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2009年11月

「第7回東京ベイエリア産学官連携・先端工学研究機構 技術経営研究センターシンポジウム」に参加しました

一昨日の金曜日、芝浦工業大学で開催された、「第7回東京ベイエリア産学官連携・先端工学研究機構 技術経営研究センターシンポジウム(チラシPDF)」に参加してきました。今回は、「太陽電池ビジネスにおける日本企業の戦略」と題して、太陽電池に関する企業の担当者、具体的には、素材メーカー、製造装置メーカー、パネルメーカー、そして、いわゆるナショプロとしてこれら企業側にfundingを行う団体として、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDOって言わないと通じないかもしれませんね)の担当者のパネルディスカッションがありました。

ご存じの方も多いと思いますが、太陽電池については数十年前から国家プロジェクトとして立ち上がり、長年かけて日本を代表する産業にまで成長することができました。大体数千億規模の市場だそうです。しかし、Feed-In Tariffと呼ばれる制度の後押しもあり、ここ数年、ドイツ及びスペインでの太陽電池装置の導入が急激に成長してあっという間に日本が抜き去られてしまいました。また、太陽電池装置の生産メーカーの世界シェアも、トップには既に日本企業がおらず、ドイツのメーカーや米国等の多国籍企業に抜かれてしまいました。今回のシンポジウムの問題意識としては、太陽電池産業がDRAMやDVDなど、日本が世界のトップを占めていながら、その後、東アジア諸国の猛追を受けて二度と栄光の地位に復活できなかった産業の二の舞になるのではないか、ということがありました。

当事者の意見としては、例えばNEDOの担当者の方が、現状を見ると日本企業も堅実に生産量を伸ばしており、ある意味堅調に成長していること、日本企業のお家芸は高品質(この場合は光電変換効率)にあり、高品質な製品が受け入れられる市場は確実にあるので今後もこの方針は崩さない、ということのようでした。

太陽電池装置に関する議論を難しくしているのが、太陽電池と一言に言ってもその種類は様々であり、ドミナントデザインだと言えるものがないことと、例えば砂漠での発電であれば少々低効率であっても低コストが優先されるが、屋根に載せるようなものであれば高効率なものが望まれるといった用途に応じて様々な選択肢がありうることがあります。考えられるシナリオとしては、既に確立された製造方法及び製造装置を用いて、いわゆるTurn-key Solutionにより人件費の安い国で大量生産をすることで極めて低コストなものを実現し、これが、高い光電変換効率をさほど要求しない用途向けに世界に出回ることで日本企業の地位が一気に低下することが考えられます。既にその入り口に入っているようにも思えます。そういった現状を見た上で、まだ高効率を追求するばかりの日本企業はグローバルな視点に欠けているようにも見えるわけです。一方で、薄膜型のように半透明な太陽電池を実現したり、さらには有機薄膜型、色素増感型のようにガラス基板を必要としない「柔らかい」太陽電池が実用化されたら太陽電池装置そのものの設置場所の制約が一気に取り払われる可能性もあり、将来性に期待できるところも大いにあります。

加えて、パネルディスカッションの話を聞くと、まだ製造工程での歩留まりなり品質のムラを改善している最中の種類の太陽電池もかなりあり、単純にTurn-key Solutionで簡単に製造できるものばかりとも言えないようです。一方、製造装置メーカーは当然Turn-key Solutionによる大量生産を期待していますから、コスト重視の製造装置と品質重視の製造装置の両睨みで進むしかないようです。

シンポジウムを聞いた限りでは、上に書いたような太陽電池装置のコモディティ化に対する明確な解答は得られませんでしたが、折角日本がここまで育ててきた産業ですから、どの企業も果実を存分に味わうことのできる状況になって欲しいと願います。パネルディスカッションの出席者の方から、「海外企業は専業メーカーですが日本企業は専業ではないので政策や景気といった変動要因に対して強いのです」という発言がありましたが、私としては、逆に専業メーカーであるからこそ大胆な投資と戦略が実現できるのであり、その結果として一時期的であるかもしれませんが、そういった専業メーカーが世界トップシェアを実現できたと思えます。DRAMにおけるSamsungの例を見ても専業メーカー(及びそれに近いメーカー)の強さはあなどってはいけないと思うのです。

