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2013年7月

独り立ちした後のアソシエイト

まず、「生きています」coldsweats01

仕事で全般的に忙殺されている関係で、なかなかBLOGの更新ができずにすいませんm(_ _)m。そこそこネタはありますので、できるだけ継続的に更新していこうと思っています。

と言うわけで、ある意味で生存証明的な記事で、そんなに大ネタではありませんが、ふと思ったことについてまとめてみます。

複数の弁理士で構成される特許事務所の場合、全ての弁理士が同じ経験値を持ち、仕事のやり方について均質化されていることは非常に稀です。逆に、均質化されていないことがメリットになることもあると思います。全ての弁理士が十分に訓練されたスキルを有する場合、一方が他方を指導する立場にないこともあるのですが、かなりの事務所で導入されているパートナー制を採用する事務所であると、アソシエイトの行う仕事はパートナーがチェックしてからクライアントに提供することが多いと思っています。

では、パートナーはアソシエイトの仕事の全てについて手取り足取り指導しているのかというと、アソシエイトの力量にもよると思いますが、自分が見聞きしている、あるいは経験している数字で考えると、未経験者で入所してから数年でアソシエイトは一応の独り立ちをし、以降はパートナーはアソシエイトの業務の要点をチェックするだけになります。この「数年」も事務所により色々ですが、一応のメドとして、自分が作成した明細書について中間処理をして特許査定又は拒絶査定を受けることをある程度繰り返し、一通りの手続について経験値を積むまでの期間が好ましいと思っています。なお、最初から明細書作成をせずに、未経験者で入所した当初は中間処理でスキルを積む特許事務所もありますので、この場合の「数年」をカウントする順序は微妙に違うでしょう。

さて、アソシエイトが一応の独り立ちをした後、明細書作成や中間処理対応業務のスキルを研鑽する場合、担当パートナーは手取り足取りで指導してもらえるとは限りませんので、ある程度の独力で、あるいは事務所内での勉強会を通じてスキルの研鑽を図ることになると思います。ただ、多くの特許事務所でのスキル研鑽のための勉強会は、判例研究会というスタイルを取っているようです。判例研究会も非常に大切な勉強会ですが、判例研究会で得られる知識「だけ」でスキルの研鑽を十分に図るのは難しいと私は思っています。つまり、判例研究会は、最近の裁判所の傾向をみて権利形成の方法論を検討する場ですが、判例から得られる知識だけでは権利形成の方法論の全てを網羅することは難しいです。

アソシエイトからパートナーへと至る成長の過程を、事務所側がシステムとして担保するのか、パートナーの指導能力に期待するのか、あるいはアソシエイトの自助努力に大きく委ねてしまうのか、これについても事務所毎に区々であることは重々承知していますが、現時点では、事務所側が人材育成をシステム的に行うのは、アソシエイトが独り立ちするまでであることが多いと認識しています。この点、企業であると管理職に至るまでのキャリアパス形成、さらには管理職になった以降の研修についてもシステム化されていることが多いです。

自分の経験からすると、アソシエイトの立場で独り立ちした以降のほうが勉強すべきことが多く、その分、大変だったという記憶があります。こう考えると、弁理士が独り立ちした以降の成長過程をどのようにフォローするかについて、アソシエイトの自助努力のみに委ねることなく、個々の事務所が一定の方針なりシステムを構築して担保する必要があるのではないかと思っています。

時に、事務所を管理する立場に立つと、クライアントの評価により事務所所員のスキルを認定することが多いように思っています。しかし、評価する側とされる側の両方を経験した自分の経験からすると、クライアントは様々な手法を用いて定期的に事務所そのもの、さらには事務所担当者を評価していますが、その評価軸は、個々のクライアントによってかなり違っています。これは、クライアント毎に知財ポリシーが異なり、さらには知財戦略(権利形成戦略)が異なっている以上、当然のことと言えます。クライアントから高い評価をいただけるように事務所内で管理することは管理手法としてある意味最低限のことだと思いますが、加えて言えば、どのクライアントからも高い評価をいただける、という観点での管理を行う必要があるのではないかと考えています。このような、ある意味普遍的な評価を事務所として追求する仕組みを持つべきです。この仕組みは、事務所側のメリットだけではなく、所員のメリットにもなります。別に転職を前提とした話ではなく、特定のクライアントの仕事ばかりを長年担当するとも限りませんから、所内で重要な人材として認識されるためにも、普遍的な能力を身につけることは重要だと思います。

とは言え、具体的にどのようなシステムを構築するか、システム化まではいかなくても、アソシエイトに対する個別の指導手順をどうするかについては、今度はなかなか普遍的なことが言えずにいます。パートナーも自分が担当している仕事をかなり抱えていることが多いですから、「指導が必要です」というお題目を理解されているパートナーが大半であるとは信じていますが、では、限られた時間の中で、自分の仕事を定常的に行い、さらに、アソシエイトに対する指導を十分に行うかという命題を高次元で達成するのは容易ではないと思います。

こんなわけで、何となくの問題提起をしながら特段の解決策まで提示できない記事になってしまいました。この内容については、自分自身の引き続きの宿題にさせてください。

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