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SamsungやLG電子の訴訟に思う

このところ、SamsungとLG電子が相次いで特許訴訟の被告になっています。個々の事情は違うでしょうが、ある意味でこれまで成長を続けてきていた韓国大企業に対する特許訴訟の嵐が始まったのかもしれません。ニュースの詳細についてはパテントサロンをご覧あれ。

Kodakとの訴訟は、ニュースを見る限り携帯電話のカメラに関するもののようです。Kodakは、未だにフィルムメーカーとしてのイメージが強いですが、以前このBLOGでも紹介したように、米国ではかなりのシェアを有するデジカメメーカーです。しかも、デジカメの開発を開始したのも古く、デジカメに関する有力な特許を結構保有しています。今回、Kodakはデジカメそのものではなく、携帯電話のカメラ機能について訴訟を提起しているようです。これはなかなか正解で、Samsung Techwinのデジカメが売れているとは言え世界的シェアはそれほど高くなく、むしろ、世界第2位及び第5位(LGは最近の四半期で一気にシェアを落としたようです)の販売量を有する携帯電話に絞り、ボリュームを狙ったと言えます。SamsungにしてもLG電子にしてもデジカメに関する有力な特許(携帯電話に絞ったとしても)を有するとは到底思えないので、訴訟方針としては非侵害、特許無効の2面で戦うことになるかと思います。ニュースによるとSamsungとLG電子はKodakとずっと交渉をしていたようですが、これが決裂した様子です。こういったことはままあることで、交渉が膠着した場合には状況を打開する目的で訴訟が提起されることは結構あります。ただ、訴訟を提起して双方後に引けない状況になった場合、弁護士費用を含む訴訟費用は莫大になりますので、できたら訴訟提起前に決着した方が合理的ではあります。

Spansionという会社は、調べてみるとAMDと富士通の合弁会社でした。なるほど、これならフラッシュメモリーに関する有力な特許を持っていても不思議ではないですね。今回の訴訟の対象になった特許はSpansion社のHPでも宣伝されているほどの技術の様子で、Samsungにしても知らなかったでは済まされない問題のように思われます。しかも、今回の訴訟はSamsung社のフラッシュメモリーを搭載した他社製品に対する輸入差止請求まで付加されているようで、訴訟規模としてはものすごいものになりそうです。こういった場合、納入会社としては納入先に対して特許訴訟の肩代わりを打診しますので、Samsungとしては膨大な訴訟を抱えることになりそうです。ただ、同業者間の特許訴訟ゆえ、事前の交渉なり、あるいはクロスライセンス等事前の備えがあってもおかしくないのですが…。

米国での特許訴訟件数は、米国の最高裁ホームページをご覧になればわかるのですが、毎年3000件近い件数があり、まだまだ増加傾向にあります。かつては日本企業がターゲットになることが多かったのですが、これからは韓国企業、そして中国企業がターゲットになるのかもしれません。これはある意味で仕方ないことで、順番に通るべき道であると言えます。

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コメント

こんにちは

Spansionについてもこれからはライセンスビジネスに力を入れます、とHPに書いてあったように思います。どうしても不景気になるとコストをあまりかけずに儲けようという考えが出てきますので、訴訟件数は増加傾向にあるのか、と。

> 特許訴訟件数は(中略)まだまだ増加傾向にあります。

私のガッツ・フィーリングなんですが、不景気が会社に特許訴訟を起こさせる要因になっているように思います。
好景気のときに武器を磨いて、不景気のときにこれを使うって感じですかね。
そういう準軍事的性格という側面で、なんらかの分析ができるかもしれませんね。

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