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大学の特許出願は非効率的??

先週金曜日、芝浦工業大学で「オープンイノベーションの時代における知的財産権戦略」と題したシンポジウムが開催されたので、出席してきました(これは夜に開催されましたから、会社をさぼっていったわけではありません、念のためwink)。出席者はそれほど多くなく、ちょっと宣伝不足ではないかな、と残念に思っていました。

内容は、最初の2つは殆ど知っていることばかりでした。まあ、これは予想できたことです。最後の、芝浦工業大学の田中教授の発表は、不覚にも知らなかった内容だったのでちょっとだけ興味がわきました。ざっと説明すると、大学が出願している創薬に関する特許出願は創薬企業の特許出願に比較して出願タイミングもあまりよろしくなく、また、特許の質が実施例に記載された化合物の数に反映されるとの前提で、特許の質もあまり芳しいものではない、という内容でした。色々と前提条件はあるものの、なるほどと納得のゆくものでした。田中教授の出身が三菱化学の研究者ですから、それなりに説得力のある発表だったと思います。なお、この発表の内容は、昨年の日本知財学会の学術発表会や「研究・技術・計画」誌でも発表されているようです(購読しているのに知らなかったcoldsweats02)。

政府の知的財産戦略大綱が発表された頃を境に、各大学は文部科学省の補助金を元にまずTLOを整備し、次いで知的財産本部、そして一部の大学は産学連携本部を立ち上げ、これらの組織により大学内の知的財産活動を推進してきています。2008年度の特許行政年次報告書によると、大学において知的財産活動に従事している人間は2007年度で2500人にも上ると推計されており、かなりの人材が大学に集結していることがわかります。私が存じ上げている元企業知財部の方も随分と大学で知的財産活動に従事されています。それだけの英知を集結しながら、特許出願の効率が悪いのは、企業人としてはそうなのか、という印象しかありませんが、国民として考えると、補助金として投入されている税金の無駄遣いにもつながるので、ちょっと困ったな、という気がします。

いずれにしても、企業であれば特許出願のパフォーマンスをきちんと検証しますので、大学にもそういったプロセスが必要だな、と感じた次第です。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

昨日は、名無しで質問してしまいました。失礼しました。
権利行使に耐えうる程度というのがあるんですね。勉強になります、

今回効率とかパフォーマンスとか言っているのは、特許出願がどれくらいの率で登録されるかということと、どの程度権利行使に耐えうる特許を取れるかということの両方です。田中教授の研究によると、出願テクニックの問題で双方に疑問符がつくのでは、ということです。

初心者なので教えてください。
何に対する特許出願の効率なんでしょうか?特許出願のパフォーマンスとは何でしょうか?

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