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デジタル家電、寡占が加速

ちょっと前のニュースですが、「デジタル家電、寡占が加速 2強シェア5割超、08年は9品目」という記事がありました。ワールドビジネスサテライト(既にWeb上には記事がないので今回はリンクを張りません)でもこのことを紹介していました。

なんでデジタル家電が寡占化が進むかと言うことを考えると、デジタル家電の場合、ある程度の機能はどのメーカーも一定レベルまで到達していて、こうなると価格競争に突入することが多々あります。そうなると、ある程度のシェアを確保できているメーカーでないと値引き合戦に勝ち残るのは難しいです。販売店も売れ筋を薦める傾向にありますから、売れ筋から離れた商品であれメーカーであれ販売店の店頭に占めるスペースがどんどん狭くなってきます。一旦売れ筋から離れてしまうと、顧客の注目を浴びる可能性がどんどん低くなりますので、さらにシェアを下げる結果となります。こういったことが、デジタル家電の寡占化を推し進めているのではないかと思っています。

当然、ニュースにもちらっと書いてあるように、市場を変革しうるほどの力を持つ新技術、新機能が実現できると一気にシェアを伸ばすことも可能です。とは言え、なかなかそんな技術は見つからないのが現状です。例えば、液晶テレビでは最近超解像技術と呼ばれる技術が脚光を浴びています。超解像技術とは、液晶テレビの画素数よりも少ない画素を有するDVD映像であるとかを液晶テレビの画素数に合わせて表示する際に、単純に引き延ばすのではなくて解像度を液晶テレビの画素数に合わせる技術です。この、超解像技術では東芝が結構先行しているのですが、だからと言って東芝の液晶テレビのシェアが格段に上がったという話は聞いていません(販売店の中には「東芝は画質がいい」と褒めている人もいるようですが)。結局、こういった新技術、新機能が顧客にとって商品選択のポイントになるまでには至っていない、ということだと思います。ある意味、デジタル家電自体が全般的に高機能になってしまい、機能だけでは差異化ができないということだと思います。特に、今は不況ですから価格の訴求力の方が圧倒的なのでしょう。北米においてVizioがサムスンやソニーのシェアに迫る勢いを示しているのもそういった要因が結構あるのだと思います。

本来は新技術を知的財産で保護して先行利益を一定期間確保できるような体制を確立できればいいのでしょうが、大抵の大手電機メーカーは包括クロスライセンスを締結していますから、仮に市場に衝撃を与えるような新技術、新機能が実現できたとしても数年でキャッチアップされてしまい、なかなか知的財産が有効活用できる機会はなさそうです。

なかなか暗い話になってしまうものの、メーカーとしてはここが踏ん張りどころであるのも確かです。低価格路線か、高機能路線か、トップメーカーはどちらも選択しないとシェアは確保できないでしょうし、シェア低位のメーカーはいずれかの路線に絞らないと生き残る道はなさそうです。

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