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ゴーイングコンサーンって言ったって…

土日になると、ちょっとゆっくりでき、BLOGに何を書こうかな、という題材を考える余裕が出てきます。最近は平日はちょっとばたばたしていて…。

さて、最近、中沢孝夫さん(現在は福井県立大学経済学部の特任教授をされているそうです)という方が書かれた「中小企業新時代」という本を読み進めています。この本は、徹底した現場調査と各種調査機関が作成した報告書に基づく中小企業に関する実証研究を行い、今後の「日本の」中小企業が進むべき道について明らかにしようというものです。私は不覚にも知らなかったのですが、ベストセラーになったという話があります。なにせ、岩波新書という非常に格の高い本ですが、書かれた当初は著者はそれほど一般的に知られた経営学者ではなかったと思うので、岩波書店の担当者の慧眼に感服するところです。

書評は、読み終わったところでまとめてしたいと思っていますので、本日は、途中まで読み進めたところで面白いと思ったところだけを取り上げます。日本における中小企業の一大集積地である東京都大田区における中小企業経営者のアンケート調査によると、かなりの中小企業が昭和30年代にかなりの若さ(30代くらい)で起業しており、また、従業員が相当少ない(4人以下とか)中小企業がかなりの数を占め、そして、次世代への事業承継を積極的に考えていない(自分一代限りで十分ということ)ことが明らかになったそうです。

このBLOGでも何度か取り上げたように、経営学で言えば企業はゴーイングコンサーンが原則、と言われます。これは、企業が社会的存在であることから要請される(そもそも第三者からの出資を仰いでいれば、企業継続を放棄することは出資者の意思とは異なる)原則であるわけです。この、ゴーイングコンサーンを原則と考えると、中小企業であっても事業承継を積極的に考えるべき、という理屈になります。しかし、小規模経営に止まる企業にとって、ゴーイングコンサーンがどれだけ要請されるかと考えると、変な言い方かもしれませんが、市場からの退場が好ましい事業形態、経営状態であるならば、無理にゴーイングコンサーンを目指して頑張るよりも、一代限りの事業で十分と考える割り切りもありうべし、なのだろうと思います。これは正常な産業構造の新陳代謝だ、ということです。

前のBLOGにも書いたとおり、自分は父親の工場を承継しませんでした。事実、父親が経営していた規模の状態で私が工場を承継しても、将来の見通しはかなり暗かったでしょう。思い切った事業転換などが必要だったと思います。そして、事業転換で一息ついたとしても、産業自体が非常に急速に変化していますから、振り落とされないように努力するだけでものすごい苦労が必要だったと思います。ですから、ある意味割り切って旗を降ろしたのも正解だったようにも思います。父親の工場仲間の子供も、かなり事業承継せずに工場が一代限りになったところがあります。それは、事業規模等を考慮すれば無理からぬところがあったと理解しています。

このことばかりでなく、経営戦略本に記載されている事項を中小企業に応用しようとした場合、なかなか難しいことがあるようにおぼろげながら思っています。現実に正直に向かい合いながら、中小企業にあったコンサルティングを行う必要性とその難しさを考えると、かなり気合いを入れてやらないといけないといけないのだと思うのです。

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