされてしまうと作者の手から離れ、作者の意図しない方向に成長してしまうことがあります。「希望という名の光」も、沖縄で人工サンゴに奮闘した主人公を描いた「てぃだかんかん」という映画に合わせて作られただろうと思いますので、確かに人生の応援歌的な要素は多分に持っていたとは言え、東日本大震災復興を祈念しての曲ではないわけです(東日本大震災復興を祈念していないなどとは言ってませんよ)。しかし、アルバムの順番としてこの「希望という名の光」をアルバムに収録しないことは考えられず、また、ファンとしてもこのアルバムで「希望という名の光」を聴きたいと思うでしょうから、結果的に、アルバム"Ray Of Hope"ではprelude、postludeを含めて「希望という名の光」が3回出現することになっています。そして、アルバムタイトルまで。

山下達郎さんのインタビュー記事によると、このアルバムは、東日本大震災を経て随分と形が変わったようです。例えば、アルバムのアートワークも、楽器を並べたというアイデアは一緒らしいのですが、東日本大震災前のそれとは全然違うらしいです。アルバムの収録曲も一部差し替えをしたようです。確かに、山下達郎さんの曲には時にシニカルなものがあるのですが、今回シニカルといえるのは「俺の空」くらい(しかもシニカルというよりは実に直接的な怒り)です。

とは言え、山下達郎さんはシングル曲自体は実にコンスタントに発表していて、その意味で待ちに待った新アルバムではあったわけです。

で、全体的な感想を。ぱっと聴いた印象は、上に書いたように「希望という名の光」が3回演奏されることもあり、「希望という名の光」の印象が非常に強いアルバムです。私はこの曲のメロディも、そして、詞の内容も非常に好きですので、それをとやかく言うつもりはないのですが、上に書いたように、東日本大震災後ということを強く意識するがために、山下達郎さんの良さが全て発揮できていない感じがします。

もう一つ、既発シングル曲が全体的に穏やかな恋愛の曲が多いせいか、アルバムも全体的に穏やかなものになっている感じがします。その中で異色を放つのが「俺の空」。どファンクと言うべきか、山下達郎御大は50歳を過ぎても反骨心旺盛と言うべきか、実に爽快そのものです。エフェクターばりばりのどファンク曲は、若いリスナーからするとPerfumeのパクリと思われたようですが、どっこい山下達郎さんの初期曲はブラックミュージックからの影響が非常に強く、そう言えば最近はなかったねぇという印象です。一番最近だと、"For You"の「HEY REPORTER!」あたりだと思いますが、私は、"MOONGLOW"の「YELLOW CAB」で度肝を抜かされた過去があります。あと、「街物語」はリズムにしても曲調にしてもお久しぶり感がある佳曲だと思います。

もう一つ、ちとどうでもいいお話を。前作"Sonorite"でハードディスクレコーディングに移行した山下達郎さん、6年経ってだいぶ慣れた感じはあるのですが、まだ、デジタルテープ時代の音の域にまで達していない気がします。ま、別物だと思って聴いていればいいんですが。

それでは。


| | コメント (0)

久保田利伸"GOLD SKOOL"

かなり長期間、このBLOGを放置していて申し訳ありませんでしたm(_ _)m。新譜を聴くのは継続していたのですが(Walkmanに入れて通勤時間などに聴いたり、自宅でメールチェック等をしていればBGMで聴いたり)、BLOGにまとめる時間を取ることができない状態でいました。少しは落ち着いたと思いますので、たまっている新譜ご紹介を再開したいと思います。とは言え、昨年発表されたアルバムでまだご紹介できてないのが4~5枚ほどありますので、どうなることやら…coldsweats02

前振りはさておき、本日は久保田利伸さんの「GOLD SKOOL」です。このタイトル、英語の「OLD SKOOL」を捻った題名とのことです。OLD SKOOLとは、単純に言えばR&Bなりヒップホップのクラシックという意味のようで、久保田利伸さんからすると、多分に自分の音楽が「クラシック」であるという評価をされるのではなく、「今も輝き続ける」曲達だという意味でこんな題名を付けたんではないかと勝手に思っています。

で、昨年は久保田利伸さんがデビューして25周年。もうそんなに経ったの?と私自身は結構驚いてしまいましたcoldsweats01。デビューから大して年月が経っていない頃からずっと聴いてますから、自分が年齢を重ねるのを忘れるようにbleah、自分と大して年齢が変わらないアーティストも自分と同じように「若い」ように錯覚をしてしまいます。最近、久保田利伸さんのベスト盤がデビュー25周年を記念して出て(いずれレビューします)、初回盤にはPVのnon stop remixが収録されていたので、視聴してみました。やはり、デビュー当初の久保田利伸さんは滅茶苦茶若いgood。そりゃ、20代前半の久保田利伸さんですから若いのは当たり前です。今の久保田利伸さんも十分若いと思うのですが、25年という年月(四半世紀ですからねぇ)を改めて認識させられました。

