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2008年5月

プリントゴッコ販売終了に思う

今日は知財と全く関係のない話で。

プリントゴッコがいよいよ販売を終了することを製造元の理想科学工業が発表したそうです。確かに、今はパソコンの年賀状ソフトやインクジェットプリンタを使って年賀状を作成する人が大半でしょうから、プリントゴッコは時代の役割を終えたのかもしれません。

プリントゴッコの一番の良さは手作りの感触がするところだろうと思います。印刷だとなんだか画一的な印象がしてどことなく冷たさがあるのですが、印刷された字をプリントゴッコで印刷するだけでもぐっと雰囲気が変わって暖かみが出てきます。特に、多重印刷等のテクニックを駆使して見栄え良く出来上がった年賀状をいただくと、なんだかにっこりしてしまいました。

我が家でプリントゴッコを買ったのは随分前です。それ以来、年賀状を作成するときは一家総出で原版作りから印刷までやって一大イベントになっていました。当然、一人一人年賀状の絵柄は違いますから、ものすごい作業になります。しかも、見栄えを良くしようとして多重刷りをしていたので、全員の分を印刷し終わるまでにはすごい時間と手間がかかりました。それでも、家族全員での共同作業ですから、何となく家族の連帯感が深まるような感じがしていました。

今は、写真やイラストを適宜加工すれば後はパソコンとプリンタが何とかしてくれますから、以前と比べて作業量は随分節約できていると思います。とは言え、家にプリンタは1台しかありませんから、なんだかんだ言って年賀状を作成する作業は未だに家族全員で行う作業です。絵柄選定から始まって(印刷は勝手にやりますから除外するとして)宛名書き(我が家では宛名は妻が手書きします)、コメント書きと適宜分担しながら各自で行っています。そう考えると、プリントゴッコの時代からずっと年賀状作成作業は家族総出の共同作業なのだな、と改めて知らされます。

今は、「ありがとう、プリントゴッコ」ということでねぎらいの言葉と感謝の言葉を。

知財部門は働き過ぎかも

一般的に言って、知財部門で働く人は夜遅くまで会社に残って(つまり残業して)仕事をしているように感じます。私は都合2つの特許事務所、2つの企業の知財部に在籍した経験があり、大体遅くまで仕事をしていた経験があります。そうは言っても今の職場は比較的仕事の区切りが定時近くでつき、残業時間も月1桁台で終わっていますが、他の職場の同僚は黙々と仕事を続けている中、帰社するのはちょっと気恥ずかしい思いがします。当然、私が特許実務をしていた頃はご多分に漏れず毎日みっちり仕事をしており、残業時間に換算したら2桁の後半に達する(3桁にいったらぶっ倒れそうですね)勢いでした。

確かに、知財部門、特に特許実務をしていると毎日仕事に追われることが多いです。発明者との打ち合わせ、特許事務所との打ち合わせ、特許事務所から到着した明細書原稿のチェック、特許庁とのやりとり、第三者特許の評価などなど…法的期限や公表期限などがあり、絶対にここまでにこれをやらないといけないというある種強迫観念に駆られた仕事が続くわけです。なかなか精神的にタフでないと続けられません。

とは言え、企業からすれば少ない人員で各自が頑張り続ければいつか倒れることがわかっていますから、足りないのであれば(そしてそれが客観的に証明できれば)人員補充を図るわけです。それではと言うことで、以前に特許実務の個々の作業に関して標準時間を設定し、これを処理した件数で掛け合わせて全体工数を把握しようとしたのですが、そもそも特許実務の個々の作業は一品製作品に近いものだから実態にそぐわないとの議論があり、頓挫した経緯があります。その後、実工数を累積したものを一応の標準工数としてこれに対して出願/中間処理件数の伸びを掛け合わせたものから人員計画を立てる作業をしたところ、これはすんなり通りました。

個人的には、日本はホワイトカラーの生産性が非常に低いとの指摘もあり、特許実務ももっと合理化できるのではないかと考えています。一例を取れば、明細書原稿のチェックにしても後日問題となるのは特許請求の範囲、発明を解決するための手段、発明の効果の記載の場合が多いですから、このチェックに時間をかけてそれ以外の項目のチェック時間を減らす、あるいは、重要出願とそれ以外の出願とに区分してチェックの深さ(ちょっと概念的でわかりにくいかもしれませんが)を変化する、など、色々とアイデアはあると思います。

