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プロダクトオリエンテッドな商品企画

知財ブログと言いながらあまり知財のことを話題にしないのは良くないのですが…。

商品企画をする際に、技術オリエンテッドな考え方とマーケットオリエンテッドな考え方をすることがあります。それ以外にも、プロダクトオリエンテッドな考え方をする商品企画があります。単純に言えば、こんな商品を市場に提供したい!という開発者の思いが詰まった商品企画です。一番分かりやすい例としては、それまで録音機能が当たり前に付加されていたテープレコーダーの録音機能を除外してヘッドフォンで高品質の音楽を聴くというコンセプトを実現したソニーのウォークマンとか、ウォークマンがそれまでカセットテープなりCDなりMDなり着脱を前提とした記録媒体を介在して音楽を提供していたのに対してHDという大容量の記録媒体を搭載することで自分が所有するすべての音楽データを持ち運び可能にしたAppleのiPodとかがあります。

技術オリエンテッドな商品企画というのは非常に差異が分かりやすい商品なので、ある意味で商品企画をする際のコンセプトも明確だと言えます。ただ、差異が分かりやすいということが必ずしも商品選択の際にわかりやすい解を提供するとも言えません。社会的にブームを巻き起こすほどの大ヒットになるのは上に書いたプロダクトオリエンテッドな商品企画であることが多いです。

このプロダクトオリエンテッドな商品企画は、わかってしまうとだれもが納得するのですが、そのコンセプトが提供されるまではなかなか思いつかない、いわばコロンブスの卵的な商品企画であるといえます。それだけ難易度が高いのだと言えます。

余談ながら、こういったプロダクトオリエンテッドな商品について特許を取ろうとすると、意外と既存概念の組み合わせのような特許請求の範囲になりがちで苦労することが多いです。どこが新しいのかといえば世の中に今までないから新しいのであり、そんな組み合わせを発想すること自体が新規なのだと言いたいのですが、大抵の場合、特許庁の審査官はそれで納得してくれません。結果的に技術的にどうでもいい限定要件を付加することで登録されることが多いのですが、こうすると特許請求の範囲の内容と商品のコンセプトそのものととの間に食い違いが生じることになります。やはりコンセプト寄りの商品は特許と馴染みにくいのかもしれませんね。

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