上に書いたように、久保田利伸さんはデビュー25周年ということで、前作の「Timeless Fly」から1年半ほどしか経っていませんが、25周年に何とか新譜を(そしてベスト盤を)ということで精力的に活動されて発表に至ったようです。

で、中身の曲ですが、これが非常によろしいですhappy01。つまり、前作の「Timeless Fly」はここ10年ほど久保田利伸さんが追い求めてきた現代的なR&B路線の延長線にありつつも、若手のR&Bアーティストたちとのコラボを積極的に行った結果の作品だとするならば、今回の作品は、若手のR&Bアーティストたちとのコラボも数々ありますが、曲のアプローチは初期~中期(久保田利伸さんがNYに移住してから暫くまで)を彷彿とするもので、昔からのファンからすると「待ってましたsign03」というテイストを持っているものです。とは言え、それは「OLD SKOOL」なものではなく、十分現代的なものですから、実に「GOLD SKOOL」な作品が並んでいます。

特に、先行シングル「流れ星と恋の雨」は、題名からして久保田利伸さんの遊び心満載(かなり初期のシングルとこの時点での最新シングルの題名を合体したもの)で、歌詞も、久保田利伸さんの既発表シングルの題名や歌詞をあちこちにちりばめたものになっているので、まさに拍手喝采ものですgood。理屈抜きで楽しませてもらいました。

と言うことで、ご紹介が非常に遅くなりましたが、実にいいアルバムです。


| | コメント (0)

MISIA"Soul Quest"

新譜紹介、ようやく8月発売の新譜まで辿り着きましたcoldsweats01。とは言え、今回ご紹介するのを含めて、まだ4枚のアルバムがぁ。先は長いですねcrying

さて、今回はMISIAさんの"Soul Quest"。前回の"Just Ballade"では、バラードだけではないのですが、全体を通してスローテンポな曲がほとんどで、SoulfulあるいはDisco Musicな曲は収録されていませんでしたが、今回は、その反動とは言わないまでも、当初からSoul Musicを意識したアルバム作りをしていたようです。従って、アルバムのタイトルも、"Dragonquest"ならぬ"Soul Quest"。ちなみに、今回のアルバムの方針は、"Just Ballade"の後に既に決まっていたようで、東日本大震災をまたいでの制作期間になったようです。

まずは、オーケストラナンバーのovertureから。荘厳な雰囲気ではなく、アルバムの躍動感を先取りするようなスリリングな展開からノンストップで(ギャップレス再生の設定をしていないミュージックプレーヤーだとここで一息ついてしまうのが残念)「THIS IS ME」へ。楽曲紹介で書いてあったように、ディスコミュージックど真ん中のチューンです。流石、"Soul Quest"という題名に違わないソウルフルな展開です。雰囲気としては、MISIAさんがデビューした当時のAvex Traxっぽいなぁ、と。そして、引き続きアップテンポな「THE EDGE OF THE WORLD」へとなだれ込み。こんな感じで、息継ぎする間もなくMISIAワールドに浸ることができました。確かに、"Just Ballade"もすごくいいアルバムなのですが、やはり、この弾けたチューンを聴いてこそMISIAさんのアルバム、という気がします。

前回の"Just Ballade"でも話題になっていたのが、「Everything」の大ヒット等もあり、MISIA=バラードというイメージが固まっていたとの話があったそうです。しかし、デビュー当時からMISIAさんの曲を聴いていた方ならおわかりの通り、そもそもデビュー曲からのシングル曲を並べてみると、実は「Everything」までバラード、スローテンポな曲はほとんどありませんでした。その後、タイアップ曲の関係もあるのか、シングル曲でもスローテンポな曲の占める割合が結構多くなったのですが、アルバムを丹念に聴いているファンならおわかりのように、MISIAさんの真骨頂はアップテンポからバラードまで全てを「聴かせて」くれることにあると思います。

今回も、「記憶」という非常にスケールの大きい曲が収録されていて、これもMISIAさんらしい曲だ、と言えます。この「記憶」という曲、既にシングル曲として発表されていることからもおわかりの通り、というか東日本大震災前に始まったドラマのテーマソングであることからもおわかりの通り、東日本大震災前に制作された曲なのですが、人と人とのつながりという普遍的なテーマに関する曲であるために、大震災を経た今、さらに心に沁み入る曲となって心に響いてきます。

そして、だいたい今年6月以降に新譜として発表されたアルバムは、東日本大震災の影響を少なからず受けています。このアルバムには、実はほとんどその影響が見えてきませんが、実はそんなことはなく、MISIAさん自身は震災の後にミュージシャンとしての活動に相当悩み、苦しみ、そして、自分なりの決断をした上で活動を再開したようです。その、MISIAさんが震災を経ての心境を表したのが、最後の曲である「明日へ」。MISIAさん自身が震災を経験した時の心細さ、ミュージシャンとして何が出来るだろうという悩み、そして、震災後の自身のチャリティ活動を経て、明日へ向かう気持ちを歌ったものです。ピアノ曲で、比較的スローテンポな曲でありながら、力強さが感じられる曲です。

