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白物家電とグローバル化と低価格路線

なんかとんでもない三題噺みたいな題ですね(^_^;)。最近、白物家電とか低価格家電のお話を続けてきています。今日はその続きで。

白物家電は日本の大手電機メーカーが積極的に開発・生産を続けているにも関わらず、今ひとつグローバル化の面ではぱっとしない印象を受ける製品です。事実、世界的な知名度からすれば、冷蔵庫、洗濯機は欧米では地元メーカー(例えばGE、ウェスティングハウスとか)と中国・韓国メーカー(ハイアール、LGなど)が抜きん出ています。これはどうしたことか。白物家電は地域毎の嗜好が非常に強く出る商品のようで、例えば日本メーカーが作るような超高機能でゴテゴテのデザインの冷蔵庫が好まれる地域は限られるようです。アメリカなどは大容量で単機能、欧州では家具に近いデザインで省エネ、という嗜好があるようです。日本メーカーは早くからグローバル化ができていたと思っていたのですが、国内市場に一定の規模があり、この市場で切磋琢磨することが第一の課題と考えられていたのか、思ったよりグローバル化が進んでいない様子です。AVメーカーの場合、国内市場で切磋琢磨することが結果としてグローバル市場での競争力に直結しましたので、市場毎の嗜好は幾分あるものの世界同一商品での勝負が可能なレベルにあったようです。

白物家電をグローバル化する場合、欧米市場ではそれなりの購買力がありますから機能重視の方針をとっても大丈夫でしょうが(とは言え、アメリカはやはり単機能重視のようです)、一般市場=発展途上国市場を見据えた場合、低価格家電を作らないとグローバル化は実現できないように思います。ハイアールにしてもLGにしても当初は機能を絞った低価格家電を作ることで一定の市場シェアを確保し、大企業としての道を進んだわけです。ただ、このところの米国のサブプライム問題を端緒とする米国景気悪化の影響は、米国への輸出依存度が非常に高い中国の白物家電業界にとって結構打撃のようです(参考記事1)。この場合、色々な市場へのローカライズを現地で行う、言い換えれば現地生産度を高めて苦境を脱却する方策を考えることになると思います。

一方、この状況に、日本の大手電機メーカーは省エネをキーワードに再度乗り出す方策を考えているようです(参考記事2)。省エネ技術では日本のメーカーは世界一のレベルにありますから、省エネが購買の際の重要なファクターとなりうるのであれば勝機はあると考えられます。ただ、現時点で中国を含めたアジア市場の白物家電の省エネ率は非常に低く、省エネよりも価格を重視するであろう可能性が未だ否定できません。長期的な展望に立って考えないといけないと思います。

あと、余談ですが、低価格路線の波はPC、携帯電話だけでなく液晶テレビにも及んでいます。米国では42型液晶テレビが10万円以下で販売されています(Vizioというファブレス業者です)。Vizioは一気に北米でシェア2位を獲得するまで急成長したのですが、大手メーカーがVizio対策として低価格液晶テレビを販売するようになってこの急成長に翳りが出てきているようです(参考記事3)。AV機器の場合、白物家電と違って生活必需品とは言い難い側面があるので、価格が手が届く範囲内にあればブランド力、製品開発力のある大手企業にも勝機が出てきます。大手企業からすれば低価格家電を放っておくわけにもいきませんが、真正面から対抗するよりも自らの得意分野に消費者を誘導するような戦略が重要と言えます。Vizioはいよいよ日本にも進出するそうですが、個人的には北米ほどのシェアは望めないように思います。日本の消費者はかなり高級志向ですから。

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