「オープンセミナー~プロイノベーション時代に求められる人材像~」に参加しました

今週火曜日、知的財産人材育成推進協議会が主催する「オープンセミナー~プロイノベーション時代に求められる人材像~」に参加してきました。今回は第1回で、パネリストにIBMの上野部長及びNECの江村本部長をお招きし、プロイノベーション時代の各社の知財マネジメントと人材育成をお聞きする、というものです。自分は研修担当者であった時代もあったのですが、ちょっとしてクビになり、今は参考までに勉強している状態です。ちなみに、自分の会社の知財部門内の人事担当者もこのセミナーに出席しており、ちょっとびっくりしました。後で聞いたら、知財協の委員のツテで参加できたそうな。まぁ、その人事担当者とは結構情報交換していますので、何かあったら情報を伝えておくことにします。

全3回を通じてモデレータは「かの」妹尾先生で、知財人材育成というと妹尾先生ですから、会場は妹尾信者ばかり、セミナーの後に懇親会があったんですが、この場も妹尾信者だらけで、妹尾先生に批判的な立場を取っている(なぜかはそのうちお話しします)私としては、ちょっと不気味な感がありました。ただ、セミナーにはビジネスIPR時代の友人がいて久しぶりに旧交を温めたり、また、弁理士会の知財戦略コンサルタント委員会の委員(委員長まで)も何人もいてちょっと雑談したりでセミナー以外のところでも面白かったです。

私は、パネリストのお二人に、最近自分が関心を持っている2つの事項について質問をしました。まず、IBMの上野部長には、グローバルなIPマネージメントはどうしたらいいか、ということについてお聞きしました。つまり、開発拠点が世界中に分散しつつある現状において、どの国の発明をどの国で第1国出願し、第2国出願の出願国は誰がどのように決定するのか、また、会社全体の知財ポリシーをどのように全世界の知財担当者と共有するか、ということです。IBMの場合、7人のパテントポートフォリオマネージャーが世界中に分散しており、このパテントポートフォリオマネージャーが自身が担当する技術分野に属する発明について最終決定するそうです。それって大変だろうなぁと思い、懇親会で上野さん自身がかつてパテントポートフォリオマネージャーであったので、ご自身の苦労話をお聞きしようと思ったのですが、懇親会があまりに短時間だったので上野さんとお話しする時間も限られており、聞けずじまいでした。NECの江村本部長には、知財部門のキャリアパス、及び知財担当者の中からどの時点でマネジメント人材となるべき人材を選抜し、どのように教育するかについてお聞きしました。キャリアパスは複雑だそうですが、入口だけ考えると新卒採用と社内のエンジニアからの転身との2本だそうです。また、マネジメント人材の見極めは、日常業務の中でマネジメント業務を行うこともあるので、その中で適性を見極める、と言われていました。江村さんは懇親会の時も非常に人気があり、短い時間ゆえお話しすることができず、残念でした。

懇親会は、上にも書いたように上野さんとお話をした以外は、その場にいた旧友、知人との話や、始めてお目にかかる方とのお話で終わってしまいました。このところ活躍が著しい金沢工業大学の杉光教授(杉光さんは彼が合格した当初からの知人です)とも久しぶりにお会いし、お話をさせてもらいました。あと、弁理士会の筒井会長もいらっしゃいましたが、まぁ、私は弁理士会では影が薄いですからcoldsweats01特段お話もせずに終わりました。ipippi関連では大ネコさんにリアルで始めてお会いしました。普段コメントをしていることもあり、ネットの知人はリアルで初見でも初めましての感じがしないです。あと、特許庁の現役の審査官が何人もいらっしゃったのが面白かったです。きっと刺激になったのではないかと思います。