と言うことで、久しぶりのMISIAワールドを堪能することができます。できれば大音量で再生することをお勧めしますscissors。どっぷり浸かれますよ。


| | コメント (0)

小田和正ツアー東京公演(11/09/28)

本日はちょっと趣を変えて、ライブ参戦ご報告をscissors

久しぶりに、小田和正さんのコンサートツアー「KAZUMASA ODA TOUR 2011 どーもどーも その日が来るまで」を見て参りました。小田さんのコンサートは、5人のオフコース時代から通算すると30年を超える期間見ており、なんだか随分長くなりましたなぁ、という感じがあります。特に、結婚してから子供ができるまでは、一緒にツアーに行く(コンサート単体ではなく「ツアー」というところがミソcoldsweats01)仲間ができた関係で、かの香川県にあるテアトロンまで1泊2日で見に行きましたし、5人時代のオフコースの伝説の武道館10日間(残念ながら最終日ではない)も、八景島シーパラダイスでのカウントダウンコンサートも行きましたので、なんだかコンサート単体としてビデオに残っている節目のコンサートにはほとんど行っております。ついでに、今はなき日清POWER STATIONさよならライブにも行きました。ただ、「THRU THE WINDOW」ビデオ収録のために特別に行われた東京国際フォーラムコンサートは、チケットを入手しながら当日風邪を引いて行けなかったという体たらくがありましたが。

とは言え、子供ができてからは、子育てにある程度集中した方がいいだろうというのと、諸般の事情でファンクラブを退会して以降、通常販売(一応、ぴあやe+の先行販売は使ってますが)のルートではことごとく抽選に外れており、一般販売日にPCにかじりついている時間もない(土曜日や日曜日の午前中はもれなく子供と外出中coldsweats02)ので、思い起こすと5年以上小田さんのコンサートから遠ざかっておりました。そんな時を過ごす中で、小田さんも還暦を過ぎ、相変わらず花道を激走しているとの噂を聞きつつも(自転車で転んでましたしねcoldsweats01)、今を逃したら次はないかも、という想いがあり、万難を排して久しぶりに行くことにしました。

今回は、運良く9月28日(水)の東京ドームと10月26日(水)の横浜アリーナ(現時点で発表されている範囲でのツアースケジュールの最終日)の2回チケットが獲得できました。本日は、9月28日(水)のコンサートを見た感想をば。

今月に入り、今回のツアーもドームツアーに突入しています。複数のドーム公演を開催し、しかもことごとく満員にしてしまう小田和正さんの人気はものすごいものがあると思います。今回、私が行った東京ドーム公演も、見事に満杯。ドームですから3階席があるんですが、そこまで満杯。小田さんがコンサート中に「上のほうの方は霞んで見えないんですが」と言われていて、それは小田さんが老眼だから(失礼)ではなく、私の席からもかなり霞んで見える(はい、私は老眼ですcrying)わけで、それでも小田さんを見に行きたい、というファンの気持ちは自分も痛いほどよくわかります。で、私の席も、野球席でいうと3塁側の内野席後方、2階席の屋根が上にかかるあたりですから、小田さんは豆粒より小さくしか見えません。それでも、小田さんと一緒の空気を吸っている気持ちがあれば十分です。過去、上に書いたPOWER STATIONで前から2~3列目で見ていた(佐橋さんが目の前にいた)こともありますし、八景島シーパラダイスでのカウントダウンコンサートでは花道の真横にいて、小田さんが駆け抜けていくのを目の前で見ていますから、もうそれ以上いい席を望む気持ちはもうありません。

コンサート会場に入っての第一印象は「来ている人の年齢層が高い!」でしたconfident。当然、それは自分を含めてのことなのですが。元々、小田和正さんのコンサートの年齢層の幅広さは十分承知していました。つまり、オフコース時代のファンがそのままずっと見に行っているし、「ラブストーリーは突然に」をはじめとして小田さんはコンスタントにドラマの主題歌を作っているので、そこそこ若者層にも人気があり、さらに、親の影響で小田さんを聞き始めたという人たちも結構いますので、年齢層の幅は広いのです。とは言え、小田さんが還暦を過ぎ(しつこい)、かつて女子高生や女子大生だったファン層も同じように年齢を重ねていますので、メインとなるファン層の年齢はどんどん高くなってきています。例えば、若干足が不自由なご様子の方など、他のミュージシャンのコンサートではなかなか見かけない方もいらっしゃいます。私などは、年齢が高くなっても小田さんの音楽を聴きに行く生活は結構あこがれてしまいますが。とは言え、相変わらず男性の比率は異様に低いです。3割程度ですかねぇ。そんなことで、コンサート中のかけ声も相変わらず「小田さ~んhappy02」という女性の懐かしい声が。当然、小田さんも「どーもありがとぅ」というかけ声ですが。

