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不景気なときの特許事務所

とてつもない金融不況(恐慌とまではいかないようです)のおかげで全世界的に景気後退局面に至っています。こういったとき、企業は業務効率化を掲げて(リストラだけではないですよ)あれこれと不要経費を削減する努力をします。この、不要経費の中に工業所有権費(出願から中間処理から年金支払いから何から権利化に必要な費用もろもろ)が入ってくるかどうか…昔は景気が悪くなると出願件数を絞り込む企業が結構あったんですが、このご時世、景気の善し悪しで出願件数を絞り込む考えを持っている企業は少数派になっていると思っています。乱雑な議論かもしれませんが、出願件数を絞り込むということは研究開発費を絞り込むのと同義だと思え、景気が悪くなったから研究開発費を絞り込む企業は少数派になりつつあるでしょうから。

そうは言っても、不要不急の出願は絞り込まれるのは自明の理です。大企業から件数をこなしてくれること「だけ」で評価されている特許事務所にとっては、内心穏やかでない日々を過ごすのだろうと思います。そんな事務所があるのかって?まぁ、ないとは言えないでしょうねぇ

随分前から言われていることではあるものの、未だ実現できていないと思われることとして、各特許事務所の特色を出してオンリーワンの特許事務所を目指すということがあります。大企業は時に前年度の半分程度の件数しか出願しないこともありますし、あるいは急激に出願件数を伸ばすこともあります。大企業に対して案件受件を受身で行っている限り、大企業の都合で毎年の受件数が決まり、売上が乱高下します。特許事務所としては安定して優秀な人材を雇用したいのですが、人件費は基本的には固定費として管理不可能に作用しますので、人件費が事務所経営に重荷にならないとも限りません。特色のある事務所、例えば特定の技術に関して非常に優れた明細書を書く事務所や、このBLOGでも何度か取り上げてきたように、中小企業の発明発掘、はては知財コンサルティングまで行ってしまう事務所であれば、大企業からの受件に血道を上げる必要もなく、さらには大企業から選ばれる事務所となって安定した経営が実現できる道が開ける訳です。

特色のある事務所とその他大勢の事務所となるかは、日ごろの努力によるものが大きいでしょう。時に接待という情に訴える手段を取る場合もありますが、あまり効果が長続きしませんね。企業が特許事務所を見る目は年々厳しくなっています。標準報酬額表も廃止されて随分経ちますので、頑張った事務所にはそれ相応の、そうでない事務所はそれなりに、という流れはどんどん進んでいくように思えます。

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