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オープン化と知的財産権

ここ10年ほどの流れとして、オープンソフトウェアやWeb 2.0に見られるように、ソフトウェアを始めとして知識そのもののオープン化がどんどん進んできています。一方、知的財産権というのは端的に言うと限られた人間による知識の囲い込みですから、上に書いたオープン化という流れから反しているようにも見えます。最近話題になっている、「特許はイノベーションを阻害するか」という議論もこの延長線上にあります。

上の疑問に関する明確な回答はなかなか見つかりません。ただ言えることは、オープン化されたソフトウェアであれ知識であれ、現状の知的財産法は保護の客体としており、知的財産権の侵害という行為から無縁ではないということです。従って、知的財産権の侵害行為に対して権利者が主体的に見て見ぬふりをする(ある意味バッファーゾーンを設けると言ってもいいでしょう)か、オープン化された知的財産権に対して制度的に侵害行為を無効化する施策をとるか、などの方策を考える必要があります。

この問題を複雑にしている背景として、知的財産権の保護は何らかの形で権利者の経済的保護に関連しており、上に書いたように侵害行為を無効化する施策なり見て見ぬふりをすることは権利者の利害に影響を及ぼす可能性が高いです。そもそも、オープン化された客体に関する知的財産権をどのように認定するかという入り口の議論で制度的改革は相当紛糾しそうです。

このあたりの議論を明確にするには、古くて新しい「知的財産権と経済発展あるいはイノベーションの関係」という議論をきちんとしないといけなさそうです。古い文献では特許の過度な保護は経済的発展にマイナスであるという結論が出ているそうですが、業界によっても特許の実質的な効力は異なる(化学・薬学業界では必須特許の獲得が全てですし、電機業界は必須特許の獲得だけでは業界の主導力を得られません)ことと、特許による適切な保護は過度の競争を抑制し業界全体の安定的な発展をもたらすとも考えられるので、果たして文献に書いた結論が本当に正しいのかどうか、検証が必要なのではと思っています。ああ、時間が欲しい…。

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