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「知財戦略コンサルティングシンポジウム2010」に参加してきました

今年も3月恒例の「知財戦略コンサルティングシンポジウム2010~中小企業における知財経営の定着に向けて~」に参加してまいりました。このシンポジウムももう3年目になり、完璧に皆勤賞で参加していて、それだけコンサルティング活動が好きだったら自分でやったら、という状態に突入していますが、ま、食い扶持と興味とは別次元ということでcoldsweats01

今回は、「知財経営の「定着」に焦点を当て、中小企業において事業貢献型の知財活動が継続するための課題を考えます」ということで、紹介された4社の事例のうち、最後の1例が正にこのテーマに合致したもので、昨年度の対象企業が再度エントリーして知財活動の定着を図ろう、というものでした。

残念ながら、午前中で切り上げようとした子供との遊びが思いの外長引き、会場に1時間以上遅刻するという体たらくで、楽しみにしていた的場さんの基調講演と最初の1事例を聞き逃してしまったのですが、他の3事例はたっぷり聞かせていただきました。今回、全ての事例に共通していたのが、経営と知財との関連について従来より深掘りしている点でした。つまり、経営コンサルティング活動+知財コンサルティング活動という観点でのコンサル活動を丁寧に実行されていました。従って、クライアント企業の従業員が自らの課題として経営課題+知財課題に気付き、これを如何に改善するかというレベルにまで達していた、ということです。

これは、知財コンサルティング活動を(徹底的に)行うのであれば、経営課題として知財の問題を捉える必要があると常日頃思っている私としては、ごく当たり前の問題なのですが、弁理士、中小企業診断士、技術士という士業が単独でカバーしうる範囲を大幅に超えている事項であるので、なかなか実現するのは難しい(時に士業は排他的な視点に立つことがあり、全てを一人で行おうとする傾向があるので)のです。しかし、今回の事例は、ようやく複数の士業からなるチームが単一の課題に向かって自らが持つ専門性を投入してそれを実現しており、チームの担当者は並大抵の努力ではなかっただろうと頭が下がる思いがしました。

また、今回のまとめ役である的場さんは、チームで何をしているかを個別に全て把握し、パネルディスカッションにおいて的確な情報提供及びまとめを行っておられました。的場さん本人に聞いたところ、かなり大変な作業(3ヶ月くらいかかったそうです)を行われたようで、今回のシンポジウムが私が感じるに非常に有意義に思えたのは的場さんのご努力が大きいな、と思いました。

最後の事例は、実は私が聞いている範囲では、これは知財コンサル活動ではなく業務改善活動そのものであると思えました。つまり、会社全体の経営活動の刷新作業の中に知財のfactorが比較的大きく取り上げられている、ということです。この事例のパネルディスカッションのまとめ役であった鮫島さん(長い知り合いなので先生をつけるのがこそばゆいのでこれで失礼します)も、当初はこの事例の全体像を理解するのが大変だったようです。まとめ役の大塚さんという中小企業診断士の方にお聞きしたところ、「確かに業務改善活動です、それでいいんですかということを事務局にも鮫島さんにも確認したんですが、『いいんです』ということだったんでやりました」と言われていました。私は、今の会社で知財部門の業務改善活動をやった経験があるので、なるほどこんなことをしたのね、という心当たりがあるのですが(QC活動でおなじみのフィッシュボーン図やパレート図も出ていましたが、QCで終わっているわけではないでしょう、多分シックスシグマ的な発想も盛り込んでいるはずです、VOCとか書いてありましたし)、業務改善活動に関する経験なり知識がないとこの事例のようなコンサルティング活動はできません。その意味でも傑出した事例なのですが、フォローすることは至難の業かもしれません。

と、今回はもはや事例的には知財コンサル活動ではなく経営コンサル活動と呼んだほうが事例を正確に表現しているように思えます。当然、全ての場合にこういった深掘りが必要とは言えませんから、一概には断ずることはできないのですが、上にも書いたように一人の士業が行える範囲をもはや超えているように思えます。この点は、これから知財コンサル活動を行うことを考えておられる方がいるならば、念頭に置いておいたほうがいいように思います。

さて、今回も、的場さん、鮫島さんを始めとして様々な方と久しぶりにお会いでき、あれやこれやとお話しすることができました。鮫島さんとは、特許庁・経産省(各地方経済産業局)が主催するプロジェクトの今後についてお話をさせていただきました。現在、プロジェクトは3期目(3年単位)で、3期目で終わりかと思っていたのだが、民主党が中小企業振興策を積極的に推進する方向にあるので、もしかしたらまだまだ続くかも、ただ、このプロジェクトが続いているのも、政府がそれなりの資金提供をしているからであって、実際にプロジェクトで育成された人材が自らの力で(つまりそれなりの対価を請求して)知財コンサル活動を行うというのは難しいだろう、ただ、日本各地に育成された人材が多数蓄積されることで、個々の人材がビジネスモデルを考えていただくのはいいのではないか、という話になりました。事業化という観点では、鮫島さんも難しいということは考えている(以前からずっとそんな話をしてたんですが)わけですが、もしかしたらシンポジウムを単に聴講しただけの方が、政府の肝入れで推進しているんだから事業性ありと誤解しているのであれば、注意された方がいいように思います。

あと、最近twitterであれこれと情報交換させていただいている方が会場に5~6人いらっしゃって、一部の方は顔と名前が一致していたのですが、何人かの方とは初対面で、ようやく顔と名前が一致する状態になりました。ただ、日頃からお話はさせていただいているわけで、初対面とは思えない(たいていネット関係の知人はそうなります)会話になりました。本日お会いした方、楽しかったですので、今後ともよろしくお願いいたします。ま、知財業界はものすごく狭いので、あの人の知り合いは他の人の知り合い、という感じでどんどん広がっていくんだろうと思います。

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