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このところの特許事務所業界を伝聞するに

本日も短めに。

弁理士業界が、国内特許出願の大幅減少に伴って一部事務所が経営的に厳しい状況になっている様子ですが、さて、この現象はどれだけの事務所に当てはまるのか、色々な事務所に聞いているわけではないのですが、厳しいところは厳しいと(当たり前か)言えそうです。

どういうことかと言うと、リーマンショック以降の世界不況の影響で国内特許出願件数を大幅に減少させているのは、いわゆる大企業が多いと思われ、この影響を受けて、大企業からの国内特許出願に基づく代理手数料を経営の中心に置いている特許事務所は、経営的に厳しい状況にあるように聞いています。当然、中小企業は大企業以上に一般的には経営が厳しいのだと思いますが、中小企業の国内特許出願件数が日本国特許庁への特許出願件数に占める割合はそれほど大きくなく(大体10%程度だと言われています←特許庁も正確な統計数字を持っていないようです)、従って、大企業の国内特許出願件数如何で日本国特許庁への特許出願件数が大きく変動し、これが弁理士業界全体に与える影響も大きくなるわけです。

とは言え、大企業からの受任件数の割合が大きい特許事務所が一律に経営が厳しくなったのかと言われると、実はそうでもなさそうです。このご時世に特許出願代理件数がまだまだ増加していると豪語している特許事務所はあまり聞きませんが、経営的に横這い状態にあると思われる特許事務所は存在するようです(あくまでも伝聞ですが)。何が秘訣なのか、そういった特許事務所の方に直接聞く機会がないので推測の域を出ませんが、多分、今まで言われていた個別の特許事務所の独自性がより問われることになり、何らかの形で差別化ができた特許事務所は世界不況による大打撃を大きく被ることがなかったのだろうと思われます。この辺り、企業がどの特許事務所を選定するかというのは企業毎に固有のポリシーを持っており、しかも、案件毎に担当者が特許事務所を選定する余地がある企業もあり得るでしょうから、「何が」を特定することは非常に困難な作業であり、従って、ごく一般的な言い方しかできずに申し訳ありません。

特許事務所の独自性については随分前から指摘されていた事項であり、当然、殆どの特許事務所は自身の独自性について個別に考察し、追求してきたところではあるのですが、それが見える形で発揮されているのか、また、企業のニーズとマッチしているのか、という観点で選別の対象になっていると思えます。例えば、これも随分前から話題になっていたこととして、当該特許事務所に所属する弁理士が1名しかいない(俗に「一人事務所」と言います)特許事務所の場合、当該弁理士に不測の事態が生じた際に案件を継続して対応していただけるのかという不安が生じ得ますので、一人事務所には案件を依頼する割合を徐々に減少するという対応を企業が取ることも考えられます。しかし、現時点でこの一人事務所は日本に存在する特許事務所の70%近く存在し、所属する弁理士の割合も30%程度いらっしゃいます(参考資料←PDFです)。弁理士資格を取得される方は独立志向が高く、しかも、ご自分の意思を明確に持たれていますから、一人事務所が多いのも納得の行くところなのですが、事務所の継続性という観点からすると難しいことも多々あるかと思います。当然、独立志向の高い弁理士が複数人集まって事務所を運営する難しさもありますので、一人事務所である理由も理解できる(そもそも、事務所設立当初から複数人の弁理士が集まっているケースは、どちらかというと少数派でしょうから←最近増えてきていますが)のですが、一人事務所からの脱却は時代的に求められているようにも思います。

…あ、もうこんな時間だ。まだ続きがありますので、そのうち書きます。

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