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パナソニックと三洋電機は合併するのか

今日はパナソニックが三洋電機を合併するというニュースが駆け巡っていました。まだ確定的情報ではないので話題にするのも早いかと思ったのですが、家電業界に身を置く自分としてやはり話題にしないのはどうかと思い、現時点でわかっている情報に基づいて考えてみました。

パナソニックが三洋電機を合併するというニュースは、自分にとってなかなか衝撃的でした。というのも、三洋電機はここ数年業績低迷のために事業を分割して身売りして中核事業たる二次電池、太陽電池及び業務用機器(自動販売機とかコンビニ、スーパー用冷蔵ショーケースとか)に集中するものと思っていましたから、事業分割することなく丸ごと身売りするとは思っていなかったからです。実際、中核事業は現時点でも十分世界的に競争力を持っているものばかりですから、わざわざ他社に買ってもらうこともないと思うのです。

パナソニックからすれば、このニュースに書いてあるように、一番のメリットは三洋電機が世界的シェアを誇る二次電池と太陽電池の事業を入手できることでしょう。リチウムイオン電池は確かに三洋電機が世界一のシェアですし、パナソニックのリチウムイオン電池のシェアもかなり高いところにあります。これらが合併することでパナソニック=三洋電機連合はより高いシェアを獲得することができます。また、太陽電池に関しては、パナソニックは最近独自方式による太陽電池のR&Dを中止することを発表していますので、期せずして太陽電池の優秀なR&D部隊を獲得することができるわけです。こう考えると、パナソニックはなかなか目の付け所がいい、と言えなくもありません。

しかし、このニュースに書いてあるように、パナソニックと三洋電機は長年にわたって総合電機メーカーとして競合してきており、半導体や白物家電で重複する事業を抱えています。従って、単純に売上を足し算すると11兆円の売上高と報じられていますが、実際に合併してもこれら重複事業の清算が必要ですから、思ったほどの売上増にはならない可能性があります。

さて、特許的に見ればどうか、ということを書かないといけないですね。2005年の三洋電機の出願件数が3400件ほど、パナソニックが15600件ほどですから(2007年特許庁行政年次報告による)、元々パナソニックは日本一特許出願が多い会社だったのがもっとすごい数になることが予想されます。リチウムイオン電池の特許に関しては、このレポートに見るように三洋電機、パナソニック、ソニーが三強ですから、パナソニック=三洋電機連合になったことにより特許的なポジションは盤石になることが予想されます。太陽電池の特許に関しては、このレポートに見るように三洋電機が3位、パナソニックが7位ですから、トップのシャープには及ばないもののかなり特許的なポジションは上昇することが予想されます。

三洋電機は家電業界再編の台風の目になることは以前から予想されていましたが、このような方向に進むとはちょっと予測できませんでした。果たして今後どうなるか全く予断を許さないところなので、注目していきたいと思います。

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コメント

昨日の(あ、まだ今日か)の記事の続きで書こうかと思ったのですが、大した話題ではないのでコメントで。

パナソニックと三洋電機の事業構成に関する見やすい図がありました。

http://www.asahi.com/business/update/1102/OSK200811020077.html

これを見るとかなり重複していることがわかりますね。また、三洋電機にとって重荷になっている半導体関連の売上がまだかなりあることがわかります。半導体はパナソニックともろ重複している事業なので、ここをどうにかしないといけないのは確かです。

どうなるかなぁ…合併してもその効果が出るのは結構先になりそうですね。

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