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MOT社会人大学院教授の最終講義に参加してきました

本日はエイプリルフールですが、この記事はエイプリルフールではないので、悪しからずbleah

ちと仕事が立て込んでいてBLOGを書く時間を捻出するのが大変なのですが、時間が経つとBLOGネタをどんどん忘れていくので、備忘録的にあまり内容がまとまっていない状態でも書くことにします。

昨日は、自分の出身MOT社会人大学院で、この3月に退任される教授の最終講義及び懇親会がありましたので、参加してきました。この教授、MOT社会人大学院の発足当初は非常勤教授だった(企業を退職したばかりで顧問職がお忙しかった様子です)のですが、その後、論文博士学位を取得され、常勤教授になられて、最終的にMOT社会人大学院に9年奉職されました。MOT社会人大学院1期生の私も、当然ながらこの先生の授業を受講し、教授の出身企業の見学会まで押しかけて参加させていただきました。

教授が授業を持たれていた科目は、企業における新事業展開に関するやり方や、デザインとMOTの融合といったものでした。この教授は、世界的に有名な衛生陶器メーカーの専務取締役まで務められた方で、出身企業における事例、特に、温水便器、光触媒といった世界的に有名な事例を中心に教えていただきました。温水便器がどのように開発されたかについては「プロジェクトX」をご覧になった方はご存じかと思いますが、当初はアメリカのアイデアであった温水便器を日本初のイノベーションにまで磨き上げたわけです。ここ数年は、営業部門等からのリクエストに応じてタンクレス温水便器を作り上げ、また、便器だけではなくシステムキッチンならぬシステム洗面所という商品展開をして施工まで行うビジネスをしているそうです。

タンクレス温水便器やシステム洗面所では、このところ知財で注目されているデザインという側面からの話を強調されていました。この教授が提唱している概念として、コンカレントエンジニアリングならぬコンカレントデザインというものがあるようです。つまり、3DのCGによるモデリングを共通言語として、商品企画から製造までこのモデリングを見ながら作業をコンカレントに行う、というものです。この手のコンセプトは、ご存じの方も多いと思いますが、自動車産業、特に自動車メーカーがかなり先行している印象を私は持っています。教授もこの点に言及されていました。

また、光触媒については、衛生陶器メーカーは当初産学協同の一環として大学から基礎技術を導入し、その後、大学の研究室と衛生陶器メーカとの共同研究という形で(衛生陶器メーカーから人員を派遣したわけですが、お一方ほどミイラ取りがミイラになったようです)研究を進め、そして、新しい用途を発見した後は広くライセンスアウトを宣言し、ビジネス展開を大きく図ったわけです。これをオープンイノベーションという概念で考えれば、この衛生陶器メーカーはオープンイノベーションを技術導入と技術提供という両方向で実現したと言えます。

過去の事例が現在のMOTにそのまま役に立つわけではないことを我々は思い知ったわけなのですが、とは言え、将来に向けての羅針盤としては非常に貴重な知識を得ることができたのだと思っています。ちなみに、「過去の事例が」云々というのは、例えば液晶パネルに関して、関西の某S社は電卓への適用から始まって技術を着々と蓄積し、TVへの展開はまだ無理だと思っていた時期にブラウン管との決別を高らかと宣言し、そして、台湾・韓国メーカーの追い上げに関しては、ノウハウの流出を極力抑制できる大工場を建築して大画面パネルの大量供給体制を確保したわけです。三重県に建築された大工場が竣工するのが、ちょうど私たち1期生がMOT社会人大学院に入学した頃に重なっています。その当時は、某S社は成功事例として捉えられていたわけです。しかし、今年になって、鴻海が筆頭株主となり、大阪府に建築された大工場の運営会社の株式の大半も鴻海が所有するようになり、世の中は手のひらを返すように某S社を批判するわけです。数人の方が、「S社は台湾メーカーに買収された」とおっしゃっていたのにはちと閉口しましたが。

その後の懇親会も、教授の人柄と熱意が表れた、大変楽しいものになりました。人生天晴れと言うべきでしょうか。ちと憧れてしまいました。

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企業経営・技術経営」カテゴリの記事

コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

こんにちは、ご無沙汰しています。

某S社の件は、逆に知財だけでは参入障壁を築くのが難しかったのかもしれません。そもそも、台湾・韓国メーカーがどうやってTFTパネルを製造できるようになったのか、未だに自分の頭の中で整理し切れていません。
ただ、液晶パネルだけで儲ける企業構造はある意味で一本足打法ですから、これからは様々なコンポーネンツを組み合わせでの模索になるんだろうと思っています。その辺りの議論はそのうちしたいと思っています。

ご無沙汰しております。品川駅の近くでランチをご一緒した弁理士です。

MOTの恩師の方の出身企業は、西にある企業ですね。あの企業は知財にも力を入れられているようですね。

S社の話、知財に関わる者として、正直「なぜ知財権で十分な参入障壁を築けなかったのか?」と疑問に思います。
かなりの出願をされているようなのですが・・・。
専門外なので、安易に批判するべきではないと分かっていますが・・・。
正直、ショックでしたし、残念です。

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