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特許事務所のHPってどうすればいい?

6月になって初めての書き込みです。しばらくこんな状態が続くかと思いますが、時々おいでになって見て下さい。書いている本人は放ったらかしにするつもりはなく、ただただ書く元気がないだけですのでcoldsweats01

さて、本日も短めに(と言いつつ長くなるのは良くない癖)。先日、私の知人で知財コンサル業の大先輩である弁理士先生が書いているBLOGに、特許事務所のHPは誰を対象にしたらいいのかというが掲載されていました。以前から私は、世の中にあまたある特許事務所のHPはほとんどどこも似たり寄ったりで、あまり訴えるところがないと思っていたので、少しこの点について掘り下げて考えてみることにしました。

特許事務所のHPは何のために開設しているのか、また、誰を対象としているのかという点が、このことを考えるのに適していると思うので分解してみます。

<何のために>
① 新規クライアント確保のために
② リクルート活動のために
③ 既存クライアントに対する情報提供

<対象は誰か>
a.新規案件を依頼しようとして検索をしている企業(含む、既に取引のある特許事務所はあるものの、新規分野案件依頼/取引事務所に不満のために事務所開拓をする企業)
b.事務所に入所を希望する人
c.既存クライアント

③とc.については、既に日常的チャンネルがありますから、実はHPで何かしらの形で情報提供をするよりも、事務所だよりといった既存の媒体を用いた方が能率的ですし、密度の高い情報提供をすることができます(one-to-oneマーケティングですからね)。
①とa.及び②とb.は1対1で対応しています。①×aに必要な情報としては、特許事務所の得意取扱分野及びその分野における実績(登録率がそのまま有意義な情報かどうか疑問はあるんですが、一応の情報としてはいいでしょう)、取扱案件に対する事務所の方針、ポリシーといったものだと思います。重要な観点として、新規クライアントが、その事務所に依頼することでどのようなメリットがあるか容易に理解できるのか、信頼に足る事務所としての印象を持てるかどうか、があると思います。実はこのあたりは、HPに掲載する範囲では抽象的にならざるを得ない(客観的な指標が明確でない)ので、ここが「似たり寄ったり」のHPになる原因だと思っています。講演会や論文発表の実績は一つの目安になりますので、ここを積極的にアピールしている事務所も見受けられます。当然、その実績と事務所としてのreputationとが一致するかどうかは、事務所の努力次第ですね。
②×bについては、求人情報がメインであることは当然ですが、事務所のポリシー、社是(所是?)、事務所経歴、所員へのインタビューなどが含まれます。ポリシーについては新規クライアントに対しても重要な情報ではあるんですが、あまり抽象的な内容を(例えば品質第一とか)新規クライアントに提示しても、やはり「似たり寄ったり」な内容になりがちですので、新規クライアントに対してはもう少しブレークダウンした情報を提供するのが好ましいと思います。
こう考えると、特許事務所のHPは大きく2本の柱があるので、これに沿ってコンテンツを整理すると見やすくなりそうですし、力点を置くべきところも明確になりますので、情報提供がし易くなりそうです。
あと、「所長からのメッセージ」というページが結構ありますが、通常の企業ではここのコンテンツはステークホルダー向けのメッセージになっています。では、特許事務所のステークホルダーって誰?と考えると迷路に入りそうですので、クライアントに対するメッセージと割り切って考えるべきかと思います(それが二次的にはリクルート対応になります)。
最後に、多分HPを検索して新規案件が舞い込んでくる確率は非常に低いと思います。入り口は設けるものの、営業活動は別途よく検討した方がいいと思います。ただ、他の特許事務所のHPと比較して、自分の特許事務所の差異化部分はどこなんだろうと検討する作業にもなると思いますし、更新が全然されていないHPは見る人にマイナス印象をもたらしますので、ルーチンワークとしてコンテンツを見直し、営業ツールとして磨いておく必要はあると思います。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

大石さん、こんにちは。

大石さんの事務所のHPは良くできていると思いますよ。ただ、確かに特許事務所は不特定多数を広く対象としませんから、HPでの営業はなかなか難しい面があると思います。

とは言え、大石さんの事務所のビジネスモデルは今までの特許事務所とちょっと違うと思うので、今の時点では宣伝あるのみだと思います。その意味ではHPも有力な媒体となると思います(そうなることを祈っています)。

面白く拝読させて頂きました。

実は、私も開業にあたりHPを研究しました。

確かに、HPで新規案件を頂ければ良いかな?
と考えておりました。それは石丸幸人弁護士が法務サービスの分野で成功されていたからです。

ただ、HPを立ち上げて感じるのは、特許事務所が扱うサービスというものは、ネットでは売れない(問い合わせがない)だろうということです(ただ、時代が来てないだけかも知れません)。

そもそも、ネットで売れるものは、知り合いに聞きにくいものや、店舗で購入するのが面倒なものが、主です。

過大な債務を負っている人等は、知り合いに聞くことができないので、ネットに情報を求めるのに対して、発明者や企業は、他人に話したい方向の情報であるため、ネットでなく、リアルで情報を収集することができるのです。

全く可能性がないとは、言えませんが、バラ色の将来がある訳でもないように思います。

私は、HPを更新するように頑張ります。

的場さん、こんにちは。

もしかしたら(あくまでも想像ですが)、特許事務所がHPを制作される際に、代理店(Webデザイナーさんとか)との間であまり話し合いをされないのか、あるいは、あまりにも似たサイト構造のHPばかりなので、特定の代理店さんに集中しているのかも、とか思っています。

本当に顧客が獲得できるかどうかはさておき、差別化手段の一つなんですからよく考えて制作されるといいのだと思います。

それと、ついこの間まで同業者間の表立った競争が顧客に弊害を与えるという観念でいた(広告禁止もそういった流れの上)ため、なかなか競争していいですよと言われてもその気にならないのかもしれませんね。

ネタに取り上げていただいてありがとうございました。

私のことが『知財コンサル業の大先輩である弁理士先生』と書かれてましたが、
不良社員@管理人さんと同年代で、弁理士登録でいえば後輩弁理士です(笑)。

特許事務所の業界は、広告が解禁されてから歴史が浅い(解禁前に許されていたのは、「求人広告」のみだったと記憶しています)。

管理人さんが分析されたようなことについての議論が組織内(特許事務所内)にて足りていないのかな、と思いました。

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