不思議だったのが、私の名札を見て「ブログ書いてませんか?」と言われたことです。このBLOGでは実名を公表していないのにcoldsweats02…しかも、過激なことばかり書いていることもばれているようです。穴があったら入りたい状態になりました。でも、もう後戻りできませんね。まぁ、人となりをご理解いただければ、私がいかに温厚な紳士であるかご理解いただけたものと思いますbleah

次回も懇親会があるそうなので、また楽しんできます。

未来の特許制度に向けて

今日ももう遅いので短めに。

日経新聞関連のサイトに、経済産業省産業組織課長の奈須野氏が政策大学院大学で講演した際の内容が記載されています(第1回目の記事はこちら、全5回です)。この講演、未来の特許制度に向けて野心的な提言がされています。詳細は記事を読んでいただきたいのですが、私が以前このBLOGで議論した内容(Soft-IP制度とか)も含まれています。で、この内容、知財関連の一部のBLOG(例えばこちら)では不評です。私の知り合いがtwitterでツィートしている範囲でも、あまり好意的に受け入れられていません。

この奈須野課長、以前は知財戦略推進事務局に勤められており、きちんとした知識も経験もあります。また、5回目に記載されているように、今回の提言は有識者委員会での議論を踏まえたもので、それなりに産業界、大学のニーズに基づいたものだと言えます(この委員の方が力説したからこの内容が入ったんだな、と推測できるものもありますが)。

多分、一番不評を買っているところは、特許権=独占排他権という金科玉条的概念をかなり修正しているところだろうと思います。確かに、特許法には特許権は独占排他権である(文言は違いますよ)と堂々と記載されています。しかし、独占排他権であるがために、例えば多数の特許権が複雑に絡み合う状況(特許の藪とか非共有地の悲劇とか言います)において、1つの特許権の侵害により製品全体の出荷に対して差止請求がされ、確かに侵害していれば実際に差し止められてしまう状況になっています。また、特許権者が実際に特許権に係る製品を製造していることが差止請求の要件にはなっていませんから、パテントトロールのように特許権を高額なロイヤリティ取得の手段としか思っていない団体が出現してもこれを法律上食い止める手段を持ち合わせていません。eBay判決は、こういった乱訴とも言える状況を少しでも改善する手段を提供しようとしたものです。また、米国特許法改正で検討されている事項として、Entire Market Ruleの適用を緩和することで、部品に係る特許により製品全体に対するロイヤリティ率が算出されることによるロイヤリティの高額化を防ぐ目的があります。こういった議論の延長線として、特許権は利用して始めて産業に寄与するのであるから、利用促進を目的として特許権の効力を制限する方向に進むべきではないか、知財推進計画的に言えばプロイノベーション時代の特許権は保護から利用へと大きく舵を切るべきではないか、ということです。

当然、このあたりの議論は、主にエレクトロニクス産業が直面している課題であり、医薬品業界、自動車業界では顕在化しておらず、しかも、医薬品業界にとっては、こういった議論そのものが特許権の効力の弱体化を招くとしてかなり嫌悪感を持って受け入れられています。産業全体、国家全体を牽引する先端的業界であってもこういった対立軸を持つ以上、簡単に議論が収束するとは思えません。また、大学をはじめとしたアカデミーや中小企業にとっては特許こそが依って立つべき標であり、特許権の効力の制限は受け入れる余地は少ないでしょう。

だからこそ、奈須野課長の提言は当然産業界全体の賛同を得ることは当初からないでしょうし、奈須野課長もそれを重々承知の上で、議論の端緒として提言をしたのだと言えます。従って、文言の詳細に拘泥し、一々議論をすることは将来あるべき特許制度を議論する態度としては好ましくないと言えます。大局的に立つことは難しいのですが、「木を見て森を見ない」議論をすることは避けるべきです。これから1~2年間をかけて議論することでしょう。ただ、特許庁の特許制度研究会の議論を特許庁HPから見ている限りは、全体的傾向はかなりconservativeなので、そんなに大規模な制度改革はなさそうにも思います。それはそれで、エレクトロニクス産業に身を置く自分としては困りもんなんですが。