いずれにしても、知財部門で働く人がより健康的に働ける職場でないと、優秀な人材の定着率が下がってしまうことになりかねません。考えないといけないことだと思います。

イノベーションと知財政策

現在、特許庁で「イノベーションと知財政策に関する研究会」と題する研究会が開催されていることは以前このBLOGでも紹介したように思います。今回、この研究会の報告書が出されようとしているようで、その案がHP上で公開されています。

ざっと読んだところ、「特許庁」という枠の中で考えている限りはなかなか革新的なアイデアが出るわけではなく、総じて現在の知財政策の延長上にあるという印象でした。まず、知財とイノベーションの関係について「知財がイノベーションを阻害することはない」というスタンスに立っており、知財不要論を最初から封じています。ただ、現状のままでは良くないという危機感は切実に感じているようで、その解決策として先進国間の審査ワークシェアリング等による仮想的な世界特許庁の実現であるとか、パテントトロール対策の一環として権利濫用理論の拡張の検討であるとかを提言しています。これはこれで私としても実現してほしいところではありますが、根本の問題として、知財制度自体がイノベーションの足枷になってはいないのか、なりそう、あるいはなっているのだとすればどうしたらいいのか、という議論には踏み込んでいません。

例えば、特許の南北問題と言われる問題があります。つまり、現在の知財制度は先進国が途上国の金銭を吸い上げるための制度であり、途上国にとって知財制度の整備は先進国の企業に利することはあっても途上国の自国産業の保護にならない、という議論です。一番顕著なのがAIDS特効薬に関する特許権の問題です。また、私が現在読み進めているPatent Failureという本に書いてあることで、化学・薬学以外の分野において米国で特許権から得られる利益よりも訴訟に費やすコストのほうが上回っているとの指摘があります。Patent Failureでは色々な例を挙げて現在の知財制度が破綻しているという議論をしています。

自分自身、もう少しじっくり考えないと適切な提言を出すに至らないのですが、何かしらの知財制度のreformが必要であろうとは思っています。特に、日本では訴訟コストの高騰がさほど問題になっていない(訴訟そのものが少ないというのは功罪ありますが)のでさしあたりの対策は不要だと思いますが、米国での訴訟リスクの増大及び訴訟コストの増加は喫緊の問題だと思います。

企画管理というお仕事(その2)

この間、中途入社社員が私の部署に入ってきたことをお話ししました(記事参照)。その後の話です。

私は参加しなかったのですが、この中途入社社員が会議に参加し、議事録を作ることになったそうです。で、まだまだ知財部門の経験が短いせいか、会議の要点がうまく把握できずに世間話に近いところまで議事録に残してしまったようです。それで上司に「よく考えて仕事をするように」と注意を受け、本人なりに悩んでいたようです。

中途の人との打ち合わせの席で質問されたのが、この部署で仕事をしていく上で必要なビジネススキルは何か、どうやって専門性を磨いたらいいのか、という点でした。このBLOGで何度かお話ししているように、今の部署は知財部門の中でも企画管理という知財実務には直接関係のない(とは言え知財の知識は人並み以上に必要)部署ですから、必要なビジネススキルと問われると、実に漠然としていますが「ビジネスマンとして必要とされるスキル」ということに尽きます。これだけではなんだかわからないのでもう少し詳細に説明すると、会社で管理系の仕事をやる場合に必要とされる他部署との折衝力、議事運営力、コミュニケーション能力、仕事のマネジメント能力といったところが必要なのだと思います。これに加えて知財制度全般及び会社全般に対する洞察力が必要とされます。その意味でかなり知財部門の中では異色の業務であり、知財部門と言われると専門家集団の集合体のように思われがちですが、その中にあって最近人気のないジェネラリストといえます。
自分は今までの業務経験を活かして、さらにジェネラリストとしての貴重な勉強をさせてもらっていると思っているので、それなりに業務も楽しくこなしていますが、知財に関する知識もまだまだ、ビジネスマンとしてのスキルもまだまだ、という上に書いた中途入社社員の人にとってはやることが多いし、さらに言えばスキルアップのためのキャリアプランも描きづらい状態にあるとは思います。引き続きフォローが必要のようです。

そうは言っても、今の部署で(自分を含めて)ビジネスマンとしてのスキルが優れていると思える人も少ないので悩ましいなぁ、とは思うのですが。

弁理士とMOT再び

先日、私と同じように弁理士でMOT(技術経営修士)を取得した友人と酒を飲みながら色々と話をしていました。彼によると、弁理士でMOTを取得した人はもう10人以上いるとのこと。私が第1期生でそのときに4人ですから、なんだか増えましたね。

