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弁理士試験合格者に贈る

先週、出身大学の弁理士試験合格祝賀会に、迎える側として参加してきました。このところ用事があって毎年行ける状況になかったので、久しぶりの参加になりました。そのせいもあり、出席者の面子ががらっと変わっていて隔年の感がありました。確かに、もう合格してから20年ですからね。合格当時、現役で十二分に活躍されていた先輩弁理士も齢を重ね、白髪も多くなってしまいました。

今年は、合格者の出席人数も30人を超え、自己紹介も非常に短めでちょっと物足りない感じがありました。また、全ての合格者の方とお話をすることも叶わず、若干不満を感じたままで終わってしまいました。ただ、あんまり説教じみた話を先輩弁理士からずっと聞いているのも苦痛でしょうから、それはそれでよかったのかもしれません。余談ですが、私の出身特許事務所から2人も合格者が出席されていて(全体で4名合格されたそうです)、お互いに知らぬままに情報交換をして判明してびっくりしてしまいました。もう15年も前の話ですから、事務所の所員も総入れ替えしてますし、企業の担当者の方も総入れ替え状態ですから、共通の話題はそれほどありませんでしたが、私が退所してからの話を聞けて有意義でした。

祝辞でも、また、合格者の言葉でも出てきたのが、現在の知財業界の厳しさについてでした。確かに、自分の会社も「結果的に」出願依頼件数が減少してしまっている(予算策定時にそんなに厳しい数字を出してないんですがね)ので、特許事務所の方々には苦しい思いをさせてしまっているわけです。事実、リストラが敢行された特許事務所の噂も聞きます。しかし、一方で、このご時世でも継続的に人材募集をしている特許事務所もかなりありますので(合格祝賀会でお会いした先輩弁理士も「いい人いないかな」と言っていました)、業界毎、また、事務所毎で事情は随分違うという印象を受けています。もしかしたら、企業からの依頼案件が減少した事情は、不景気をいい口実に、特許出願件数をさらに厳選することかもしれませんし、特定の事務所に対する依頼案件が従前比で減少した場合も不景気をいい口実にしていたのかもしれません。この辺りは、個別事情を詳細に検討しないと本当のことはわからないと思います。知財業界が厳しいといっても、全ての特許事務所が等しく厳しいとはいえません。どこかが勝ち残るわけです。

また、合格者との歓談の中で、今後どのような方向性を模索すべきかという話が結構ありました。その時の私の回答は、

「弁理士に合格するまでは、合格という目標しかありませんから非常に狭い視野で知財を考えてきたと思います。弁理士に合格することで、一気に視野が開けてくると思います。これは自分の経験からも言えます。弁理士に合格したら、次は国際派を目指すのもよし、訴訟や鑑定に強い弁理士を目指すのもよし、また、特有の専門分野に強い弁理士を目指すのもよし、です。その際に、自分の強みを、自分のキャリアを棚卸することで明確にし、その強みをさらに伸ばすことで方向性を考えるといいと思います。当然、棚卸しても何もないこともあるでしょう。そうしたら、弁理士合格を機に強みを作ればいいです。できたら、ニッチな分野でいいですから、日本で10本の指に数えられるくらいの専門性を持つといいです。イメージとしては、明細書作成という弁理士の本業を中心に専門性を伸ばす、というものです」

でした。少し納得していただけた方もいたようなので、よかったかな、と思っています。

それから、合格者で思い出したことで、最近mixiに入って新人弁理士の方や弁理士受験生の方のプロフィールを拝見したところ、合格したら知的財産コンサルティングを目指したいという方が結構いました。上の私の発言と関連して、知的財産コンサルティングという業務は、私が考えるに、明細書作成に関連する弁理士の本業がしっかりしていて初めて成立するものだと思っています。知財コンサルをやるのに明細書も書け、ということではありません。何がいい権利か、そのためにどんな明細書が必要とされるのかという基本をおろそかにしては知財コンサルは成立しないということです。知財制度全般に関する正しい、しかも深い理解があって初めて意義のある知財コンサルが成立するのだと思っています。知財経営を後押しするとはいえ、経営に軸足を置いたコンサルであれば経営コンサルのほうが長けているでしょう。何を企業が望むかを考えるべきなのです。従って、弁理士試験合格から一足飛びに知財コンサルを目指すのではなく、まずは弁理士の本業たる業務をきちんとできることを優先してほしいと切に思うのです。

…と本日はちょっと説教じみた話になってしまいましたね。反省、反省。

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