日米欧三極知財シンポジウムに出かけてきました

昨日、「日米欧三極知財シンポジウム」にこっそり参加してきました。三極の特許庁長官、ユーザー三極のお偉方が出席する中で、若干肩の狭い思いをしましたが、それなりに有意義な内容だったと思います。

三極の特許庁長官がプレゼンした内容の中では、米国特許商標庁のKappos長官が、三極での特許分類の統一の必要性を強調していたことが印象的でした。一番統一性のなかったのはどこなんだ、という突っ込みはさておき、Kappos氏がかつてユーザーであった(ご存じのとおり、Kappos氏は長年IBMの知財担当者でした)頃に米国特許商標庁に対して感じていたことを、立場が一転して特許庁長官になったことで実現しようと考えているようにも思えました。また、今日の日経新聞で話題になった「日米欧、特許の国際出願審査早く 申請、自国で取得前可能に」の内容を日本特許庁長官の細野さんがちらっと説明したようにも見えたのですが、なにせ英語のプレゼンだったのとプレゼン資料も英語で細かい字で書いてあったので、あまり把握していません。確かにISRを云々という話はしていました。

大学(アカデミア)への期待のセッションでは、基調講演で京大総長の松本さんが同じことを主張されていたのですが、京都大学産学連携本部の井上さんが、ライセンス許諾条件をつけることを前提に、アカデミア発の発明に対してグレースピリオドを2年認め、また、この2年間の間に複数回の仮出願を認める制度を導入することを提唱していました。仮出願制度については既に特許庁、知財戦略推進本部も検討を始めていることだと思うので、いずれ何らかの具体策が出てくると思っていますが、仮出願制度については大学のみならず産業界にもそれなりのメリットがあることですから、アカデミア発の発明に限って仮出願制度を認めるとなると不公平感が出ることが予想されます。また、出願と発表との時間関係が前後するのは、大学内の評価制度、つまり、論文を何本書いたら学位を与えますとか、任期中に論文をこれだけ書かないと次の契約はありませんよといった評価制度に起因するようにも思うので、国家的制度をいじる前にまずは学内の制度に手をつけた方がいいように思っています。また、ライセンス許諾条件にしても、大学は現状国家の補助金をあまりあてにできないことを理由に産業界からの資金調達が求められているのですから、発明をあまり安売りできないこととのジレンマが出てくるように思います。いずれにしても提言レベルの話ですから、これ以上は立ち入らないことにします。

国際的な制度調和に向けての話では、EPO長官のブリムロー女史が、何かと槍玉にあげられるEPOの極めて限定的なグレースピリオド制度に対して、「今こそ変えるべき時期である(ハーモ全体への意気込みとしての言葉ですが)」と強い決意を述べておられたのが印象的でした。一方、三極ユーザーの立場からAIPLA事務局長のディッキンソン氏が「アメリカは随分譲歩した、今度は他国が譲歩する番だ、公開制度だって非公開部分はごくわずかである」とかなり強気な意見を述べておられました。う~ん、米国の国内ユーザーの声が一枚岩でない故の難しさだと思います。グレースピリオドについては日本も米国から改正要望の声(突き上げに近い)を受けており、個人的には仮出願制度の導入とともにグレースピリオドの延長及び要件緩和を図ってもいいと思うのですが、細野特許庁長官からは、まだユーザー側の声を集約しきっていないせいか、歯切れのいい回答は得られませんでした。ビジネスヨーロッパのロリンス氏からは、グレースピリオド延長による様々な懸念があることが紹介されており、確かに権利の不安定性等指摘されている事項は懸念されるものの、これもロリンス氏が指摘したように、これだけインターネット等が発達している現状において、グレースピリオドの見直しが必要であることは確かです。

