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PATOLISの行方

この間民事再生手続きを申請したPATOLISが、無事民事再生計画が認められて再生への第1歩を歩み始めたという記事がありました。とりあえず、当面事業清算という道を選択することはなくなり、PATOLISが有する資産は散逸することなく、当事者の手による再生が始まったわけですが、前にも書いたように、PATOLISの前途は多難のように思います。

例えば、多分一番のライバルと思われるNRIサイバーパテントと比較すると、収録公報の範囲は大差ないように見えます。遡及公報(CD-ROM化された公報以前の紙広報)のところで若干PATOLISが勝っているようにも思えますが、そもそも遡及公報が先行技術調査でヒットするというのはかなり稀になってきています(分野によっても違うんですが)から、企業の知財部門及び技術部門がが一番利用する先行技術調査分野での優位性を訴えるにはちと力不足のようにも思います。当然、無効資料調査は慎重にも慎重を期しますので、遡及公報を含めて丹念に調査しますから、また話は別です。また、J-Globalが特許検索を安価で提供しており、研究者/技術開発者向けにはこれで十分とも言えますから、なぜPATOLISを選択するかというインセンティブに若干欠ける気がしています。加えて、特許情報システムを提供している大手ベンダー(例えば日立情報システムとか)も、ベンダーが自前で特許DBを保有し、SaaS的に提供するサービスをしていますし、ますます「PATOLISでなければ」というニーズは薄れてきているように思います。

PATOLISの数少ない(関係者の方がいらっしゃったら申し訳ありません)メリットとしては、数十年前から手作業で蓄積してきた(最近はかなり自動化しているようですが)PATOLIS抄録と呼ばれる公報の要約書誌事項と違う独自の抄録データと、過去から継続されてきた経過情報データと、簡単には覚えきれない(またすいません)検索メニューの豊富さだと思います。特許検索のプロにとっては、これらを駆使することでノイズをかなり除去した形でピンポイント的な検索ができるメリットがあります。とは言え、現代の流れである、とにかくデータは大量でもいいから解析ソフトで一気に処理し、徐々に絞り込んでゆくという流れからすると、人的な検索スキルを要求するPATOLISは徐々に時代遅れになりつつある感があります。

現在、PATOLISもインテクストラや創知のメニューの代理店的な業務をしていますが、ここは大胆にインテクストラや創知のシステムとPATOLISデータベースの合体を図り、他社に真似のできないサービスを提供する必要があると思います。玄人好みの特許データベースではなかなか将来像を描けません。大胆な行動が必要だと思います。

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