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書籍「野生化するイノベーション」

久し振りのブログ更新です。このところ(だいたい2年ほど)本業が忙しいこともあり、毎年の弁理士数+特許出願件数の更新記事しか書けず、微妙なフラストレーションが溜まっておりました。少し気持ち的な余裕が出来つつありますので、忘れない程度に更新をしようと思っています。


あと、最近はSNSでの発信が主になっていて、ブログの場合、自分はかなり長文を書く傾向があるため、長文を書く時間を確保できないなぁ、という忸怩たる思いもあります。この辺は時代の流れとも言えるかも知れません。


さて、本日は久し振りの書籍のご紹介を。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私はMOT(技術経営)社会人大学院の1期生です。修了が2005年ですから、かれこれ15年近く経ちました。当時はイノベーションの研究室に在室していたので、イノベーション関連の書籍は好んで読んでいたのですが、やはり時間を確保できないこともあって、このところイノベーション関連の書籍から遠ざかっておりました。これではいけないということで、最近話題になっているイノベーション関連の書籍である、今は早稲田大学の教授であられる清水洋氏の「野生化するイノベーション」を読了しましたのでその感想をば。


「野生化するイノベーション」という題名はややcatchyなところもあるのですが、著者が言わんとする「野生化」とは、イノベーションはマネジメントできない、いやむしろマネジメントするとイノベーションは産まれないというやや逆説的な言い方です。とは言うものの、クリステンセン教授がまとめられたように、disruptive innovationは正にイノベーションが野生化したものであると言えますから、刺激的な題名でありつつも正鵠を射るものだと思います。


この書籍の出色たるところは、著者の主張に沿った内容についてではあるものの、過去から現在に至るイノベーション関連研究の要約があちこちにちりばめられており、この書籍を通読するだけでその成果を俯瞰できるところにあります。私も(社会人生活をしながらではあったものの)2年間イノベーションの研究室に在籍し、それなりに論文や書籍を読了したつもりではいましたが、著者の広汎な論文逍遙の範囲に正に目から鱗が落ちる状態でした。


折角ですから、知的財産とイノベーションに関する記述を引用してみます。



…日本の特許制度はどの程度、イノベーションやその結果としての経済成果に結びついたのでしょう。筆者(引用者註:清水洋氏)はハーバード・ビジネス・スクールのトム・ニコラスと一緒に、日本の特許やその取引の量を歴史的に調べてみました。そこで分かったのは、日本の特許制度も最初から完璧だったわけではなかったということです。技術の市場が上手く機能するようになるのは、弁理士などの制度の整備があってからでした。技術に理解がない人や悪徳弁理士などがいて、せっかく導入した特許制度がうまく機能していなかったのです。そのため、弁理士などの制度の改革を重ねることによって、知的財産権の保護というルールがしっかりと機能するようにしていきました…(76ページ)



この一冊を読了しただけでイノベーション研究の最先端が全て理解できるわけではないと思いますが、最先端が辿り着いた地平くらいは見えるのではないかと思っています。


夜も遅くなってきたので本日はこの程度で。


追伸:そろそろ自分がため込んできた政府の審議会資料等やこのブログをまとめたポータルサイトを作ろうかと思っています。どの業者のサーバーを借りるか検討中ですので、皆様のお勧めのレンタルサーバー業者があればご紹介いただけると幸いです。


 


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