今日、三極特許庁長官会合が開かれているはずで、その中でまた様々な話題が議論されていると思いますので、来週あたりに(結構発表が遅くなることがあるんですが)内容が公表されることを期待したいと思います。

特許ビジネス業界のこの頃

最近ぼんやりと気にしていることがあります。それは、一時期飛ぶ鳥を落とす勢いと思われていた特許ビジネス業界の元気のなさです。

ここで言う特許ビジネス業界とは、かなり広い意味を持たせています。つまり、PATOLISのような従来から綿々と活動を続けてきていた企業から始まり、特許コンサルティング、特許流通を手掛けている企業、さらには新しい手法で特許を分析して価値評価を行う企業、特許オークションや特許を起点とした新企業創出を行う企業まで含んでいます。特許は基本的に製造業の中から生まれますから、この製造業を除いた特許に関連する企業が特許ビジネス業界だとここでは考えます。

ここ数年、Intellectual Venturesであれパテントトロールであれ(この2つを並べて描くと関係者に怒られそうですが)特許をビジネス、特にファイナンスの対象として考える特許ビジネス業界と、特許の価値評価をデータベース上で実現した特許ビジネス業界と、オープンイノベーション(妹尾先生的にはオープンインベンションだそうですが)の延長としての特許流通、特許オークションを手掛ける特許ビジネス業界が脚光を浴びてきました。このビジネスが成立する背景として、投機的マネーが特許ビジネス業界にも流れてきたこと、そして、スクラップ&ビルドを繰り返す米国企業を中心に未使用特許が多数存在したことがあります。しかし、リーマンショック以降、投機的マネーは一時期的にシュリンクしてしまい、投機的マネーを含む投資マネーが特許ビジネス業界に流れ込む絶対額が低下するとともに、かなりの有力特許が買い漁られてしまうことで取引対象として有効な特許自体が数少なくなってしまったことで、マーケットの規模が縮小したように思えます。

製造業的立場からすると、特許は自分のビジネスを守るためのものであり、特許を一つの商品として考えてあぶく銭を取ろうとする特許ビジネス業界の衰退は胸のすく思いという意見もあろうかと思います。確かに、パテントトロールには合法的な活動とはいえ道義的には割り切れないところが多々あります。ただ、特許ビジネス業界全体を否定的な見方で見る考えは、イノベーションは製造業からしか生まれないといった、言葉は悪いですが前時代的な優越感につながるようにも思えます。既に、イノベーションの芽は製造業の中だけで生まれるのではなく、ベンチャーであれ大学であれ様々な場所で生まれようとしています(かなり期待を込めて)。そういったイノベーションの芽を製造業にスムースに導入することも重要です。また、製造業内で事業化を断念したイノベーションの芽についても、小規模なベンチャーであれば事業化が成功するかもしれません。これらの流れ(Chesbrough教授的にはこういった企業内外へのイノベーションの流通こそがオープンイノベーションであるわけです)を支えるビジネスとして特許ビジネス業界の存在はかなり意味のあることだと思います。特許評価にしても、潜在的ニーズはあります。その手法については様々な議論があるでしょうし、そういった意見を聞いてimproveすることが望まれるわけです。

単純に、特許バブル崩壊といった見方をするのではなく、特許ビジネス業界全体がまだ成長過程にあることを理解し、特許に携わる者がそれを正しい方向に成長するようにアドバイスする、という姿勢が必要なのではないか、と思うのです。

