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音楽は何を与えてくれるのか

最近、体調不良で更新頻度ががくっと落ちています。ちょっと知財ネタも夏休みのせいか取り上げたい事項も少なく(著作権は日本版フェアユースがここ数日の話題ですが)、読書もちょっと分厚い本を読んでいるので書評めいたこともまだ書けずにいます。ぼちぼち書きますので、お許しを。ちなみに、最近pingが通らないでいるのでBLOGを更新してもパテントサロンの知財ブログの位置が上にあがりません。なので、パテントサロンのページを見る限りはずっと更新していないように見えていますが、このページをご覧になった方はおわかりのように、週2回程度は老骨に鞭打って更新しています(するようにしています)。

さて、本日はちょっと著作権に近いお話を。以前に、JASRACが徴収している著作権使用料の中で音楽配信にかかるものの伸びが大きいということをご紹介しましたが、この記事(すいません、該当記事は会員登録しないと見られません、トップページだけご紹介します)によると、日本レコード協会の統計を見たところ、音楽配信市場が今年になって頭打ちになっているとのこと。原因は、日本の音楽配信市場の相当の部分を占める携帯端末への音楽配信が、携帯端末自体の置き換え需要が頭打ちになっていることもあり、伸び悩んでいるためらしいです。確かに、日本では「着メロ」「着うた」(ちなみにどっちも登録商標)の需要が非常に大きいので、携帯端末そのものの売り上げが伸び悩むと、端末置き換えに伴うデータ再ダウンロードの需要がぐっと減ってしまうので、音楽配信市場も伸び悩んでしまうのですね。

もう一つ、上に書いた記事で紹介されていたのが、違法サイトの存在です。ユーザーの目線で見ると、同じようなデータが合法サイトでは値段が付いていて、違法サイトでは無料になっていたら、法律違反であることを知っていても(知らなかったらなおさら)違法サイトにアクセスしてデータのダウンロードをしてしまう誘惑があるでしょう。当然、児童・学生に対する著作権教育の必要性は言うまでもないのですが、ユーザー自体が音楽に対してそれ相応の金銭を支払ってまでも入手するほどの価値を見い出せないでいる可能性も否定できません。つまり、「音楽」自体に対する優先度が以前に比較して低下しているかもしれないのです。

iPodをはじめとした携帯音楽プレーヤーの売り上げの好調さや、街中でヘッドフォンを付けて歩いている人々の多さからは見えてきにくいのですが、音楽市場全体でいえば売上はこのところ単調減少傾向にあります。権利者側は違法サイトの存在を理由にすることが多いですが、もしかしたら多種多様な生活の楽しみ方が提供されている現在において、生活の中で占める音楽の重要性は以前より低下しているかもしれません。携帯電話や携帯ゲーム機でゲームをする、携帯電話でショッピングをする、などなど街中にいるときでも様々な楽しみが提供されています。家に帰ってもPCや携帯電話でメールをしたり、PCでネットサーフィン(この言葉も死語になっているかも)をしている時、音楽が必ず必要とは言えないでしょう。

「ウォークマン」が生まれた30年前、それより前は、音楽はリビングなり自分の部屋でないと聴くことができない存在でした。従って、音楽を能動的に聴くことが今よりもずっと求められていたのだろうと思います。「ウォークマン」の出現により、音楽を街中に持ち出すことができ、人々は音楽に触れることのできる時間を飛躍的に長くすることができました。しかし、そういった環境の中で、音楽を能動的に聴く姿勢は段々と後退していったのかもしれません。また、音楽産業も、大ヒットするよりはコンスタントにヒットするアーティストを育てるのではなく、一時的なヒットでもいいから大ヒットを出す傾向に進んでいるように思います。このところの音楽チャートを見ていて思うのは、チャートにランクインするアーティストが目まぐるしく変わり、しかも、同一のアーティストが長期にわたってヒットを続けることが数少なくなっているように見えます。音楽自体が消耗品に近くなっているようです。

今一度、音楽産業を含めて音楽に対する関わり方をじっくり考える必要があるように思います。音楽は自分に何を与えてくれるのか、そして、そのためにどんな音楽が必要なのか、育てるべきなのか。

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コメント

スキマスイッチつながりでこのBLOGを読んでいただいているとは…感謝です。ちなみに、私も妻もスキマスイッチが好きです(コンサートにはまだ行っていませんが)。息子はずっと車の中でスキマスイッチを聞いています。

若者(この表現を使うと私はちょっと年寄りじみているのかも)に今も音楽が寄り添っていることは非常にうれしいことです。きっと問題は、音楽「産業」がそれほど儲からない産業になっていることでしょう。これをどうやって解決するのか(元に戻すということが正解だとは思いませんが)が大問題だと思っています。これは非常に難しい問題です。

初めまして。お子さんが「スキマスイッチ」が好みだというところが、ブログを拝読するひとつの理由になっています。

私は知財の仕事とは何の関係もない人間なので間違ったことをコメントしましたらすみません。知人に知財をビジネスにしていた方がいたので、拝見するようになりました。

環境的に18歳から22歳くらいの若い人たちと毎日過ごしていますが、音楽は今もなお若い人の日常に非常に身近に存在しています。iPodは必需品です。時代は変わっても音楽が若者とは切っても切れない関係であると実感しています。

ただ、ファイルをコピーをしているのではないか、という疑いは濃いです。
また生活が多様化しているのと同様、音楽の傾向も多様化している。そのためにメガヒットが出にくい状況にある。これはもう変わらないのではないかと思います。
音楽産業がCDというパッケージ商品で成り立っていた頃、その付加価値は大きく、多くの収益が制作会社やプロダクションにも流れていました。その収益で新しいアーティストを育てていた。今はそのサイクルを維持することが困難になってきた・・・・と制作側の人に聞いたことがあります。

スキマスイッチは音楽性も高く、言葉の操作性も非常に面白いです。メガヒット出るといいのにと思います。

お体の具合が悪いようですが、ご無理をなさらないで睡眠や休養をとってくださいね。
くれぐれもおだいじになさってください。

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