ドームツアーということもあり、仕掛けは結構大がかりです。八景島シーパラダイスでのカウントダウンコンサートあたりから導入されたと記憶している花道も、アリーナ席の至る所に設けられています。スクリーンも、これでもかという数が。面白いと思ったのが、小田さんが歌う曲の歌詞だけを表示するスクリーンが幾つかありました。もしや、小田さんのカンニング用?と疑ったのですが、この日の小田さんは一度歌い間違えて途中で止め、もう一度は歌詞を間違えたまま歌ってしまったので、カンニング用ではなく、純粋に聴衆が一緒に歌う際にどうぞ、という趣旨のスクリーンのようです。この手のスクリーンは初めて見ました。いや、いい企画ですよ、私も歌詞がうろ覚えの曲は見ながら歌いましたものhappy02

さて、今回の小田和正さんのツアー、朝日新聞でインタビュー記事があり(ネットにはなさそうです)、その中で小田さん独特の歌詞の抽象性とか東日本大震災を経ての気持ちとかが語られています。そこで、ツアーでどんな曲が演奏されたかの情報が書いてあったので、若干ネタバレ状態で聴くことになりました。そのインタビュー記事でも書いてあった、オープニングは「明日」から。以下、著作権の関係で歌詞の紹介が全くできませんので、申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。気になる方はネットで検索いただけると幸いです。

ご存じの形も多いと思いますが、「明日」という曲は、テレビ東京系列の「ワールドビジネスサテライト」のエンディングテーマとして作られた曲で、最新作の一つ前のアルバム「そーかな」に収録されています。で、震災後、この曲がreferされることが多くなったと小田さんは語っています。確かに、直接的ではないにしても、この歌は頑張っている人たちへの応援歌と取れなくもない内容を持っています。とは言え、ご存じの方も多いように、小田さんの歌詞はかなり抽象的で、聴く人の想いで幅広い解釈を許すのも確かです。小田さんも、インタビュー記事でそれを意図的にしていると答えています。そうこうしているうちに、曲はなんと「ラブストーリーは突然に」へ突入。もうやるの?という私の戸惑いを置いてけぼりにして、一気に会場は盛り上がっていきます。

そして数曲歌った後で、まずは最初のMC。いつも通り、「どーもありがとぅ!」と。それから、今回のツアーが当初の開催よりも遅れたこと、ツアーの開催自体について検討して、それでも「その日が来るまで」、それはいつになるかわからないけど、その日が来るまでという題名を付けて、幾つかの会場については代替がかなわずに中止せざるを得なかったけれども、再開することにしましたという話がありました。

以降は全38曲(とマスコミで報道されていました)が演奏されていきます。私は記憶力がめっきり衰退してしまったので、当日特段メモを取らなかったこともあり、どの順番でどの曲が演奏されたかが、既に当日の段階で記憶の彼方に消えて行ってしまいましたので、全体的な感想をご説明して、各曲の感想に代えたいと思います(全然代わりになりませんけどcoldsweats01)。

10年ぶりくらいに小田さんのツアーを見て、一時期は頑なまでにオフコース時代のナンバーをあまり演奏していなかったのが、段々と態度が軟化し(本当か?)、結構な曲数を演奏しています。途中で、オフコース、しかもほとんど2人時代のオフコースの曲ばかりを集めたメドレーコーナーがあり、私は懐かしくて涙が出そう(でも出ないんですがcoldsweats02)でした。「少年のように」を小田さんの生歌で聞けるとは思いませんでしたよ、はい。「YES-YES-YES」も演奏してくれたのですが、この曲は、八景島シーパラダイスでのカウントダウンコンサートのカウントダウン曲でしたから、思わずあの時の雨降りの情景が思い浮かんでしまいました。あと、武道館10日間コンサートの時は、この曲がいわゆる追い出し曲になっていて、余韻を味わいながらほとんど観客のいなくなった客席をこの曲を聴きながら歩いていたことも思い出しました。また、「思いのままに」も演奏してくれたのですが、この曲が収録されている「Three and Two」は、自分が大学に入学した年のアルバムで、当時の熱病にうかされたような不思議な高揚感を思い出すことができました。この曲、イントロのハーモニー(今風に言えばアカペラなんでしょうねぇ)の出だしのキーが(メインパートでも)かなり高く、自分で歌う時には事前に結構緊張しました。

一方で、38曲もありますので、最新アルバム「どーも」の曲も、自分が記憶している限りはほとんど演奏していました。コンサートの最初のほうで「グッバイ」を演奏したのですが、まだ観客のノリが今ひとつだった印象があり、また、かなり新しい曲だったせいか、自分の周囲の観客は一緒になって歌っていない感じがあり(小田さんコンサートでは観客の合唱が定番になっております)、まだ「どーも」は馴染んでないのかなぁ、と心配してしまいました。とは言え、「今日もどこかで」ではみんなで合唱しましたscissors

