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グリーがDeNAをゲームソフトの著作権侵害等で訴えたようです

あまり知財系BLOGで話題になっていないのが不思議なのですが(944がすごいショックだったのかなconfident)…グリーが、DeNA及びゲーム制作会社を相手取って、携帯電話機用釣りゲームの著作権侵害及び不正競争防止法違反を理由に提訴しました。

わたしの前にいた会社では、著作権判例百選に掲載されるような案件を2つも私の在籍中に扱っており(案件自体は私は間接的にタッチしました)、それ以外にも当事者間の交渉をしたこともあるので、ゲームソフトに関する著作権訴訟の理論構成の難しさは身をもって感じているところです。

弁理士試験等で著作権の有名判例に触れたことがあればお分かりの通り、ゲームは主に「映画の著作物」、「プログラムの著作物」の2面から捉えられます。プログラムの著作物の場合、ソースコードの同一性に立ち入らなければならず、ソースコードを模倣しない限りなかなか著作権侵害との判断がされませんが、映画の著作物の場合、画面やストーリーの同一性という、やや包括的な同一性で勝負することができ、プログラムの著作物としての著作権侵害を議論するよりは、より広い範囲での模倣品に対して対応することができます。とはいえ、著作物の同一性の範囲はそれほど広いわけではなく、アイデアを借用した程度では著作権侵害との議論をするのは大変困難です。そのため、画期的なゲームジャンルを創出できるほどのゲームについては、特許権を取得してこの特許権の活用を図る方が実効性があると言えます。事実、音ゲーの特許に関しては種々議論があるところかと思いますが、最終的にはそれなりの実効性があったのではないかと思っています。

今回の訴訟では、著作権侵害とともに不正競争防止法違反についても同時に対象としています。多分、不正競争防止法2条1項1号にいう商品等表示に該当するという論理構成だと思います。この論法は、ゲームソフトが著作物であるとの判断がされる以前に判例で認められていたものです。この場合、ゲームソフト画面のインターフェース等も対象となるため、間口が広そうに見えますが、不正競争防止法2条1項1号の商品等表示には周知性も要求されますから、立証側がその周知性を証明しなければなりません。これはかなり高いハードルです。

私は関係者ではないので(しかも同業者でもなくなってしまった)、この訴訟の背景にどのような事情があるのか全く分からないのですが、勝訴を勝ち取るには原告側には相当の努力が必要であるように思えます。その努力をしてまで何を求めたいのか、この点がかなり気になります。

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