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日米の特許出願件数の簡単な検討

本日は短めで(いつも嘘付いてますが、本日は本当bleah)。

米国特許出願件数はここ10年ほどの間、ほぼ単調増加傾向にある一方、日本特許出願件数は最近下降傾向にあることは、時々このBLOGでも話題にしています。ちと遅くなりましたが、WIPOで毎年作成している統計データが公開されましたので、この統計データを使って少し検討をしてみたいと思います。

次のグラフは、ここ数十年間の日本と米国の特許出願/登録件数のグラフです。上に書いた定性的な議論が定量的な形で表れています。

Us_japan

さて、この傾向の背景に何があるのか、ちと気になって、日本/米国における国内/海外出願人の出願件数をグラフ化しました。何故そのようなグラフを作る気になったのかというと、米国における特許出願件数の伸びは、米国の市場の重要性、さらには米国における特許の権利活用のしやすさ(特に訴訟における被告側のdiscoveryの負担、比較的原告寄りの判断など)を考慮して、海外出願人が多数米国特許出願をしているのではないか、との推測があったからです。

そして、そのグラフです。まとめきれずに4枚になってしまって申し訳ないです。

Us_application

Us_granted

Japan_application

Japan_granted

結論から言うと、米国特許出願において、国内/海外出願人の比率は大して変わっていません。つまり、海外出願人が旺盛に出願活動をする一方で、国内代理人もそれに見合う形で旺盛に出願活動をしている、ということです。一方、日本においては、海外出願人の出願件数は増加傾向にあるにもかかわらず、国内出願人の出願件数はかなり減少しており、これが全体の出願件数の減少に寄与していることがわかります。

もしかしたら、日本の国内出願人は、日本国内に特許出願する件数を厳選する傾向に更に進んだとも言えます。その背後に、日本国内に特許出願する意義や魅力が減退したと日本の国内出願人が考えているのだとしたら(あくまで憶測の域を出ませんが)、これは由々しき問題です。

これ以上の検討は、例えばIPCのグループ毎の出願件数の傾向などを見て、産業毎の出願件数の傾向から細かい分析をしないとわからない(特許庁の資料に大まかなものが掲載されているのを見たことがあるのですが、どこにあるのかわかりません、ごめんなさいconfident)ので、とりあえず本日はここまでにします。

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知的財産/特許」カテゴリの記事

コメント

不良社員@管理人さま
お返事ありがとうございます。
参考になります。(*≧m≦*)
確かにマンパワー不足は思うところです。
金銭的な支援は未だ少ないですね。
中小企業さんの「やる気」を伸ばせるように努力したいところです。
また、お邪魔します。
ありがとうございました。

こんにちは。また難しいお題をいただきましたね。

私は中小企業(特許事務所としては中小企業ですが、製造業ではないという意味で)に所属していませんので、業務で若干お付き合いのある企業に限ったお話しをさせていただきます。

2011年度の知的財産計画に海外知財支援が盛り込まれ、特許庁や知財協会もこれに大きく関与している中で、中小企業や大学TLOも、以前に増して海外への特許出願を展開する意欲が一部で盛り上がっている印象があります。とは言え、元々特許出願件数が少ない中小企業で、海外への事業展開まで考えて海外へ特許出願をすることは、確率からしてもかなり少ないように思っています。

ちと誤解を恐れずに大胆なことを言えば、海外への事業展開を考えるくらいの中小企業であれば、知財支援がなくとも特許出願をする可能性は高いですから、どこまで知財支援を行うかについて悩むところではあります。しかし一方で、あと少しで権利化ができる段階まで辿り着きながら、もう少し支援があれば権利化ができるのに支援が足らずに断念する、というケースもあります。

こう考えると、金銭的な側面は非常に大きいので、権利化まで安心して出願活動をできる(出願報奨金的な支援ではなく)息の長い支援が必要であるように思います。

あと一つ、中小企業の事業展開に当たっては、様々な障害なり解決すべき問題が出現します。一定規模以上の企業、あるいは経験の長い企業であれば自前での解決能力があるのですが、中小企業の仕事をさせていただいていると、マンパワー不足等により企業内では解決しきれない問題が山積していることがわかってきます。従って、支援する側が、あらゆる問題に解決できる能力(全て自分でする必要はありません、適宜他の専門家の知恵を結集すればいいのです)を身につける必要があると思います。しかも、それは最新かつ先進的な能力です。企業を取り巻く環境は、大企業のみならず中小企業も大幅に変化しており、大企業から先に様々な問題が出現する、ということは少なくなってきています。なので、かつて経験した知識に基づいて対応しきれるかというと、段々と難しくなってきています。模倣品問題などは非常にいい例です。

ちとまとまりませんが、こんなところでご勘弁を。

拝見しました。
現在知財支援をしています。
海外出願支援は来年度、経済産業省が力を入れたいと思っているようです。
支援する側として不謹慎かも知れませんが、海外出願したい人(企業)にカネ(金・つて)は無し。の状況に有るように感じています。
中小企業にとって、一番支援して欲しい【知財】ってなんでしょう。もちろん事業分野について違うのでしょうけど、何か思うところ有りましたらご意見を伺いたく思います。

30代(2人の子供を育てながら旦那が単身赴任でバタバタしている)主婦より。

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