相変わらず、コンサート中に映像が多用されています。先ほどご紹介したオフコースメドレーの時は、無茶苦茶若い頃の小田さんの写真がどんどん紹介されますし、「東京の空」が演奏されている時は空の映像が、「緑の街」が演奏されている時(確か)は緑の木々の映像が出てきました。そもそも、オープニングでは、過去のツアーのオープニング映像のいいとこどりの映像が出てきて、最後に小田さんがリハ中に自転車でこけたところまでアニメになっていて大爆笑してしまいました。余談ですが、今回のコンサートでは、MCでこの自転車大コケ事件を小田さん自身が振り返り、しかも、最後のほうで「キラキラ」を歌いながらグラウンド一周してしっかりリベンジしていました。

映像で結構印象的だったのが、「さよならは言わない」の演奏中に、今回のツアーでの写真を紹介していて、歌詞の内容を含めて、なんだか聴衆に「さよならは言わない」と言われているようで、非常に哀しい思いをしました。しかし、小田さんは最後に「また皆さんとお会いしましょう」と約束してくれましたので、とにかくそれを信じることにします。

1ヶ月ほど前の、記念植樹大失敗についてMCで話題にし、その記念植樹の模様を収録したご当地紀行映像を紹介してから、お決まりのご当地紀行映像(東京会場は例年、各地のご当地紀行映像の要約になります)の後、地獄の後半戦へ。「愛を止めないで」→「The flag」→「優しい雨」と、調もテンポも結構似ている3曲連続演奏の次は、「伝えたいことがあるんだ」→「緑の日々」と、後半戦に連続ハイトーンを要求される難曲を何とかクリアし、小田さんさすが、と思わせます。とは言え、「緑の日々」のエンディングの入りは、若干音程を下げ目になっていて、「あれ?」と思ったのですが、最後の絶唱はきちんとオリジナル音程に戻り、素晴らしい!と。

一旦全員が袖下に引いて、休憩後は、何と園山さん率いる4人組サックス楽団で、「ムーンライト・セレナーデ」を演奏。密かに練習していたとはびっくり。数曲演奏して、もうコンサートも終わりかと思い、かなりの方が帰路に急ぐ(この時点で3時間経過)中、再度全員が登場し、2回目のアンコール。締めは、小田さんを残して全員おつかれさまになり、小田さんが「君のこと」をギターでの弾き語りをして終了。

今回の東京公演は2日間連続で、小田さんが最初の方で「2日間連続の初日は次の日のことを考えながらやるんですが、そうは言っても、今日は行けるところまで行きます!」と宣言していただいたように、2回目のアンコールの最終盤に花道全力疾走が入ったように、初日であっても全力で頑張る姿を見せていただきました。東京公演2日目の翌日では、日テレ系の朝の情報番組で、小田さん東京公演が紹介されていました(さすが東京ドーム)。その中で、小田さんが週2回ジムに通って体調管理をしていることが紹介され、さすがですねぇというコメントがあったんですが、それだけではこの体調は維持できないだろ、と画面に向かって突っ込んでしまいました。

…と言うことで、結構長文になりましたが、久しぶりの小田さんコンサートを見た感想をとりとめもなくご紹介しました。あと、最近、小田さんの詞と東北地方の美しい風景とをコラボした書籍「ダイジョウブ」が発刊されたようです。買ってからまだ数日しか経ってないので詳細な感想は述べられませんが、非常にじわじわくる作品です。「ダイジョウブ」の曲も、コンサートのかなり後の方に象徴的に演奏されていて、結構ぐっと来ました。


| | コメント (0)

槇原敬之"Heart to Heart"

この新譜レビューも、ようやく7月後半発売のものまで遡ることができました。ということで、本日は槇原敬之さんの"Heart to Heart"です。

まずはジャケット。槇原敬之さんが、「二つのハート」がつながったようなイラストを高々と掲げている写真です。このイラスト、今回のアルバムのコンセプトと思われる、人と人との心のつながりの大切さを象徴したようなものになっています。とは言え、このコンセプト自体は、アルバム全体ではかなりうねっている感があります。そのあたりはぼちぼちと。

ある程度の地位を確保しているミュージシャンの場合、アルバム作成には半年以上の準備期間がかかるようです。今回のアルバムも、多分今年の初め(3月始めらしいです)あたりから準備をしていたのだろうと推測しています。例えば、シングル「林檎の花」は、何と今年の3月11日に発売されていました(全くの偶然なのですが)。そもそも、この曲は、昨年12月に全面開通した東北新幹線のキャンペーンCMのために制作された曲で、私の記憶では、昨年のCMの時にバックに流れていた気がしています。そして、3月8日の「はやぶさ」運行開始を待って、正に満を持して「林檎の花」のシングル発表となったわけですが、その当日に東日本大震災がcrying

