« 知的財産の学術研究にあれこれ思う | トップページ | ウォークマン30周年! »

管理会計と知的財産

平成20年の特許法改正の際に特許料等が引き下げられました。この背景として、管理会計的手法を導入することにより将来のコストの見積がきちんとできて、その結果、引き下げても問題なさそうなので引き下げました、という説明がされたような記憶がありました。なるほど、今までの特許庁の会計はそれだけどんぶり勘定だったのね、と変に感心してしまったものです。

で、今般、特許庁から「特許特別会計の管理会計手法導入に関する調査報告書」が発表されました。ざっと見てみると、なかなか面白いです。特許庁はご存じの通り特別会計ですから、結構厳密な収支が算出できるはずです。そして、費用の中で人件費が占める割合は相当でしょうから、このコスト算出の妥当性を検証することで将来的な費用見積もできるでしょうし、どの部署、あるいはどの作業工程の人件費が突出しているかを見ることで業務改善につなげることもできるでしょう。

さて、この考え方、大規模な特許事務所だと同様のことができそうです。こんなことを言うと、特許技術者の作業は一品製作に近いので工数分析なんかできるか、という反論が当然来るのですが、審査官の審査作業だって一品製作に近いのにもかかわらず管理会計的手法を導入しようとしているわけですから、あながち不可能だとは言えません。個人的には、特許技術者の作業を聖域化することこそ業務の効率化を阻害する大きな要因だと思っています。これは、企業の知財部門の技術担当者の作業でも同様で、標準化しろとは言いませんが、最低限の工数把握はしておかないと人事計画すら立てられないわけです。

特許事務所の費用にはどうしても不透明な要素がつきまといます。それは事務所側の言い値に近いことと、量産効果がどれだけ期待できるかわからないにもかかわらず企業側からの要求に従ってボリュームディスカウントをしてしまえる体質があることからも伺えます。している事務所もあると信じたいのですが、事務所のコスト体質がどのようであるのかを把握できていない事務所は多いのではないでしょうか。費用を透明化することで事務所経営の健全化が図れると共に、企業側からのコストダウン要求に対して明確な根拠を持って対応できることで企業とのパワーバランスを改善できる可能性があるので、やって損はないと思うのですが…。

« 知的財産の学術研究にあれこれ思う | トップページ | ウォークマン30周年! »

知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 知的財産の学術研究にあれこれ思う | トップページ | ウォークマン30周年! »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト
無料ブログはココログ