« 2008年PCTランキングに思う | トップページ | 走りながら考える »

高機能・高価格路線、それとも低価格路線?(その2)

高機能、高価格路線のみを追求することの難しさについてちょっと前のBLOGの記事に書きました。これに似たような話が、日経エレクトロニクスの記者さんが書かれているBLOGに掲載されています。曰く、中国では高品質、高付加価値路線が通用しないと。また、同じ日経エレクトロニクスの記者さんが書かれている別のBLOGでは、韓国メーカーは品質上問題がなく,価格競争力が高いというイメージだとのことを書かれています。

このあたり、決して日本企業は理解していないわけではないと私は思っています。例えば中国市場に進出する際に、既に日本の家電メーカーは過去の高品質をコストパフォーマンスの良さで売る時期を脱していました。特に、白物家電ではないAV機器を販売しようとした場合、そもそもAV機器のマーケットは一定の購買力を持つ階層ですから、この階層をターゲットとしたマーケティングは間違いであったとは言えないでしょう。韓国メーカーは後発ですから、まずは日本メーカーが手をつけていない階層にターゲットを絞り、少々機能は劣っても安価な商品を販売する戦略をとったのだと思っています。その後、韓国メーカーが技術力をつけるに従い、高品質でコストパフォーマンスのよい商品に徐々に移行していったわけです。

中国に限らず、ワールドワイドで商品を販売することを考えた場合、前にも書いたように高機能、高価格路線のみを追求することは決して得策ではありません。ある程度のボリュームを見込める階層に対してコストパフォーマンスのよい商品を適切に提供する全方位戦略が必要になってくるのだと思っています。この場合、考えなければいけないことが幾つかあります。

まずは、OEM、ODMを積極的に使った場合でも、品質を落としてはいけないのはもとより、製品としての(ブランドを含めた)競争力を維持しなければなりません。日本の企業がOEM、ODMに思い切って踏み込めないのは、魅力ある製品を作りたいがために設計部門を日本国内に残しており、どこまで海外の製造委託先に任せられるかという思い切りができないからなのではないか、と思っています。この点、台湾・中国メーカーは安価という価値判断を優先しているので思い切りがいいです。コストパフォーマンス重視の商品をブランド価値を下げずに作るにはちょっと時間がかかるかもしれません。この点、Appleはデザイン重視で製品としての技術力はその辺にある物をまとめただけですから、突き詰めると競争力という点でどうなのかな、と思っています。iPhoneだって日本企業が作ればもっと小さくなるでしょうしね。

韓国メーカーとの対比で行くと、韓国メーカーは間接部門のコスト(人件費とか)が安いですから、垂直統合モデルを採用してもコストパフォーマンスのよい商品を作ることができるのだと理解しています。日本企業が競争するには間接部門の効率化をもっと上げることなんだろうと思いますが、これは難問です。Samsungとかは徹底した成果主義を採用しているようで、スタッフの新陳代謝が非常によい(言い換えれば中年層に厳しい)ように見えます。これが日本でできるか…。

いずれにしても、これからは日本企業もミドル以下の階層に対して積極的に販売攻勢をかけていかなければいけないのは間違いないです。

« 2008年PCTランキングに思う | トップページ | 走りながら考える »

企業経営・技術経営」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2008年PCTランキングに思う | トップページ | 走りながら考える »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト
無料ブログはココログ