別館のBLOGを開きました

本日は簡単なご報告を。

このBLOGはそもそも知財の話題を書くつもりで開設したのですが、それ以外にも趣味の話や子供の話もしようと思っていて(実際に時々書いてもいますし)、その意味を込めて「徒然知財時々日記」という題名をつけました。そのうち、知財の話題や技術経営の話題が面白くなり、立て続けに記事を投稿しているうちに、それ以外の話題を書くのにためらうようになりました。直接コメントでいただいているわけではないものの、あまり一般の話題に対して検索をかけられておいでいただいているようにも見えませんし、記事の総数で知財や技術経営の話題が多いこともありますが、やはりパテントサロン経由、あるいはこのBLOGをブックマーク等されて直接おいでいただく確率が高いので、もしこういった方が知財や技術経営以外の話題をご覧になったときにがっかりするのでは、と思うのです。

一方で、ネタ切れとは言わないものの、知財や技術経営以外の話題も書きたい衝動に駆られるようになり、何となく欲求不満がたまっていましたので、それでは思い切って趣味などに特化した別館を開こうと思い立ち、開くことにしました。まだ、記事は全然たまっていないので、期待されておいでいただいてもまだがっかりされるかもしれません。更新頻度もあまり期待されないように。当然、趣味のBLOGですから、パテントサロンさんに登録をお願いすることもありません。細々とできればいいと思っていますので、気が向かれたときにおいでいただけるとうれしいですhappy01

知的財産制度の曲がり角

11月は何となく色々なシンポジウムがあります。当たり前ですが大半は平日の昼に開催され、業務との兼ね合いでどこまで出席できるか、これから業務の忙しさと相談です。本当は、知的資産経営に関するシンポジウムがたくさん(ご参考)あるので、これに行きたいのですが、自分の業務と直接的に関係するわけではない(私が目指す弁理士業務とは関係が大ありですが、それは今の業務とは関係ないsadので)こともあり、これは涙をのんでcrying参加を断念することになりそうです。それ以外に、知財制度に関するシンポジウムが2つ(これこれ)あるので、これは万難を排して行きたいな、と思っています。

特許庁の特許制度研究会を例に出すまでもなく、知財制度は世界的観点から見ても見直しの機運が高まってきています。このBLOGでも折にふれて話題にしてきたように、パテントトロールの問題、ソフトウェア特許の実効性(権利は取ったはいいけど訴訟して本当に勝てるのかということ)及びソフトウェア特許そのものの存在意義(一時期議論が収まったのですが、オープンソフトウェア運動の高まりとともにぶり返してきました)、製薬特許を中心とする南北問題(これに関して国境なき医師団がパテントプールを提言していましたね)などなど…問題は山積しています。日本では特許出願件数の漸減(今年は不況のせいで激減ですが)傾向にありますが、米国、そして中国では特許出願件数は格段の増加傾向にあり、これに伴い、米国では審査待ち期間が相当なものになってしまいました(中国が改善傾向にあるのが不思議)。何を改善すべきなのか、それを考えるだけでも大変な問題です。

しかも、制度というのは一定期間実施されるとある程度のイナーシャを持つので、変えると言っても相当なエネルギーが必要です。特許制度研究会の議論を特許庁のHPに公開されている範囲で見ていても、問題点として挙げられている点についても現状維持を唱える委員が少なからずいます。それは理由があって言っていることであり、現状維持=保守的思想と断言することはできませんが、では問題点についてどのように対処すべきかと考えるとあまり放置できないのも事実です。

ただ、制度というのは万人に納得できるものを作るのはたやすいことではないと推測します。in re Bilskiの最高裁での審理に際して意見書(Amicus Brief)を募集したところ、60件ほどの意見書が提出され、その趣旨は様々なものであったようです。ビジネスモデル方法特許の判断についてという限られた内容についてですらこれだけの意見があるのですから、特許制度全般に関する見直しを行おうとすると百家争鳴状態になることは目に見えています。しかも、国際的調和という縛りもかかります。それでも、やる時はやらなければいけないわけです。

現状、特許制度研究会は結論ありきという形での議論を進めるわけではないとのことで、拙速にならない議論になっているようですが、できたら大胆な議論をしてほしいと願っています。

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