で、MOTを取得して何か変わったか、MOTを業務に生かせているか、という話になりました。二人が口を揃えて言ったことは、残念ながら生かせていない、という結論でした。折角苦しい思いをして夜間の大学院に2年間も通学し、ようやく学位を取得しても現時点では何も変わらない、ということです。

弁理士とMOTについては以前の記事でも書きました。自分の見解はその時とほとんど変わりません。弁理士という職業、業務とMOTが対象とする技術経営との間には依然としてかなりの距離があるように思います。しかし、技術経営を考える際に知財のファクターは非常に重要になってきていることは確かであり、知財の専門家としての弁理士の役割は依然として高いと言えます。技術+知財という切り口で考えるならば、弁理士+MOTという人材は何かしらのsolutionを提供できるようにも思えます。

しかし、弁理士という職業は基本的には明細書作成業であるとも言えます。一方、技術経営+知財重視という観点からすると出願しないというsolutionも大事な場合があります。弁理士+MOT人材が例えば知財戦略コンサルタントとして活動する場合、自身の儲かる道を塞いでも企業のためになるアドバイスができるのか、ちょっと自己矛盾的な話になります。

それでもなお、弁理士+MOT人材は弁理士にない見識と知見を持っているだろうと信じています。これ以降は、自分自身がどんな人材になれるのか、どんな行動ができるのか、という実践で証明するしかなさそうです。

知財の研究者

今年も、日本知財学会の学術発表会が開催されるようです。プログラムを見る限りでは、以前私がこのBLOGでぼやいたように(記事参照)大学や研究機関の発表ばかりで企業からの発表は見かけません。逆に考えると、知財について研究する体制がだいぶ整えられたということかもしれません。

以前通っていた社会人大学院(MOT)の指導教授に、「君は将来は研究をやっていそうだね」と言われたことがあります。確かに、実務も大好きなのですが、実務とつかず離れずの研究も非常に大好きです。研究したいテーマもあります。例えば、現在企業で行われている知財戦略というのはMBAやMOTである程度確立されているフレームワークや定量分析とかけ離れたところにあります。私はMBA崇拝ではありませんが、仮にもビジネス戦略との整合性を図るのであれば、マネジメントクラスになればそういった知識を前提とした行動が求められるのでは、と思います。自分としては、「定量的知財戦略」というキーワードに基づいて何かしらのフレームワークを提示できないか、という課題をここ5年間ほど持っています。当然、知財は知財なりのルールに従って行動していますのでMBAやMOTの知識をそのまま利用するのは難しいのですが、今まであまり検討されてきていなかった分野ゆえ研究のしがいがあるように思うのです。

ただ、研究者になるにはそれまでに一定の成果を上げていないと求人がありません。例えば学会での発表を一定期間継続するとか、それなりの学位(博士だといいですねぇ)があるとか。現在の業務をしている限り、これはなかなか難しいです。そして、研究者になったとしても決して給与的に恵まれるとは言えないかもしれない…。家族もありますし、それなりに住宅ローンもあるし、決断するには結構な勇気が必要です。

とは言え、夢は夢として諦めずにいたいとは思っています。色々と不満ばかり言ってるだけでは何も変わりませんので。

大企業と中小企業とで知財戦略は異なるのか

「知財、この人にきく(Vol.1)」という本があります。著者は、知財業界に身を置いている人なら知らない人はいない元キャノンの丸島儀一先生です。この本は、「発明」(発明協会)という雑誌に連載された、中小企業向けの知財戦略を丸島先生の経験から(とは言っても丸島先生は大企業に勤務されていたので直接的な経験とは言えないのですが)説き明かされたインタビュー記事を元にしたもので、丸島先生のノウハウがぎっしり詰まった、中小企業のみならず大企業の知財部門に勤務する人間にとっても参考になる書籍です。とは言え、丸島先生も企業知財部門の第一線を退かれて年月が経っているので、企業が直面する現状の課題にまで解決策を与えているとは言えないんですが。

