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ガイアの夜明け-膨張する中国ニセモノ-を視聴しました

本日はさらっと。

録画しておいた「ガイアの夜明け」-膨張する中国ニセモノ-をようやく視聴することができました。私は、前の会社では模倣品対策チームに参加していたわけではなく、また、前の前のゲーム会社では、特許権+意匠権侵害のゲーム機の調査のために韓国に乗り込んでいったことはありますが、それ以上の経験もなく、知識もごく一般的なものですので、突っ込んだ議論はあまりできません。とは言え、簡単に感想を。

紹介されている内容は、私としては特に目新しいことはなかったのですが、中国の模倣品・海賊版ビジネスの実情を広く紹介した意義はあると思っています。TVという公共メディアによって報道されることで、模倣品・海賊版ビジネスがどの程度の広がりを持っているのかという認識が国民に少しでも高まり(少し上から目線の言い方ですいません)、自らの生活を振り返ってもらえるといいと思うのです。

例えば、番組で紹介された、インターネットオークションサイトで模倣品を購入した人が、正規品販売会社のお客様相談室に苦情を言ったところ、模倣品だから対応できませんと返答された事例は、国内でしか買い物をしないので中国ニセモノは関係ありませんと思っている人にとっても模倣品・海賊版問題は他人事ではないことのいい事例になると思います。インターネットオークションサイトも当然のことながら模倣品・海賊版問題に対して対策を取っているようですが(詳細は当然教えてもらえませんので)、模倣品・海賊版の出品を撲滅するにまでは至っていないようです。また、模倣品・海賊版が出品されていたからと言って、そのインターネットオークションサイトがどこまでの責任を負うのかについても議論があると思います。

また、中国やガーナにおいて、貧困を模倣品・海賊版商品を購入する理由にする(貧乏人は正規品は高くて購入できないから模倣品・海賊版商品を購入するんだ、という)のは、実は回り回って自分の不利益になり得ることを考えると、長い目で見れば得策ではありません。例えば、食品の「ニセモノ」は往々にして低品質で健康に害を与えることもあります。薬品の「ニセモノ」は、かなりの確率で、目的の物質の含有率が低かったり、不純物(時には毒)が含有されていたりして、目的の薬効を得られないどころか健康に著しい害を与えることが多いです。家電製品や電気通信機器(携帯電話など)の場合、使用者の生命を脅かすような事態はあまりあり得ず、また、基本的性能については、例えば山寨機だと部品は正規品みたいなもんですから、通常の使用において問題は生じないとも言えるので、正規品製造/販売会社がBOPビジネスに対して有効な市場開拓を行っていなかった間隙を縫って安価な模倣品・海賊版商品が売れていることに対して正規品製造/販売会社が「模倣品」という視点だけで排除するのはなかなか難しいのですが。

では、一体世界中でどの程度の模倣品・海賊版商品ビジネスがあり、その影響はいかほどかということについて、国際商業会議所(International Chamber of Commerce)に付設されたBASCAP(Business Action to Stop Counterfeiting and Piracy)のHPには、OECDのレポートが次のように引用されています。

"The OECD has reported that “international trade in counterfeit and pirated products could be up to US$ 200 billion”. Taken together with the value of domestically produced and consumed counterfeits, the significant volume of digital and fake products being distributed via the Internet, and the loss of economic development, harm to heath & safety, reduced technology transfer, and innovation, the total magnitude of counterfeiting and piracy worldwide is well over US$ 600 billion."

模倣品・海賊版商品の貿易だけで200億ドル=1.6兆円という額になるのが大変な驚きですね。

模倣品・海賊版問題に関しては、いわゆる医薬品の南北問題や、発展途上国における雇用確保(それなりの労働市場は提供してしまっている)、模倣品・海賊版商品を所持する個人に対する刑事責任の可否、さらにはデジタルコンテンツのビジネスモデルの変化など、単純に善悪の問題や知的財産権侵害という観点だけで議論できないのですが、経済的損失は確実に起きているわけで、これをどのように解決するかが頭のひねりどころだと思います(とは言え、ここで解決策を詳細に議論できるほど私は専門家ではないので…)。

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