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「ITを巡るプロパテント/アンチパテントの潮流」

「ITを巡るプロパテント/アンチパテントの潮流」が昨日我が家に届きましたので、早速読了しました。知っている方のブログを拝見すると、発売前にブログで紹介されたことがきっかけなのか、出版社から献本があったご様子で、私は、身元を明かしていないのと(公式には)買ってから書評を書くのがいつもなので、自腹で購入しておりますdespair

で、読後の感想を。

「ITを巡るプロパテント/アンチパテントの潮流」という題名に違わず、特許制度が始まってからのプロパテントの傾向とアンチパテントの傾向、さらにはフリーミアムに代表される第三の流れについて、実にコンパクトにまとまっています。全体的に、既に発表されている書籍や記事について要領よくまとめた印象で、現在の特許制度とそれを取り巻く環境とを概観するには好適な書籍だと思います。つまり、筆者個人の感想なり意見を強く主張するよりも、抑制された態度で「何が起こったのか、起こっているのか」を的確に記述している印象を強く持ちました。

ですから、企業知財部担当者であれ特許事務所勤務者であれ、自分の立ち位置や将来起こりうるであろう行政、立法、司法の様々な決定事項に対して、上述した3つの立場、傾向から見てどう考えるべきかについての視点を与えてくれる、辞書的な使い方のできる書籍だと思います。

ある意味、知的財産(特に行政寄りの)を研究された大学院生の方が作成された博士論文的な感じを持ちました。博士論文が書籍になるのは決して珍しいことではなく、例えば、企業戦略で知名度の非常に高い「プラットフォーム・リーダーシップ」も、確か一方の著者の方(アナベル・ガワー氏)の博士論文に手を加えた書籍であったと記憶しています。

さて、ちとtweetしたように、この筆者のお名前、Google検索しても、この書籍関連以外のものが出てきません。筆者プロフィールからすると研究者としての実績もおありのご様子で、研究者であれば学会発表や論文発表の機会がそれなりにおありでしょうから、検索すれば大抵の場合論文等に行き当たるものと思っています。それが検索できないということなので、多分、諸般の事情によりペンネームを使われているのだろうと推測しています。

で、ここからが余計なお話で。では、筆者プロフィールに書いてある「電気メーカー」とはどこなのかを私なりに推測してみたいと思います。

この書籍の記載で、標準化技術の例としてファクシミリ及び移動体通信技術についての記載が比較的厚くなっています。一方、MPEG-2のパテントプールやハネウェル vs ミノルタの特許訴訟に関しては一般的な事項しか記載されていません。こう考えると、筆者が所属されておられる企業はファクシミリ(いわゆる複合機=MFPを含む)を製造しており、移動体通信に関する機器も製造している可能性が高い一方、いわゆるAV(オーディオビジュアル)機器やカメラは製造しておられないのではないか。で、この条件に合致するであろう電気メーカーは結構限定されます。また、電気メーカーという書き方に囚われず、複合機製造メーカーまで範囲を広げても、カメラを製造していない複合機製造メーカーもかなり限定されます。

そのうち何かしらの種明かしを某所からお伺いすることができる様子ですので、この推測がどの程度当たっているかはそれまでのお楽しみにしようと思っていますhappy01


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