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中国のITセキュリティ機器の強制認証について

今日は、何回か前の記事で「書きたいけど今はよくわからないので」と見送った、中国におけるITセキュリティ機器の強制認証について、それからあまり動きがないので現状わかっている範囲のことについて書くことにします。

そもそも、中国には強制認証制度(China Compulsory Certificate)という制度があります。制度の詳細についてはこのページをご覧ください。現状の強制認証制度は、例えば電磁波輻射であるとか安全性の問題であるとか機器内部の問題ではなく機器全体として安全性があるかどうかといった観点から認証を行う制度で、現在問題になっているソースコードの開示と言った知的財産的な問題はないように思われる制度です。

しかし、今回の中国の発表は、この記事に書いてあるように、ITセキュリティ機器について詳しい製品情報を中国当局に開示して認証を得ないと中国国内でITセキュリティ機器そのものを販売できない、というもののようです。詳しい製品情報にはソースコードの開示も含まれる可能性が非常に高いわけです。このような態度に出た背景としては、中国はインターネット上で流通している情報の内容について神経を尖らせており、例えばファイヤーウォール機器であればその内部がブラックボックス化されている状態では中国当局がその情報を解読する際に困難であるから内部を開示せよ、と考えている節があります。

当然、企業にとってはソースコードの開示は是非とも避けたい事態です。しかも、中国当局がいくら秘密保持を謳ったとしても、中国という国は官民の区別が曖昧な国ですから、情報がいつ中国の民間企業に渡るとも限らないわけです。これでは重要な知的財産権を中国にみすみす無料で手放す事態になってしまいます。

対応策としては、各国が協調してこのような強制認証制度に断固反対していくことだと思うのですが、中国という巨大市場をみすみす手放す結果にもなりかねず、また、中国のITセキュリティ機器業界がかなり技術的に力を付けている現状では、中国に対してITセキュリティ機器を輸出しないという締め出し行為をしても何らかの形で中国の企業はキャッチアップをしてくるでしょうから実効力に欠ける虞があります。中国を何とか思いとどまらせるにはどうしたらいいのか…過去、中国は何度も業界標準あるいは国際規格に対して中国独自規格(例えばEVDWAPI)を制定することで海外製品の締め出しを意図してきましたが、結果的に成功しているとは言えません。特に、中国のIT産業が海外輸出を目的とするならば国内と海外とで違う規格を採用することは決して望ましいことではないでしょう。中国当局の冷静な判断を期待したいところです。

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