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日本の製造業よどこへ行く

今週の月曜日から水曜日まで、NHKのクローズアップ現代で「生き残れ 日本製造業」と題して日本製造業の課題と今後の方向性について特集を組んでいました。なかなか参考になったのですが、個人的にはちょっと深掘りが足りなかったかな、と思っています。

日本の製造業は、私が考えるに決して現状のまま深く沈んだ状態にあることは長く続かず、数年の期間を経て復活すると思っています。その理由は、日本の製造業が作っている製品自体に大きな問題はなく、数年のうちに新興国市場が復活するでしょうから、この新興国向けの製品開発に大きく舵を切り直すならば売上もまた復活すると考えるからです。当然、新興国市場は欧米メーカー、韓国、中国メーカーを含めた総力戦になりますから、一筋縄ではいきませんが、日本のものづくり力はちっとも低下していませんから、勝機は必ずあると思っています。

この際に問題となるのが、かつて米国が経験した国内製造業の空洞化が起こるかどうかです。新興国市場に舵を切るならば現地生産の割合が増加せざるを得ません。既に大企業は海外生産への移管をかなり進めていますが、その割合がさらに増加する可能性があります。国内での雇用を守る、また、部品等を供給する中小企業の海外移転をどうするのか、この点が今にも増して重要になるのではないか、と思っています。

新興国市場を重視する場合、製造拠点という観点ばかりか開発拠点をも海外に移管する必要が生じてきます。現状は日本の企業が海外に開発拠点を移管する場合、現地ローカライズのみ海外開発拠点に行わせるレベルに止まっている場合が多いです。これを、海外開発拠点独自の開発に基づくローカルモデルの製造まで進めるのか、やはり効率を考えて日本に開発拠点を集中し、現地ローカライズのみ海外開発拠点に行わせるのか、考えどころです。この解は、製造する製品の特性によるのだろうと思っています。自動車産業の場合、走行環境が地域によってかなり異なるので、ローカルモデルの開発・製造に向かうのかもしれません。電機産業の場合、地域差を考える必要はそれほどなさそうなので、開発拠点の集約化のほうが効率が良さそうです。

あと余談で。技術標準化の話がテレビで取り上げられていました。私が所属する家電産業において技術標準化の問題は随分前から切実な問題となっているので、個人的にはいまさら技術標準化なのか、国家的取り組み、戦略を議論するのは遅きに失するのではないか、と思っています。そうは言っても国家戦略として技術標準化を取り上げてもらうのはありがたいことですので、是非技術標準化を議論できる人材の育成を早急に行っていただきたいとは思っています。大学もこの点を見越して、例えば、金沢工業大学院に国際標準化戦略プロフェショナルコースが設置されるようです。ただ、講師陣の資質を考えると、早稲田大学の国際情報通信研究科に設置される国際標準化科目のほうが現状ではお薦めのように思っています。

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