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近頃の合格者は…と言う前に

体力の限界に来ていることもあり、絶賛絶不調状態ですsad本も読めていないし、日常的にもほとんど実務のことと事務所のことばかり考えているので、BLOGに書けるようなネタもなかなか思いつかない状態です。とは言え、あまり長く空いてしまうと、twitterでしょうもないことを呟いているのを追っかけていただいている方ならともかく、音信不通状態と思われてしまうのもよろしくないので、つまらない話題でちょっとばかりお時間をば。

日本弁理士会の会長選挙が始まりました。今年は4人の候補者がおられるようです。すでにドクガクさんがご自身のBLOGで各候補者の方の選挙用HPをまとめておられるので、私はこちらを引用することにします。会長選挙について表立ってコメントをすることは、いずれかの候補者に肩入れすればそれは選挙活動なので御法度ですし、かと言って、全員の候補者に対して批判的な態度を取れば、それは無責任であるとの謗りを免れない(自分が候補者になれるんですから)とも思うので、直接的なコメントはここではしません。代わりに、気になる点を一つ。

何人かの候補者の方が、弁理士試験合格者の数的抑制を公約に掲げています。その前提として、大量合格者の存在が弁理士業界全体の質低下を招いているのではないかという現状認識があるように思います。では、質低下とは何であるかについて、当然のことながらどの候補者の方も定量的に議論できているわけではありません。そもそも質とは何であるか、それをどのように「客観的に」把握できるかについて明確な回答を持ちうるはずもありません。しかし、洩れ聞く話からすると、近年の合格者に対して実務能力の低下を憂う声は実際に聞きます。多分にそれは、「突出して」実務能力が劣る最近の合格者がいたという一例をもって全体を推し量る統計的な罠に陥っている気もするのですが…。

私が最近感じている最近の合格者の傾向とそれ以前の合格者の傾向との差は、単純に言えば企業勤務の合格者、しかも知財部門に所属しない企業勤務の合格者の増加です。これもきちんとした統計がないと思うので比較対照が難しいのですが…一つ言えることは、最終合格者の中で登録前研修を受講して弁理士登録される方の%は低下していると思っています。つまり、当面は知財部門、特許事務所といった知財関係の業務に従事する予定はないが、何かあった時に(例えば会社、部署のリストラなど)弁理士資格を役立てようという方が結構いらっしゃるのではないか。

私が合格した頃は、既に特許事務所で相当の実務経験を積まれてきた方、また、企業の知財部門で今後も知財業務に従事する方が合格者のほとんどを占めていたように思います。その頃は合格即登録という制度だったわけですが、合格すれば自分が手に入れた弁理士資格を十二分に活用すべく、実務を頑張るという雰囲気が満ちていた気がします。言葉はよくないかもしれませんが、「知財に生きる」心意気が殆どの合格者に備わっていたように思います。翻って、最近の合格者全員に会っているわけではないので、決めつけることはできないのですが、「知財に生きる」心意気を合格者の皆さんが持っていらっしゃるのかどうか。

何を問うているのかというと、明細書作成能力といった特許事務所で必要とされる実務能力であれ、発明者対応から始まる企業知財部門で必要とされる実務能力であれ、一人前と呼ばれるまでにはかなりの時間がかかり、習得するにはそれ相応の努力が必要であると共に、実務能力の向上に終わりはなく、結局のところ、スタートを相当早い時期からしないと、遅れて始めた場合にその遅れを取り戻すのは容易ではない、ということです。定年後に始めようとしても容易ではないです。私が特許事務所業界に50歳目前で戻ったのも、この時期を逃すともう明細書作成業務には戻れないという一種の危機感があったからです。

幸いに、私の今の周囲には「知財に生きる」心意気を十分持っている人たちばかりです。その心意気を持っている人たちこそが、知財業界をどんどんいい方向に進めていけるのだと思っています。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

的場さん、こんにちはhappy01先日は、お呼びいただきありがとうございました。

◎失業手当
一種の都市伝説的なものですが、確かに、弁理士会に所属することが義務づけられ、しかも、「無職」ということを前提としていない手続なので、失業手当の受給は難しそうです。

◎米粒の例え
この例えは、よく、いわゆる付記弁理士資格について言われます。多分に、付記資格は取らないと気になるけど、取っても飯の種にはならないでしょうbleah

体調は、そのうち回復するかと思いますので、暫くおとなしくしていようと思っています。8月以降、ちと飲み会が連続していたので。

不良社員さん、こんにちは。 的場です。
体調には、気を付けて下さいね。
身体が資本、って本当ですから。

さて、「資格」について2つほど。

◎ 私が特許事務所を辞める際に知ったのですが、
 弁理士登録をしていると、失業手当が貰えない!
 これは、弁理士登録しているなら「失業」に該当しない、ということのようです。
 現在も同じなのか、また、
 他の国家資格がどうなのかは、調べていませんが。

◎ 別の国家資格を持った方に聞いたお話。
 資格とは、足の裏の飯粒である。そのココロは、?
 取っても食えない。が、取らねば気になる。

どうも失礼しました。

市丸風呂屋さん、こんにちはhappy01

以前は、企業エンジニア→弁理士試験合格→企業知財部門→特許事務所、あるいは、企業エンジニア→特許事務所→弁理士試験合格という図式が多かったのですが、いつしか企業エンジニア→弁理士試験合格→特許事務所といったルートも多くなっているように思っています。エンジニアという職業がそれだけ厳しいんだろうなぁ、と端から見ていて思うわけですが。

問題は、実務経験がない状態の弁理士試験合格者(あるいは登録者)が、特許事務所という職場をどう思っているかのように思います。企業知財部門は元々教育プログラムをきちんと持っているところが多いし、知財協という優れた研修機関を持っているので、大した問題にはなりません。一方、実務経験がない弁理士試験合格者や弁理士登録者をどのように教育するかという点に関して、個々の特許事務所ができることは大きくありません。弁理士会も、最低限のところまでは登録前研修により担保しますが、以降の研鑽は個々の弁理士に任せざるを得ません。実務で一人前になるには何が必要なのか、この辺りの認識なんでしょうね。時に「合格したらこれからは英語力だ」「知財経営のためには経営学だ」と思いがちなんですが、それ以前に権利形成業務を一人だけでこなせる実務能力が必要なんですが、このあたりどう思っていられるか、ですね。

いつの時代からか、「資格があれば飯を食える。」という幻想が蔓延しましたよね。

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