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知財政策の決定プロセス

この話、一度したかも知れませんが、書きたくなったのでwink

今の会社での仕事の中に、社内の他部門、他社、さらには政府関係団体等との渉外という仕事があります。結構地味な仕事で、特段目立つわけでもなく、大抵は部門長であるとか知財担当役員の裏方としてプレゼン資料やら発表原稿やらを作ることがメインですが、そのプロセスの中で、知財政策がどのような過程を経て作成され、決定するかというのがおぼろげながらに見えてきました。

知財政策の場合、特許庁及び経産省がまず知的財産研究所などの外部研究団体に委託研究という形で政策課題に関する研究をしてもらいます。以前は知的財産研究所オンリーだったのですが、最近は一般入札をしていることもあるせいか、他の団体も時々やっているようです。これでまず1年。次に、産業構造審議会という経産省内の審議会に常設されている知的財産委員会の下部に小委員会を設置し、ここで有識者の意見等を統合し、報告書案を提出してパブリックコメントを求め、最終の報告書を完成する。これで1年くらい。そして法律改正作業に入って改正法案を国会に提出し、商工委員会、本会議での議論を経て採決。とまあ、結構時間のかかる作業です。

産業界としてこのプロセスに関与できる機会としては、上に書いた産構審の委員として参加するのが最も直接ですが、産業界の有識者の数は限られていますので、そんなにチャンスがあるわけではありません。産構審での議論や法律改正作業の途中で、経産省なり特許庁は産業界の各団体と緊密に意見交換をし、そのやり取りの中で軌道が微調整されることがあります。このプロセスが、産業界として知財政策に関与できる重要な機会となります。産業界の各団体として一番に挙げられるのが日本経団連でしょう。ここには知的財産委員会があり、定期的に開催される会合で経産省、特許庁との意見交換がされます。他に、業界毎の団体、例えば電機業界だと電子情報技術産業協会(JEITA)などがあり、それぞれ知的財産に関する委員会を持っているので、この委員会が特許庁等との情報交換を行います。他に、忘れてならないのが日本知的財産協会です。

あくまでも私見ですが、知財政策の決定プロセスは、業界団体との様々な折衝や法曹界の意見を参考にするなど非常に多岐に渡りかつ複雑なものですので、一見「?」と思う内容でも実は背景とする事情があるはずですし、法律改正作業の当事者でないとわからない部分があるようです。とは言え、政策決定プロセスはできるだけ透明である必要がありますし、利害関係者に対する説明責任は十分にあるわけです。そうは言っても、実際に一個人の政策ウォッチャーができる役割は実は微々たるもので、こういったプロセスの内情を知った上で発言なり行動をすることが求められているのだろうなぁ、と思ったりします。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

んまぁ、そうですねcoldsweats01

これもサラリーマンの悲哀というか、あと、なかなかお上に逆らうのは大変ですわ。民主主義というのは多数派が主権を握るので、少数派は大変です。

お疲れ様です。
・・・そして結局、○○の思う方向に動かされるのですよね~。

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