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升永弁護士がTMI総合法律事務所に移籍するそうです

そう言えばこのBLOGでご紹介していませんでした(^_^;)青色ダイオード訴訟で中村修二氏の代理人をした升永英俊弁護士が率いる東京永和法律事務所がTMI総合法律事務所に合併吸収されるというニュースがありました。このニュースによると後継者難とのことですが、ご本人の談によると、マネジャーではなくプレイヤーに専念したいとのことでしたので、後継者難と言うよりは事務所経営を嫌って大事務所に併合されることを判断したのだろうと思います。既に合併は終わっており、TMI総合法律事務所のサイトにもアナウンスがされています。

このニュースを聞いて思ったことが2つあります。

まず、「私の弁護士としての理念である『法の支配』をさらに実現していくために、残りの時間をすべて弁護士として本来の業務に注入したい」という升永弁護士の言葉です。確かに、企業の知財実務であっても法治国家の元に行われることですから法の支配を受けざるを得ないのですが、法の支配を強調しても企業法務にとって役立つのか、という素朴な疑問というか反感があります。非常に汚い言い方かもしれませんが、企業法務であっても企業の利益を抜きにして存在することはありません。弁護士は「正義と自由」の実現のために闘うわけですが、企業は利益追求のために闘います。当然、違法行為をしてまで利益追求をすることはできませんが、企業として法律に定めのない事項について法律の絶対的な権限が認められるまで待つこともできません。リーガルマインドを持って判断すべしと言われても時にそれは企業の利益追求と反する場合があります。企業法務は企業の決断に対して違法であればブレーキを掛けますが、そうでなければできるだけ企業の判断に沿うべく方策を考えるところです。

もう一つ、これも上のことに関連することとして、今まで升永弁護士が行ってきた行動が、TMI総合法律事務所という企業法務に比較的実績のある弁護士事務所と合致するのかというこれも素朴な疑問です。升永弁護士が行ってきた弁護士活動の中で最近主流であるのが発明者を原告とする発明報奨金の訴訟です。この場合、企業は被告としての立場になります。企業法務という考えからすると発明報奨金の訴訟はリスクファクターの一つであり、TMI総合法律事務所とすれば被告として関与することはあっても原告として関与する可能性はそもそも低かったのでは、と思えるのです。TMI総合法律事務所はこの点も十分考慮して合併を判断したのでしょうから、第三者がとやかく言う必要はないのですが、気になる点です。

なお、私個人は升永弁護士に特別な感情を持っているわけではなく、できるだけ客観的な記述をしたつもりですが、関係各位に不快感を持たせた場合は申し訳なく思います。

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