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2017年4月

ベンチャー企業と普通の企業と特許事務所(意味不明)

もう夜中なので殴り書き程度にcoldsweats01

企業に勤務して、一応中間管理職に就いた私は、自分の後継者を育てるのも管理職の職務であること、また、仕事の内容を自分だけがわかる状況にしないこと(突然入院とかしても誰かが代わってくれること)を教えられました。結果的に自分のポストは組織改編でなくなってしまったので後継者を育てるまでには至らなかったのですが、私の仕事の内容を自分の部署の同僚がトレースできる状態にしておくというのは、当たり前ですが今でもコツコツと継続して実施しています。

とは言え、この作業は意外と手間のかかるものでして、ヒューマンリソースも時間もそれなりに必要とします。

今、とあるベンチャー企業と知財関係での付き合いがありまして、このベンチャー企業での業務の進め方を見ていると、こういった業務の継続性であるとか後進への財産の相続性であるとかをある程度犠牲にして、スピード重視で業務を進めているという印象を受けています。逆に言えば、専門知識や人材を外部から調達することで、社内に一定の財産を蓄積する時間を省いているように見えます。あるいは適切にアウトソーシングすることで、社内に部署や業務を作らない工夫をしているように見えます。

この考え方は合理的なものであると思いますが、企業の継続性という観点からはどこかで考え方を変えざるを得ない時期がいつか来るとも思います。当然、その時期になるともうベンチャー企業とは呼べないわけですが。

さて、こう考えると、特許事務所はベンチャー企業でも普通の企業でもないと思っています。それは、業務が非常に属人的であり、また、弁理士業界の人材流動性は非常に高いので、専門知識を有するヒューマンリソースを外部から調達することが比較的容易ですから、特許事務所内において人材育成に割く時間を確保せずとも業務を遂行することができるからです。一方、案件単位の継続時間は長い(特許だと数年単位)ですから、業務の継続性は地味に必要なのですが、先程言ったように、弁理士業界の人材流動性は非常に高いので、業務の継続性を確保するためにはそれなりの努力が必要です。

業務が非常に属人的であることと業務の継続性を確保することとは、弁理士が長期間に亘って勤務するならば両立は簡単ですが、人材流動性が高いことでこの前提が崩れてきます。かつては、業務の継続性を担保するために大量の紙ドキュメントを包袋内に保管していたわけですが、ペーパーレス時代においてそのようなやり方はあまり好ましくありません。必要なデータなりドキュメントを比較的長期間(とはいえせいぜい10年程度)保管し、所内の誰もがアクセスできる環境を整えるという観点を持っている事務所はかなり少数派であるように思います。

もう一つの後進を育てるという観点は、特許事務所だとなかなか持てないように思います。それは、先程言った、業務が非常に属人的であることと、事務所内での人事異動がそれほどない(そもそもポスト自体が少ない)ので、後進を育てる必要がどの程度あるかということが理由のように思います。当然、所内の担当者の業務能力の育成、向上はどの事務所でも行っていることだと思いますが、自分が担当しているクライアントの案件をいずれ誰かに引き継ぐという発想はなかなか持てないように思います。

しかしながら、これこそが業務の継続性だと思うわけで、この発想を特許事務所にどうやって取り入れるかってのは非常に難しい問いだと思っています。

とりとめのない話で失礼wink

IoTと特許(覚え書き)

半年ほどBLOGの更新を怠っていて申し訳ございませんでした(って誰に謝ってるのか、なんですが)o(_ _)oペコッ。息子の中学受験やら何やらで平日も土日も多忙を極めており、なかなかBLOG記事を書く余裕がなかったのです。ようやく息子も中学生活を始めて、平穏な生活が戻ってきましたので、またぼちぼち更新することにしますwink

本日は、ネタとしては大きいのですが、まだ本格的な検討を始めていないので、覚え書き的な記事に止まってしまうのがこれまた申し訳ない話です(謝ってばっかりですね)coldsweats01

このところ、特許庁はIoT(Internet of Things)関連の特許審査に関する資料を充実させています。IoT関連の特許・実用新案審査基準に関するパワーポイント資料も紹介していますし、特許・実用新案審査基準や特許・実用新案審査ガイドブックにもIoT関連、さらには3DプリンタやAI(Artifical Intelligence)に関する実例等も追加しています。

IoTに関しては、ビッグデータの取扱等を含めた検討を、産業構造審議会の新産業構造部会で継続的に審議しているところですが、近いうちにこれらの資料をまとめ読みして何かセミナー風にまとめられたらなぁ、などと思っています。とは言え、議論すべき内容は多岐に亘るので、セミナーだと2時間コースですかねぇ。

特許庁は昨年のうちにIoT関連の特許・実用新案審査基準、ガイドブックの事例追加等を行い、資料も公表しています。今年になってIoT関連の事例を追加したり、3DプリンタやAIに関する事例を追加しています。昨年の時点での資料はだいたいフォローしていまして、その資料を見た限りの感想としては、特許庁としてはIoT関連技術をデータの流れを中心に見ているようです。

ここで賢明な読者であればお気づきだと思うのですが、データ処理に注目するのは今に始まったことではありませんし、特に、システムに特徴がなくデータ処理の具体的手法に特徴があるものとしては、かれこれ20年近く前に大ブームになったビジネスモデル関連発明がそれに該当するわけです。

ビジネスモデル関連発明ブームの時は、私も企業内で専門部署の立ち上げ時からその部署で担当していましたから、色々と悪夢が蘇ってくるのですが、面白いことに、特許庁は毎年ビジネスモデル関連発明に関する審査動向を報告しており、つい最近もこの内容を更新した際にIoTシステムとの関連性について言及しています。

IoTとビジネスモデル関連発明との親和性、類似性については書き始めると結構長くなるので、そのうちまとめることがあるかもしれませんが、ビジネスモデル関連発明との対比でIoTシステムを捉えた場合、特徴的なところが2点あると思っています。

一つは、IoTを狭義に定義した場合、多数のセンサから取得したデータに関する処理を特徴とすると思うのですが、ビジネスモデル関連発明の場合、サーバ=クライアントモデルを基礎とすることが多いですから、端末側にもある程度の自律性が想定されます。一方、IoTシステムではセンサー側に特段の自律性を求めることはなく、システムとして特徴的な点はサーバ側、今風に言えばビッグデータの処理手順に存在することが多くなろうと思います。ですから、特許請求の範囲においてもサーバ側のそれを重視して立案するのが良かろうと思うのです。

二つ目は、一つ目に書いたことに関連して、システムに関する請求項に加えて、いわゆるサブコンビネーションの関係にある請求項を記載する際に、サーバ側のそれは上述したように特段の問題は生じませんが、センサ側のそれはいわゆる技術的特徴事項(STF)に欠ける内容になる可能性が出てきます。この点に関して、昨年に特許・実用新案審査基準を改定した際に、サブコンビネーションの関係にある請求項にSTFがない場合の取扱について追記しています。

以上の二点についてはまだまだ派生的な議論ができるのですが(例えばサーバに関する請求項を立案しても、サーバが海外にあった場合にどうすればいいのか、など)、まずは本日はこの辺でお話を終わらさせていただければ、とconfident

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