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製品の低価格路線(その2)

この間から低価格路線のことについて話をしています。低価格路線というのは必ずしも破壊的イノベーションにつながることではなく、むしろグローバル化の一環として理解する方が素直であると言えます。一番いい例としては、いわゆる白物家電と言われる洗濯物や冷蔵庫が挙げられると思います。日本の大手家電メーカーは白物家電については高級路線を貫いていると思います。一方、中国のHaierであるとか韓国のLGであるとかは機能を絞った低価格商品を大量生産、販売することで自国のみならず世界的市場を獲得してしまったわけです。

高級路線を貫くか低価格路線を進むかは企業の経営判断ですから一概に是非を論議することは難しいです。ただ、グローバルに製品を販売する戦略として低価格路線は好適であると言えるでしょう。当然、低価格製品を受け入れていた国(通常は一般地域と言うべきか発展途上国と言うべきか)も購買水準が上昇してきますので、いずれ高級路線の製品が売れてくるわけです。中国は丁度この端境期にある様子で、テレビなどはブラウン管テレビが地場産業で薄型テレビが海外メーカーでいくら販売店がブラウン管テレビを前面に押し出しても薄型テレビばかり売れてゆく、という現状があるようです。

全てのカテゴリーで低価格路線が進むかどうか、現状でははっきりしないところがあるように思います。以前BLOGでも書いたように、PCは低価格路線の(ある意味でパンドラの箱が開いてしまったので)路線は避けられない道でしょう。携帯電話も、一般地域、発展途上国では圧倒的に低価格路線の製品ばかり売れます。デジカメはちょっと判断が難しいところですが、低価格で高機能の製品を大手メーカーが推進すれば道は開けるかもしれません。テレビは、既にブラウン管テレビが世界中で売れてますので、むしろ薄型テレビへの買い換え需要を待つことになります。この場合、液晶であれプラズマであれブラウン管テレビと価格競争力を持ちうる製品ができるかどうか…難しいところです。買い換え需要の場合、ブラウン管の寿命がきて買い換えるならともかく画質の良さといった薄型テレビの買い換え訴求力がどれだけ消費者に受け入れられるか、です。

低価格路線の製品を支えているのは、前にも書いたように台湾、中国のEMCメーカー(例えばFoxconn=HonHai)です。EMCメーカーの強みは設計、製造のレベルの高さと低廉な製造コストです。このEMCメーカーの強みがいつまで続くのか、数年単位では問題ないでしょうが、10年単位の長いスパンでは何とも言えません。つまり、設計から製造までの垂直統合による強みが製造コストの長期的な上昇によってどこまで継続できるか、という点で若干の疑問があるように思います。当然、製造拠点はより安いコストを実現できる国に移転するわけですが、そうなると設計と製造拠点との間に地理的な溝ができてしまいます。これではEMCメーカーの強みを保てるかどうかわかりません。

いずれにしても、低価格路線への流れは止められないわけなので、高級ブランドの象徴となっている日本の製造業がどのように対応するか、真剣に考えないといけないと思っています。

ちょっとまとまりがなくなってすいません。

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