今年6月以降に発表される新譜は大なり小なり東日本大震災の影響を受けざるを得ないわけですが、今回のアルバムは、かなり大きな影響を受けたというか、東日本大震災及びその後の停電などの不便さを受けて、槇原敬之さんなりに考えたことが色濃く出ているアルバムになっています。確かに、東日本大震災の惨状を見た上で、果たしてミュージシャンが何ができるのか、そもそも日本国民のかなりの人数が少なからず苦闘している中で、ラブソングなどの楽しい歌を歌っていていいのか、という自問自答をしたミュージシャンは数多くいると思います。今回のアルバムは、槇原敬之さんなりの自問自答を抜けて、それでも訴えたい、歌いたいことがあるという気持ちの中から出てきたアルバムなのだろうと思っています。

今回は、色々と曲毎にご説明したいことがあるので、珍しく曲順にご紹介します。

では、オープニングの曲「二つのハート」から。この曲、先ほどご説明したアルバムジャケットの写真、イラストをある意味で曲にしたようなもので、ちょっと聞くと恋人同士の心のつながり合いを歌った曲のように思えますが、より広い意味で、世の中の人々は一人で生きることはできないので、一人一人が互いにつながり合うことで、心を通わせて生きていくことの大切さを歌った曲だと思います。確かに、私が考えるアルバムのコンセプトを歌った歌なのですが、この「心のつながり合い」も、実は東日本大震災を経て、改めて人と人とのつながりを大切にする姿勢が必要だね、と槇原敬之さんが語りかけているように思えます。

次からの2曲「Jewel In Our Hearts」「犬はアイスが大好きだ」は、犬好きの槇原敬之さんが楽しんで書いた曲のように思えます。特に、「犬はアイスが大好きだ」は、この内容でラテン系か、という肩すかしを食らうような曲ですが、槇原敬之さんと愛犬のパグたちとの楽しい日々が目の前に浮かんでくるような楽しい曲ですhappy01。続いて「LUNCH TIME WARS」。ご存じ、日テレ系「ヒルナンデス」のオープニングテーマ曲です。OL(この言葉も古いか)の皆様の昼食争奪合戦を描いたこの曲、槇原敬之さんが語っている記事によると、結構あるあるという評判を得ているとのこと。さりげなく番組名を曲中で連呼してるのが面白いです。

そして、3月11日に発表されたシングル曲「林檎の花」。東北新幹線全面開通のCM、キャンペーンは全体的に物静かな、しかし東北人が待ちに待った期待感が画面から溢れ出るようなものに出来上がっているように感じており、そのイメージをそのまま曲にしたような出来になっています。つまり、非常に叙情的なのですが、歌詞は内に秘めた気持ちの強さを大きく含んでいます。PVを見るとその感想はより強くなります。曲を聴いた限りではもう少し年齢が高いグループのイメージがありましたが、PVは若者(10台半ば)グループをイメージしたものに見え、若さが持つ一途さと恥じらいがよく現れている作品になっています。あぁ、おじさんは全部失ってしまったなぁcrying

そんな郷愁はさておき、次の「Appreciation」です。この英単語、単純に和訳すると「感謝の気持ち」なのですが、「真の価値を評価する」という意味もあるそうです(槇原敬之さん曰く)。私的には「受容する」かな、とも思いますが。この曲は、珍しく槇原敬之さんが世間に対して怒っております。つまり、今まで電気などあるのが当たり前だと思っていたものが、計画停電などで得られなくなると、東京電力などを責めたりする。原発対応についての東電の問題についてはここでは敢えて何も言いませんが、当たり前のように思っていたことが実は当たり前ではなかった、様々な人たちがいてこそ得られる自分たちの生活なのだから、その意味を改めて考え直し、感謝の気持ちを持つべきなのではないか、ということだと思っています。この論調自体は、ここ何年もの槇原敬之さんの姿勢そのものなのですが、この曲についてはちと強めの言い方になっています。ちょうど槇原敬之さんのWarner第2期から東芝EMIにかけての時期に、時々「~べきだ」という言い方をしている曲があり、「気持ちはわかるけど、そんなに強く言わなくても」と思っていたことがあり、この曲もそんな雰囲気をちょっと持っているのですが、その頃から比べて槇原敬之さん自身の心の姿勢は非常に柔和なものになっているので、実は、この曲が訴えていること自体は実は心優しいものではあります。

そして、次の曲「White Lie」では、似たような内容について、White Lie=方便という単語で別の捉え方をしています。つまり、東日本大震災に伴う困窮を、神様が(本当は仏様かもしれませんが)我々に感謝の気持ちを呼び覚ますための方便ではないだろうか、と言っています。実際に東日本大震災に遭われた被災者の方々にとって、これを「方便」言われてしまうことに対する怒りは当然あろうかと思いますが、首都圏に住む人々にとって不便を嘆くばかりではなく、もう一度自分自身がどのようにして「生かされている」のかを再確認する必要はある、ということだと思います。

