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インクス倒産!

インクスという会社が民事再生法の適用を申請したそうです。このインクスという会社、ベンチャー業界に少しでも足を突っ込んだことのある人ならば知らない人は絶対いない、有名なベンチャー企業です。私がMOT社会人大学院で学んでいた時に、特別講師としてこのインクスの山田眞二郎社長がおいでになり、山田社長の起業までの経緯とインクスという会社の業務内容のプレゼンを聴いて非常に感銘した覚えがあります。印象に残っているのが、製造業、しかも金型という暗黙知の世界をIT技術により最先端の科学にし、生産性を極限にまで高めることにいち早く取り組み、ローテクと思われている分野にも新事業の余地が残されているのだ、ということでした。

インクスのプレスリリースによると、サブプライムショック以来の自動車産業からの急激な受注減により窮地に陥ったとの印象を受けました。私が講義を聴いた頃は、光造形金型を商品サイクルの早い携帯電話に用いているという話でしたので、それから数年、自社開発の3次元CADを用いて自動車産業に深く入り込んでいく業態に徐々に変化したのでしょう。金型製作であるとか試作品製作はある意味装置産業ですから、いくらIT技術を使っているとは言え、昨今の景気では設備投資が重くのしかかるのは理解できなくはないです。ただ、3次元CADのような分野は設備投資を云々する(ものすごいレベルのコンピュータが必要なのはよくわかっていますが)必要もないので、民事再生法適用の申請の理由になるのかな?という疑問が少し残ります。いずれにしても、一時期コンピューター技術者の一番できる人材が競って入社した会社ですし、人材とその人材が作り上げたシステムは計り知れない財産ですから、一旦債務を整理すればまた順調に成長軌道に乗るものと思っています。

ちなみに、このBLOGですから、お決まりの知財の話を。インクスという会社は特許出願も結構やっているようです。IPDLで検索したら、83件ヒットしました(サカタインクスという別会社がありますので、検索される際にはご注意を)。山田社長が根っからの技術者ですから、新しいことを考えたら特許出願をしていたのでしょう。

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企業経営・技術経営」カテゴリの記事

コメント

インクスの倒産については、わからないことだらけ(情報が全くない)ので、様々な疑問や批判があるだろうことは容易に予測できます。所詮外注の一つに過ぎない会社ではあるので、産業全体に大影響を及ぼすかどうかわからないところです。

いずれにしても、復活が叶うかどうかで全てがわかるんだろうと思います。

インクス倒産についてこういう意見も見かけました。

http://d.hatena.ne.jp/asahitei/20090315

私も以下の疑問があります。
・「試作レス」といっておきながら、試作業界に債権者がいる(外注している)
・「自社開発のCAD/CAM」とうたっているが、社外の人間で実物を見た人はいるのか?
・「携帯はインクス無しで作れない」といっているが、携帯電話業界から、インクスが倒産したため、開発スケジュールが変更になったといった話を聞かない
・携帯電話がメインとの話だったのに、倒産理由は自動車業界の不信。
・インクスを誉めている人の情報ソースは、ほぼ全て、TV、新聞、講演、書籍からのもの。TVや新聞もインクスからの情報のみで、インクスに仕事を依頼して、成果物を受け取った会社からの情報はほとんど無し。

どちらの意見が正しいかは、今後まともに復活するかどうかなんでしょうね。

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