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ビジネスマンとしての弁理士

ちょっと疲れ気味なのでできるだけ短めに(と言いつつ、書き始めると長くなるのが悪い癖coldsweats01)。

特許事務所に所属する弁理士と企業知財部との間に情報格差があるという話は何度過去のBLOGでしてきました。企業知財部には各国代理人、政府及び知財協から膨大な情報が提供されてきますので、情報格差は致し方ない部分もあるのですが、特許事務所に所属する弁理士が企業のニーズをどれだけ把握しようと努力しているかという姿勢も時に欠けるのではないか、という印象を持っています。なお、企業のニーズと言ってもビジネスマンとして知っておくべき常識に近いところも含まれます。

考えてみると、特許事務所に所属する弁理士のうち、特許事務所の経営に携わっている弁理士がどれくらいいるのでしょうか。統計によると、日本に存在する特許事務所のうち1人弁理士事務所の占める割合は確か8割程度です。しかし、経営者でない弁理士のうちどの程度の規模の特許事務所に勤務しているかを考えると、かなりの割合の弁理士が中規模以上の特許事務所に勤務しており、おしなべて考えると、経営者でない弁理士の割合は全体の半分程度になると記憶しています(このあたりの統計データ、どこかにあったはずなのですが、ちょっと見あたりません)。経営者でない弁理士が世事に疎いという短絡的な決めつけ方はしませんが、少なくとも、かなりの割合の弁理士が、特許庁の審査官・審判官と企業知財部の特許担当者と、そして事務所内の同僚・先輩・後輩とで構成される人間関係で固定された生活を送っていてもおかしくないわけです。こういった生活環境に置かれて、自ら外部に出る態度を取らないと視野狭窄を起こす可能性が出てきます。

前に紹介したかもしれませんが、私の弁理士試験合格同期生に知財戦略コンサルティングシンポジウムのネットワーキングパーティーでばったり会った時に、「知財経営なんて受験時代に習わなかったよね」と言われて唖然とした覚えがあります。知財経営は時代の流れでもあるのですが、知財を経営に活かすという考えはずっと前からあって、習うとかいう問題ではないんですが…sad

特許実務に没頭していると世事に疎くなることもありうべし、というのは自分の経験からしても頷けるところです。しかし、知的財産政策も様々な経済状況をベースにして立案されていますし(特に最近はそう)、コンサルティングを行うまでもなく特許実務を行う上でも当該技術に関する業界動向や経済状況全体を把握することでよりよい権利取得ができるのだと思います。これからは国際化だ、と語学力を磨くのも重要ですが、並行してビジネスマンとしての知識涵養を図ることも同様に重要だと思っています。この点が解決されないと、企業知財部と特許事務所との力関係はなかなか改善されないと思うのです。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

的場さん、いつもコメントありがとうございます。

特許庁の審査官・審判官というのは時に経済産業技官として特許庁の外に出ることもありますし、特許庁内で審査実務をしないで知的財産政策立案業務に就くこともあるので、世事に疎いばかりとも言えません。特許事務所内の先輩・後輩・同僚はどうですかねぇthink

結果的に、世事に疎くない人になりたいと思わないんでしょうねぇ。世事に通じたところで直ちに儲かるわけでもないですからねcatface

まあ、的場さんが言われるように、自覚のない人にあれこれ言っても改善は難しいのが事実です。広い世の中、あまり視野狭窄に陥ると困ると思うんですが。

 『世事に疎い』という自覚症状がないならば、
『特許庁の審査官・審判官と企業知財部の特許担当者と、そして事務所内の同僚・先輩・後輩とで構成される人間関係』 の中で、

a)世事に疎くない人がいないのか
b)世事に疎くない人の存在に気づかないのか
c)世事に疎くない人のようになりたいと思わないのか

のいずれかに該当する確率が高いのでしょう。
 a)であれば業界全体の問題、b)、c)はいずれも個人の資質の問題ですね。

 さて、仮にc)だとすれば、
c-1)世事に疎くない人 が儲かっていない
c-2)世事に疎くない人 が格好いい(目標に相応しい)と思えない
c-3)世事に疎くない人 になるのが大変だから嫌だ
などでしょうか・・・

さて、研修の業界や、コンサルティングの業界では、

  馬を水飲み場の連れて行くことはできても
  馬に水を飲ませることはできない。

という格言(?)があるそうです。

 君は『視野狭窄』に陥っているよ、と傍目から判断してあげたとしても、
本人には客観的な指標が無い、だから症状を自覚するにも至らない。
 その本人に、

  君は視野狭窄だから治療しなさい

と言ってみても、馬に水を飲ませようとするのと同じで、
「できないこと」なのだろうと思います。

 以上、自分のことを棚に上げたコメントで失礼しました。

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