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社会起業家という存在

年が明けて、クリスマスに録画しておいた「クリスマスの約束」を見ているうちに、また涙腺が緩くなってうるうるきてしまいました。やっぱり年を取ると涙もろくなるんですかね。

さて、もう一つ、年末に録画しておいた「ガイアの夜明け」を見ていてなかなか参考になりました。詳細はサイトに譲るとして、簡単に言えば、環境技術を中心として日本が誇る技術を社会貢献ビジネスに活用する、というスジです。社会貢献ビジネスという言い方がピンと来なければ、最近流行の言葉で言えば「社会起業家」とでも言うべきでしょうか(これでもわかりにくいかな…)。

最近、社会起業家という存在に注目しています。この間、MOT社会人大学院の恩師のところに遊びに行ったら、偶然にもこの恩師が内閣府経済社会総合研究所(ESRI)からの委託を受けてこの社会起業家について研究しているのを知り、面白いなぁ、と思ってしまいました。社会起業家の定義についてはWikipediaのリンクを張っておきましたのでご覧下さい。ここ数年、金融中心主義の行く末に何となくの不満感と不安感を感じており、先進国だけではなく発展途上国も含めて世界全体が繁栄をするためにはどうしたらいいのだろうと考えているうちに、社会起業家の存在に気付き、こういった存在は社会全体を変革できる力を持ちうるのではないかと思ったのです。

社会起業家のどこに注目をしているかというと、ガイアの夜明けでも紹介されていたように、私が理解する限りではボランティアやODAのように無償で提供されるもの(人的貢献であれ設備であれ)は、当初は受け入れ側にありがたがられるものの、所詮(主に)先進国から無条件で提供されるものですから受け入れ側としてはその設備なりシステムなりを維持するというインセンティブに欠け、結果的に長続きしないことが多いのですが、社会起業家が提供する設備なりシステムはビジネスモデルを回すことを前提としていますから、受け入れ側の住民がこのビジネスモデルに参加することでインセンティブを得て長続きする可能性があるからです。ガイアの夜明けで紹介されていた例は、凝固剤+濾過装置を用いて泥水を清浄化する装置を当初は無償で提供したところ、数ヶ月後には蛇口などの金属類が盗まれたら住民がそれを復旧させることもなく放置しており、今度は生活用水の運び屋に凝固剤+濾過装置一式を販売し、これを生活用水の販売代金に上乗せする形で回収させるようにしたら道が開けかけた、というものです。

確かに、世界中ほとんどのところで貨幣経済が成立していますから、たとえ少額の儲けであっても利潤を生むビジネスモデルが成立しなければ、いくら環境衛生に優しいとはいってもその土地で根付くことは難しいでしょう。平たく言えば、現在の環境技術が世界的に広がらないのも、その環境技術を含めたビジネスモデルがきちんと成立していないからであると言えます。

社会起業家は、利潤をとことん追求する従来型の起業家とボランティアの中間に位置するような存在であると理解しています。発展途上国のように購買力がまだ十分成熟していない国家では、利潤追求型の起業家が環境技術などの国民生活を正常な方向に発展させる技術を導入したのでは、目的とする利潤を得ようとするとその国民に受け入れがたい価格になってしまう可能性が高いと思います。一方、ボランティアでは上に書いたように導入した技術がその国民に根付かずに終わってしまう可能性があります。社会起業家は社会貢献を尺度にその事業の成功度を測定する人々ですから、利潤に走ることなく技術を導入し、その国の国民に受け入れられるビジネスモデルを確立させることができるのではないか、と思っています。

この場合、一人(あるいは一団体)の社会起業家が成功すると、その国において必ず追従者が出現することが予想されます。社会起業家が導入するビジネスモデルが特定の技術を基本としている場合、追従者はその技術の模倣に走るであろうことは容易に推測されます。社会全体の繁栄がそれで約束されるならばよしとする意見も当然ありますが、当該技術に対して社会起業家が投資した資金が追従者の存在により回収不能になった場合、次の社会起業家を生み出すインセンティブは大きく阻害されることになります。ガイアの夜明けでも、ショベルカーを改造した地雷除去装置を製造している会社が、開発費を回収できる見通しが立たずに苦労している例が紹介されていました。

従って、最低限投資した資金を回収できる程度の競争力を何らかの形で社会起業家に付与する仕組みが必要になります。この際、安易に知的財産を持ち出すとエイズ薬に関する特許問題で見るように南北問題に発展してしまうので、知的財産を持ち出すとしてもその国に見合ったライセンス料等の設定が必要になるのだろうと思います。そもそも利潤追求型でない社会起業家であればそういったライセンス料でも問題ないでしょう。こういった場合、行政がそれなりの予算を付与してビジネスモデルが成立できるようにすればいいのかもしれませんが、発展途上国にはそれほどの余裕がない場合もあるでしょうから、できるだけ行政の介入なく成立しうるビジネスモデルを確立させるべきなのでしょう。

ちょっとした初夢気分でこんなことを考えていました。

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コメント

誠一さん、はじめまして。

私もガイアの夜明けを見て結構感動してこんな記事を書いてしまいました。自分自身が社会起業家として活動できるかというとなかなか難しいので、まだ夢物語状態ではあるんですが。ボランティア活動は、記事にも書いたようになかなか継続的に根付くのが難しいのではないかという気がしているので、社会起業家による活動がその閉塞感を突破できる気がするのではないかと思っています。

はじめまして誠一ともうします。

あまりに内容ある文章だったので私のブログの記事にアドレス貼らせていただきました。

もしダメでしたらおっしゃってください。

>受け入れ側の住民がこのビジネスモデルに参加することで

従来のボランティアとはここが違いますよね、ビジネスにしてしまうということが。
こういう活動に注目していきたいです。

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