次の曲「風は名前を名乗らずに」では、いよいよ槇原敬之さんは「千の風になって」しまいましたsweat02。「風」という単語が歌詞に頻繁に出てくるミュージシャンを私は知っていますが、槇原敬之さんの場合は珍しいですね。確かに、風は人々をそっと見守る存在ですし、人々からは見えないけれど確実に風は人々の間を駆け抜けています。

そして、問題作「軒下のモンスター」です。槇原敬之さんは、この曲を「マイノリティの曲です」と断言しています。確かに、そう思って歌詞を見ると正にその通り。Amazonのレビューで「Hungry Spider」との類似性を指摘している人がいましたが、「Hungry Spider」はマイノリティというよりも生と死と恋愛との関係を述べた曲で、一方、「軒下のモンスター」は、マイノリティ、しかも、都会ではなく一地方に住まうマイノリティの苦悩とでもいうべき姿が赤裸々に描かれています。とは言え、そんなことは関係なくいい曲だと思います。PVが完成したそうなので、どんな出来だか楽しみです。

次は「Remember My Name」。配信限定のシングル曲です。歌詞をさらっと読むと友達の大切さを訴えた曲に思えますが、この曲は、女性ガン早期発見のための啓発キャンペーンに使われている曲です。そして、歌詞の内容も、患者と医師との間の関係を友人関係として捉えた曲で、時に孤独に感じられる患者の立場を、医師を友人として捉えることで少しでも気持ちを楽にして闘病できるように、という配慮に基づくもののようです。とは言え、私個人は、そういった背景があるにしても、もっと広い意味で、どんな人も一人で生きているわけではなく、だから、自分の身の回りにどんな人がいるかを見回して、辛いことがあったらその人に相談をすればぐっと楽になることも多い、という意味に感じました。というのも、つい最近、知人を亡くした経験があり、その知人が随分悩んでいることを見聞きしていて、いつでも相談に乗るのにと思いながら私がその場を去ってしまったことで、二度とその知人の悩みを聞くことができませんでした。悔やんでも悔やみきれないことなのですが、二度とそういったことが起きて欲しくないという願いを込めて、再度、どんな人でも一人ではないから、悩みがある時は周りを見渡して、その悩みを誰かに伝えて欲しいと思います。解決策が見えなくても、話すだけで自分の気持ちは少しでも和らぐのです。そんなことを思いながらこの曲のPVを見ていたら、涙が止まらなくなりましたweep

最後に、「今日の終わりにありがとうを数えよう」。アルバムの掉尾を飾る静かな曲です。様々なものに感謝の気持ちを表現し、そして一日を穏やかに終える…なかなかできないですねぇ。

ということで、バラエティ豊かな曲が並んでいますが、ちゃんと、私が考えるアルバムのコンセプトである、人と人との心のつながりの大切さをトータルで訴える内容になっています。全体を通して聴くと、非常に明るく、元気の出る内容であることもわかりますし、しかし心の奥底に沁み入る内容でもあります。是非お聴きあれscissors


| | コメント (0)

平井堅"JAPANESE SINGER"

新譜のレビューも徐々に最近のものにまで辿り着いて来ましたhappy01。とは言え、本日のレビューは6月発表のものです。まだ3~4枚くらいレビューしたいのが控えてますcoldsweats02。なので、とっとと始めましょう。本日は、平井堅さんの新譜"JAPANESE SINGER"です。

題名からして、平井堅さんの決意が表れているように思えます。自分は日本人の、日本の歌手である、と。ジャケット写真も、平井堅さんが赤い風船を抱えている姿が写っています。考えようによっては、この赤い風船は日の丸の赤でもあるように見えます。日本人の、という話はもう少し後でも触れます。

今回のアルバム、前作"FAKIN' POP"から約3年のインターバルで届けられました。彼は(ご存じの方も多いでしょうが)メジャーデビューから15年を経過し、昨年には「裏・歌バカ」という記念盤も発表しています。その間、「楽園」で一気に有名アーティストの一員になり、それ以降はかなりの頻度でアルバムを発表していたわけですが、"FAKIN' POP"あたりからシングル曲発表+ツアーで多忙であるせいか、アルバムの発表間隔が若干空き気味になっています。とは言え、小田和正さんや山下達郎さんのように6年ぶり、とまではいきませんが(当然、間が空いたからよくないなどとは到底思っていません)。アルバムの発表間隔が空いてしまうことの悩みは、タイアップ曲等がそれなりにあるのでシングルの発表は結構コンスタントにあり、一方でファンの全てがシングル曲まで購入しているとは言えないので、シングル曲を排除してアルバムを構築することは難しいので、結果的に既発表シングル曲も含めてアルバムを構築することになる(若干推測が混じっています)ことだと思っています。こうなると、シングル曲も丹念に購入しているファンにとっては、deja vu(既視感)のあるアルバムとなり、時に「ベスト盤みたいなアルバム」という批判を受けることになります。前作の"FAKIN' POP"の時も既発表シングル曲が多数含まれたものになっており、Amazonのレビューでもそういった批判が書き込まれていた記憶があります。