で、この本を読みながら考えていたことがあります。それは、大企業と中小企業とで知財戦略に変化はあるのだろうか、ということです。実はこの話、ずっとこのBLOGで話題にしてる知財戦略コンサルティングにも関係があります。大企業は自前で知財部門を持っていますので、知財戦略立案機能もこの知財部門が担当することが大半ですから、知財戦略コンサルタントを外部から招聘する必然性に乏しいと言えます。一方、中小企業(ここではベンチャー企業も含んだ意味で話をします)は自前で知財部門を持っていることは少なく、知財戦略を立案した経験も乏しいでしょうから、知財戦略コンサルタントの出番が多くなると考えられます。日本弁理士会もそれを見越して弁理士が知財戦略コンサルタントになるんだと息巻いています。

上述した本は、大企業と中小企業とで知財に関して行うべきことは異なるとの前提に立って、中小企業が行うべき知財戦略について語っています。確かに、上にも書いたように、マンパワーも違う、知財(戦略)に割ける金銭も圧倒的に違う(中小企業にとっては1件特許出願をする=弁理士に依頼すると数十万円請求されることが清水の舞台から飛び降りるような場合もあるでしょう、ましてや特許網構築のためにたくさん出願しましょうと言われたら目を回してしまいます)状況の中で、大企業と中小企業とで知財に関して行うべきことは異なって当たり前です。しかし、知財戦略という観点からすると、非常にオーソドックスな話ですが、その企業の事業を知財で保護することが最大の目的であり、この点において大企業も中小企業も何ら変わりはありません。敢えて異なると言えば、大企業の場合、守るべき事業が大きくかつ多岐に亙るので様々な観点から知財戦略を検証する必要があり、一方、中小企業の場合、それほど事業が多岐に亙ることはないでしょうから、単純に言えば一点突破主義の知財戦術をとることが多くなるでしょう。

問題は、知財戦略コンサルタントが、中小企業の置かれている状況を的確に把握し、”できる範囲=身の程を知った”知財戦略を提言できるかどうかにかかっているように思います。最近は企業知財部門の退職者の方がセカンドキャリアとして知財戦略コンサルタントを検討しているやに聞きますが、大企業経験者の場合、往々にして大企業に勤務されていた頃のスケール感そのままに中小企業に対してアドバイスをしてしまうのではないか、と危惧しています。これは危険です。

中小企業を知財戦略で育てるのならば、やはり中小企業の事情をよく考慮した知財戦略コンサルティングが必要だと思います。こんな事当たり前なのですが、何となく気になって仕方がありません。みすみす市場を潰すようなことがなければいいのですが…。

時代の流れかなぁ

宇多田ヒカルの新譜"HEART STATION"が売上100万枚を突破したそうです(この記事もすぐにリンク切れするかな)。3月19日に発売したそうですから、約2ヶ月でミリオンセラーということです。

ただ、自分が思ったのは、宇多田ヒカルの人気からすると、CD販売が今ほど落ち込んでいなかった頃であればもっと早くミリオンセラーになったのではないかな、ということでした。事実、ある記事によると"HEART STATION"に収録されている曲のデジタル配信の累計は1500万ダウンロードにも達するとのことですし、それだけ時代が変わったのだな、と痛感させられました。

同じような話で、JASRACの2007年度の著作権使用料の発表からすると、音楽配信などのインタラクティブ配信は83億にも達し、これはオーディオディスクの216億と比較すると1/3以上に達するわけです。当然、著作権使用料の率はオーディオディスクとインタラクティブ配信とでは違うかもしれないので一概に金額だけで比較するのは危険かもしれませんが、とにかくCDから音楽配信への流れというのは時代の必然なのだろうと思います。

では、自分はどうかというと、既に音楽を聴くのはネットワークオーディオに完全にシフトしているので、音楽配信で全く問題ないのですが、自分が気に入っているアーティストの音楽はやはり無圧縮リニア音源がいいなぁ、ということでCDをこつこつ今でも購入していますし、それ以外の音源についてもCDに付いているライナーを読むのも一つの楽しみなので、レンタルCDショップでこつこつと借りています。あるいは、こんな楽しみ方はもう時代遅れなのかもしれませんね。

クライアントに対する態度

このBLOGも書き連ねて4年近く経ちますが、全くといっていいほど宣伝をしておらず、ひっそりと書きためていました。そろそろ皆さんのご意見も広くいただきたいな、と心変わりをしてパテントサロンさんに掲載をしていただきました。早速皆さんにアクセスしていただいた様子で、嬉しい限りです。あまり頻繁に書き込みをしませんが、末永くよろしくですm(__)m。

