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知的財産部門の連携

今、仰々しい題名の(企業経営に連携する知的財産部門の構築―企業内機能部門との連携に向けて)を読んでいます。もう少しで読破するところでコメントをするのも良くないんですが、どうも(というか相変わらず)ピンとくるところがありません。企業経営に連携する知的財産部門の構築という観点は悪くないのですが、理論的なところを追求しようとするとそもそも企業経営と知的財産との定量的関係という最大の難題を避けて通ることはできないにもかかわらずこの点についての言及は皆無だし、かといって、実践的なところに特化するにしてもベストプラクティスの定型化もせずに数少ない実践例(とこの本の筆者は思っているであろう)をそのまま書き下すだけだし、なんだか騙されたような気持ちのする本です。

企業戦略と知的財産戦略とR&D戦略との三位一体を図るのであれば、経営部門と知的財産部門とR&D部門との連携が欠かせないことは理解できます。では、具体的に連携をどのようにするのかについては各社各様に悩んでいるように思われます。自分がいる会社でも以前同様の議論をした際に、経理部門はどの部門とも密接な関連を有しており、各部門との連携がスムースに行われているのに知財部門はどうしてできないのか、という話をしていました。ただ、経理部門の業務はどちらかといえばdaily workに分類できるものが多いのですが、知的財産部門の業務はdaily workに分類されるものからビジネスの競争力に直結するものまで多岐にわたっており、単純な比較はできないかもしれません。つまり、知的財産部門が連携を行おうとする場合、トップマネジメントから個々の発明者まで階層的にも広範にわたり、階層別に連携の仕方も異なるために多種多様な連携のあり方を模索しなければいけない、という事情があります。

一方で、知的財産を重視した経営が必要であるにしても、企業経営にとって知的財産に関する事項は経営判断の一項目にすぎないことも事実です。連携を重要視するあまりに知的財産の有効性を過大評価してしまわぬよう知的財産部門の当事者も気をつけるべきです。要は、全社的な観点を持ちつつ他部門との連携を図ることが大事だと思います。

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