さて、今作の"JAPANESE SINGER"も、既発表シングル曲(「夢の向こうで」はまだシングル化されていませんので除外)が5曲ほどあります。これらシングル曲を全て含んだ上で、さらに、「夢の向こうで」は映画の主題歌ということを考慮すると、半分近くはタイアップ曲+既発表シングル曲になります。しかしながら、アルバム全体を通して聴いてみると、そういった既視感云々を議論するまでもなく、全体として非常にまとまった出来の優れた作品になっています。

その当たりの完成度は、久しぶりにタッグを組む松尾潔氏がプロデューサーになっていることが大きく影響していると思います。松尾潔氏は、平井堅さんの出世作ともいえる「楽園」あたりから数年間タッグを組み、数々のヒット作を生み出しています。アルバムの宣伝文句によると、10年ぶりくらいのコンビだそうです。随分と久しぶりの感があります。今回のアルバムの狙い等については、松尾潔氏がプロダクション・ライナーノーツとして事細かに書いてあり、また、新谷洋子さんの評論もアルバムのライナーノーツに含まれていますので、そちらをお読みいただければ、私のレビューをお読みいただくよりずっと参考になるかと…。

おっと失礼。それでは購入前のレビューご紹介になりませんね。私なりに感じたことを書いていきます。

平井堅さんというミュージシャンは、幼少期に親しんだ日本の歌謡曲に対するオマージュと、大学時代にバイトでバンドのボーカリストとして活躍した時に歌っていた洋楽スタンダード、特にR&Bに対するリスペクト、この2軸で彼の作品を大きく括ることができると思います。当然、この2軸のいずれかに属する、ということではなく、その中間に数多くの作品が存在するわけですが。「楽園」の頃は、R&Bのテイストが色濃く反映された作品が多数を占めていましたが、ここ数年は歌謡曲テイストの曲がかなり多めになっている感がありました。前作の"FAKIN' POP"だと、オープニングの「POP STAR」は昭和男性アイドル歌謡曲(ジャニーズ系以前の)を強く意識しており(PVもそうなってます)、「バイマイメロディー」は80年代初頭のディスコっぽい歌謡曲テイストになっています。とは言え、私は「バイマイメロディー」は70年代後半の米国のディスコミュージックが下敷きになっている(例えばヴァン・マッコイの「ハッスル」とか)と思うので、歌謡曲寄りという言い方は正しくないわけですが。

で、今回のアルバム"JAPANESE SINGER"は、若干R&B寄りに戻すことで、全体としてトータルのバランスが非常にいいアルバムになっていると思います。プロデューサーの松尾潔氏が、アルバムの中でどのようなテイストの曲が必要かということを、多分にパズルを嵌めるように考え、楽曲制作者に依頼し、また、アレンジャーを選定し、結果として非常に多様なテイストの曲が並んでいます。例えば、「Girls 3x」では、オーサカモノレールの客演を得て、James Brown御大ばりの「ど」ファンクミュージックを展開しています。また、「BLIND」では、4連ハウスミュージックなのですが、メロディはなんだか「ど」演歌っぽいものになっていますし、色々考えていると頭が混乱してきます。「お願いジュリー☆」は、「ジュリー」というだけあって70年代の男性歌謡曲っぽいですし。

そして、平井堅さんは、「R&B」において、自分が日本人の歌手であり、そして、R&Bのシンガーでもあることを若干恥じらうように宣言しています。これが、アルバムのタイトル"JAPANESE SINGER"の意味なんだろうと思います。そして、「Sing Forever」で、ある意味生涯「歌バカ」であることも宣言しています(昨年の大阪ドーム公演でそのような宣言をしたという噂が)。

考えてみると、私も幼少期は歌謡曲にどっぷり浸かり、また一方で70年代の米国でのR&Bのムーブメントの洗礼も(かなり間接的ではあっても)受けていて、自分の音楽の軸も、ある意味で歌謡曲とR&Bとが大きなものであると思っています。よって、平井堅さんには、個人的にはどっちの軸も引き続き追求してくれるとうれしいなぁ、と思うのです。

で、最後に、3/11を超えてアルバムを制作したアーティストにとって、この東日本大震災をどのように捉えるかという命題は避けて通れないようです。平井堅さんの回答は、アルバムの最後に納められた「あなたと」という曲です。歌詞の内容は、時に平井堅さんの曲世界で顔を出してくる避けられない孤独感と、それでも人とつながっていこうとする気持ちとの葛藤であると私は理解しました。

ということで、大変な力作だと思います。強くお勧めしますよhappy02


| | コメント (0)

«The Gospellers "ハモリズム"