さて、本日はとりとめのない話題を。

弁理士会にはいくつかの派閥というか会派というものがあり、この会派に所属していると弁理士会の中にある委員会に参加をさせてもらえます(強制的割り当てという説もあり(^_^;))。今年も私はある委員会に参加させていただくことになり、初回は業務の都合で参加できなかったのですが、先週2回目の委員会に参加してきました。委員会の名前は差し支えがあるので公表しませんが、その委員会の業務に非常に精通している(その委員会の過去の委員長経験者がずらり)先生方がおられ、自分はそれらの先生方の見識にただただ驚くばかりでした。

だいたい弁理士会の委員会に参加される先生は特許事務所経営または特許事務所に勤務していても結構ベテランの先生方が大多数で、自分のような企業勤務の弁理士はごくごく少数派です。で、そういった先生方の話し方を聞いていると、やはり一国一城の主、という感じで堂々とはしているのですが、どうも会社の上司の雰囲気とはかなり違うのです。具体的にどう、と言われると表現しにくいのですが、誤解を恐れずに言えばちょっと不遜なくらいの自信を持たれている、という感じでしょうか。

特許事務所勤めの弁理士というのは、自分の経験からすると他人に評価される機会があまり多くないように思います。確かに明細書という客観的な対象を介してクライアントから評価されるわけですが、日々クライアントが隣にいるわけではなく、普段は他人の目をあまり気にすることなく暮らすことができます。そういった日々を続けていると、もしかしたら唯我独尊的な考え方が増長してしまうのかもしれません。

私が特許事務所に勤務していた頃、クライアントに対しては偉ぶらず、かといって卑屈にもならず、できるだけパートナーとして運命共同体的な立場で考えていただけるように接するように心掛けていました。最近流行の知財コンサルにしても、心掛けとしてはこういった態度が重要であるように思います。コンサルタントは決して当事者にはなれません。しかし、できるだけクライアントの立場に立って、もし自分がクライアントであればこういった施策をするだろうというアドバイスを行うことが重要ではないでしょうか。前述の先生の態度は他山の石として肝に銘じさせていただきます。

短期的に成果が出るとすっきりするけど

このBLOGで、自分の業務についてあれこれと書き連ねていて、それなりに満足しているような書きぶりをしていますが、そうはいっても百点満点とはいかず、苦労もあります。

一番苦労しているのは、間接業務ゆえ仕方ないとは思うのですが、毎日の業務進捗が直ちに結果につながるわけではなく、成果が見えにくいところが歯がゆく思う点です。そんなの当たり前だ、というご意見は当然あるかと思います。しかし、特許事務所に勤務していて毎日明細書なり中間処理書類を作成している頃は、1日~数日で一つの明細書や中間処理書類を書き終えており、数日かかる明細書であっても今日はここまでやると一日のはじめに決めてそれが終わったら事務所を退社するという流れが染みついてしまい、これが自分の仕事のパターンというかリズムになってしまいました。企業特許部に転職した後も、知財担当者として実務をしていた頃は提案書チェック、発明者との打ち合わせ、明細書案チェックなど一つ一つの業務は長い年月をかけて完成するものではありませんでしたから、特許事務所勤めの頃と同じく数日のパターンで業務完成というリズムを崩すことはありませんでした。それが、間接業務に異動した途端、一つの業務に数日かかるのは当たり前、大きいプロジェクトになると一定の結果なり成果が出るまで数週間~数ヶ月というスパンの月日が必要になります。しかも、自分だけで結果なり成果が出るわけではなく、他の人との共同作業が必要で、さらに言えば結果、成果が確実に出たという判断が自分ではしにくい場合が多々出てきます。

こればかりは、今の部署にいる限り、解決されることではありません。ただ、自分としては短いスパンできちんとした成果なり結果が出て、それが比較的客観的に評価できる業務が性に合っているようにも思えます。社会人を始めた頃からこういった間接業務というか管理業務に従事していた人にとっては仕事とはそういうものだという割り切り方ができると思うのですが、研究者から始まった社会人生活の中で結果を求められる業務を継続的に行ってきた自分にとっては、今の業務はどうももやもやとした気分が抜けません。特許事務所勤めの弁理士はどちらかというと短いスパンでぱっぱと結果を出すことが得意のようにも思うので、やはり自分の生きる道はそっちかも、と悩むこともあります。しかし、マネジメントレベルが上がるに従って結果なり成果がそんなに短期的に出る業務は減っていくように思えるので、これも勉強と思って頑張っています。

もしかしたら、特許事務所勤めの弁理士というのは非常に過酷な成果主義の上に成り立っているのかもしれませんね。

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