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電気自動車はいつ普及するのか(その2)

以前、このBLOGで電気自動車の将来及び日本の自動車産業が引き続き電気自動車時代において勝者であり続けるのかという話をしました。その後も時々考えているのですが、未だに結論らしきものは見えてきません。そんな中で、電気自動車について業界事情をよく知っておられる方のコラムがありました。考えるべきポイントがちりばめられており、穏当かつ真っ当な議論だとの感想を持ちました。

電気自動車については冷静さを失ったナショナリズム的な議論に向かうのは好ましくないと思っています。例えば妹尾堅一郎教授は自著の「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」の冒頭で日本自動車産業に対して警鐘を鳴らしていますが、電気自動車自体が実は決して新しい技術ではなく、ずっと検討はされてきたもののネックとなっているのが電池技術であり、これは現時点でも完璧な解決がされたとはいえないこと、日本自動車産業の各社はかなり以前から排気ガスの清浄化の延長として脱内燃機関化を研究してきており、現在ハイブリッド車が脚光を浴びているように見えても、電気自動車であれ燃料電池自動車であれ他の選択肢も研究対象として外してはおらず、様々な選択肢を検討した上で熟慮の結果ハイブリッド車を選択しているであろうことを考えると、ハイブリッド車を単なる電気自動車への一時的つなぎ技術として考えてはいないと思われることを考慮すると、日本自動車産業は決して慢心しているわけではなく、重々承知の上で現在の技術戦略を決定し、実行していると思うのです。藤本隆宏教授は、自著の「能力構築競争」において、様々な条件を考慮した上で、21世紀の第1四半期はやはり現在の内燃機関自動車が主流であろうという判断をされています。

当然、前にも述べたように、現在の内燃機関自動車を前提とした日本自動車産業の隆盛に楔を打ち込もうとする陣営は、一足飛びに電気自動車の普及を狙い、その市場での覇権を競うことは火を見るよりも明らかです。市場のニーズを冷静に判断し、過剰品質にならないように合理的な解決策を提供することで、主導権を握ったまま来るべき電気自動車時代に対応する必要があると思います。

このあたり、私はうっかり見逃してしまったのですが、先週の日曜日から2回連続でNHKスペシャルで特集されるようです。明日は、一番気になる中国の新興企業及び米国のベンチャー企業の動きが放送されるようです。戦後の日本では、オートバイから始まり、4輪車製造に至るまで数多くの企業(かなりは町工場)が登場し、合併、消滅等を繰り返して現在の日本自動車産業に至るわけです。電気自動車でも同じ事が起こりつつあるのだと捉えることができます。インフラや電池(鉛電池を積んだ電気自動車もまだまだあるようです)の諸問題を抱えつつも、そういった問題があることが霞んでしまうほどの勢いが中国の新興企業や米国のベンチャー企業にはあるかもしれません。注視する必要があるでしょう。

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