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技術分野別の出願公開件数に見る企業の出願傾向

2012年最初の記事です。相変わらず雑用をこなす日々で、気付くと夜も遅くなっていることが多いためにBLOGを放置せざるを得ず、申し訳ありません。こんな状態ですが、ご覧いただいている方々には、今年もよろしくお願いいたします。

さて、まずは簡単なご連絡を。事情により勤務していた特許事務所を昨年末で退職し、本年早々から自宅開業することに相成りました。50歳を迎え、定年までの10年間をどのように過ごすかについて一度落ち着いて考え、次なる活動をするための準備期間としたいと考えています。とは言え、研修やら何やらで週の半分は外出している状態です。ずっと自宅開業を続けるかどうかは未定です。次の動きがあったら、またご報告します。

さて、昨年から性懲りもなく続けている、ここ数年の日本の特許出願件数の激減の理由を探るシリーズ、本日は技術分野別の統計数字から見てみました。WIPOは技術分野別の出願件数の統計数字を公開しています(ページはこちら)。この技術分野は、前回ご紹介したIPCのグループとは若干異なる観点から決められたようで、IPCをベースに集計されたものですが、複数のグループにまたがるものもいくつかあります。この記事に、日本国特許庁が発行した特許行政年次報告書に添付されている技術分野の凡例を添付しておきます。

「2-24-bunyabetu.pdf」をダウンロード

さて、まずは各技術分野(大分類)毎の2000年~2009年の出願公開件数をグラフ化したものをお見せします。残念ながらというか、前回のIPCセクション単位のデータからある程度推測できたことなのですが、各技術分類の増減傾向はほとんど同じに見えます。これは、各技術分類の全体に対する割合を表示した次のグラフからも裏付けられます。

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そこで、一定の仮説、すなわち、日本の特許出願件数の減少が電機産業及び自動車産業において顕著ではないかとの仮定の下に、電気工学及び機械工学に属する技術分類(小分類)毎の毎の2000年~2009年の出願公開件数をグラフ化したものを作成しました。

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面白いことに、電気工学では音響・映像技術に関する出願公開件数がここ1~2年漸減傾向にあるものの、台湾・韓国勢の擡頭が目覚ましい(と言っても随分前からですが)半導体に関する出願公開件数は増加傾向にあり、また、コンピュータテクノロジーについても減少傾向は見られない、という、日本の電機産業の現状(売上面での)と出願公開件数との間にあまり相関がなさそうな結果が出ました。機械工学では、自動車産業に直接的に関連性のあると思われるエンジン、ポンプ、タービンと運輸(ここに車体などが入ると思われます)との双方の技術分野において、出願公開件数は漸増傾向にあります。とは言え、近年の自動車産業においては、エンジンや車体以外にもカーナビ、ハイブリッドを含む電気自動車(この中は燃料電池や二次電池に関する出願が含まれます)などの、伝統的な内燃機関自動車に関する出願には含まれない技術分野に関する出願の割合が多いと思われますので、機械工学の出願公開件数だけを見ていたのでは自動車産業の出願傾向を全て把握したとは言えません。

こんなことで、未だに日本の特許出願件数の激減の理由を掴めずにいます。情けない限りです。この後は、各産業に属する企業の中で出願件数が上位に位置する企業の出願件数の増減傾向を見ることで、また違った観点から検討してみたいと思っています。データは、特許庁が公開している特許行政年次報告書の統計数字にありますので。

追伸:WIPOデータは、日本以外にも主要国について同様のものを公開しています。今回は記事の趣旨から離れるのでグラフ化していませんが、主要国(例えば米国、中国)の技術分野別の出願公開件数の増減傾向は大変興味深いものがあります。そのうちおまけで記事を書くかもしれません。

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